嘘つきは人狼と結ばれますか?せめて愛すだけでもかまいませんか?
天音結依さんは人狼です。
それは僕だけが知ってる真実です。
けれど、僕はそのことを誰にも言ってません。
言うつもりもありません。
僕は彼女のことが好きだからです。
「何度も言ってるが、人狼は人の肉を食って生きる人類の天敵だ」
先生が黒板にでっかく人狼と書いて、それを白丸で囲みました。
「やつらは優れた擬態能力を持ち、人間のふりをして生活している。もしかすると、今もこの教室の中に、人狼が潜んでるかもしれないってわけだな!」
人狼学入門の授業で毎回聞かされる、おなじみのジョークです。
そのたびにクラスのお調子者が狼の遠吠えを真似て笑いを取っています。何が面白いのでしょう。
人狼の天音さんはいつも笑う演技をしています。
「先生の父さんがまだ子供だった頃、当時の大統領がその存在を認めたことによって、都市伝説扱いだった人狼の生態が今や一つの学問を確立するに至った」
白丸で囲んでいた人狼というワードから線を伸ばして、先生は騎士や占い師といった単語を書いていきます。
「人狼の存在が明るみになってから、今まで存在すら秘密だった諜報機関が次々と明らかになった。代表的なのが日本の占術省やイギリスの円卓騎士団だな。どれも人狼の駆除を共通目的としていて、構成員は総じて狩人と呼ばれている。今は『連盟』という名前のもとに協力関係を築いているんだな。ここ、テストに出るぞー」
天音さんは黒板の板書そっちのけで、こっそり携帯を見ていました。
僕は彼女の後ろの席なのでチラリと覗いてみます。
「にゃあん」
猫の動画でした。かわいいですね。
「………のところを星宮。答えてみろ」
いきなり僕の名前が呼ばれました。慌てて黒板を確認します。
やらかしました。問題がわかりません。
「ーーー占い師が狩人達のなかで重宝される理由」
天音さんがこっそり教えてくれました。
携帯を見ながらも、授業は聞いているのですね。凄いです。
「ええと、人間に擬態している人狼を見破ることができるのは占い師だけだからです」
「もう一つの理由は?」
「はい。訓練を受ければどんな人でも一応は狩人になれます。けれど、占い師になるには本人の生まれもった素質が必要なので、その人材の数が圧倒的に少ないからです」
先生はちょっと驚いた顔をしていました。
いつも赤点ギリギリの成績の僕が完璧に答えたのがそんなに予想外だったのでしょうか。心外ですね。
「星宮………お前占い師になりたかったんだな!」
先生のジョークで教室がどっと沸きました。
僕は苦笑いを返しておきます。
先生、実は僕って本物の占い師なんですよ、とは口が裂けても言えません。
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授業が終わると下校時間となりました。
正門に向かうと僕の相棒が待っています。
「にゃうにゃう」
僕の相棒は猫です。
名前はプーニャ。僕が名づけました。
「お待たせです、プーニャさん」
「にゃう。ふにゃにゃう」
「おいでおいで」
よってきたプーニャを手提げカバンにいれてあげます。
ここがお気に入りの場所みたいです。
カバンからひょこっと顔を出したプーニャを指先でなでてやります。愛らしいです。
プーニャはただの黒猫にしか見えませんが、本当は猫又という存在です。
人間よりも強い力を持っています。
僕がもし人狼に襲われたら、プーニャさんが命をかけて守ってくれます。それがプーニャさんの役目なのです。
「にゃにゃにゃ」
「わかってますよ。いつもの場所ですね」
学校を出て、住宅街を抜けると、川が流れています。
僕は河川敷の草に腰を下ろすとプーニャさんを外に出してあげます。
すると何匹もの猫がにゃあにゃあと集まってきて、やがて猫達の追いかけっこが始まりました。
この時間帯にここで、ふつうの猫たちと遊ぶのがプーニャさんの日課なのです。
「星宮くん。横、あいてる?」
声をかけてきたのは、天音さんでした。
彼女は僕の返事を待たずに、横に座りました。
気づいたプーニャさんが僕を見ていたので、心配ないですよと首をふって合図を送ります。
「いつ狩るの?私のこと」
「……………」
彼女は僕が占い師だということを知っています。
僕たちは互いに正体を知りつつも、それを仲間に伝えていませんでした。
「天音さんは狩りません。だって、人を食べてないじゃないですか」
この街でまだ食殺事件は発見されていません。
つまりまだ彼女は、少なくともこの街では誰も食べていないということです。
「私が骨まで食べちゃって、死体すら残っていないだけだったら?事件はまだ発見できていないだけかもしれないでしょ?」
「狩人の異能使いは占い師だけじゃありません。人が死んだら、誰が死んだのか、すぐにわかります。そういう能力を持った人もいます」
人狼は人間と同じように普通の食事をとって生きることができます。しかしそれをしないのは、彼らのみがもつ捕食欲求のせいです。
人狼にとって、人を食べることは、食欲を満たすことではありせん。
どちらかといえば、性欲に近いといわれています。彼らは人を食べることによって快感を得るのです。だからやめられないのでしょう。
しかし、中には天音さんのように、ごく稀ですが捕食欲求を抑え込むことができる人狼もいると聞いています。
だからといって、本当は天音さんのことも狩らなければいけません。
人類の天敵である人狼は、いかなる場合でも処分するというのが狩人の掟なのですから。
それでも僕は、彼女のことを仲間に報告するつもりはありません。
「星宮くんの言う通り。私はまだ誰も食べてない。けれど、これから誰かを食べるかも?」
「そのときはそのときです」
「そんな感じでいいの?狩り人って」
「いや、ダメですけれど………」
天音さんがちょっと笑いました。
教室でいつも見る、嘘っぽい笑顔じゃない気がします。
「もしかして、なんだけどさ。星宮くんって私のこと………ごめん。やっぱ、何でもない」
彼女が何かいいかけてやめました。
な、なんでしょう。
すごい、どきどきしました。
「天音さんはどうして人間を食べないのですか?」
逃げるように話題を変えます。
「……なんでだろう」
天音さんはどこか遠い目をしています。
「昔、食べたくない人食べちゃって、淋しくなったからかなぁ」
それ以上は聞けませんでした。
天音さんのことをもっと知りたい気持ちはありますが、彼女の心の古傷に触れて、悲しませたくはありません。
「もし私が誰かを食べそうになったら……その前に星宮くんが私を殺してね」
「…………嫌です」
僕は彼女が死ぬところを想像して、強く歯を噛みしめました。
「僕は天音さんを狩りたくなんてありません。だから天音さんにも、人間を食べないでほしいです」
「簡単に言わないでよ。今だって星宮くんのこと食べたくなってるのに」
そう言って、彼女はいたずらっぽい笑みを浮かべます。
僕を食べたいだなんて、それは嘘でしょう。
だって人狼は、好みの異性しか食べないのですから。
天音さんはけっこうモテます。
かわいいですし、誰とでも話が合いますし、思わせぶりなことを言って男を振り回すのが得意です。素敵ですね。
でも僕は、冴えないですし、みんなの話にはついていけませんし、たまに正直に言いすぎて相手を傷つけてしまうような男です。
僕と彼女じゃあ、釣り合いません。
今日は二人きりで話をすることができましたけれど、きっともうこんな機会はないでしょう。
ただでさえ占い師と人狼という立場なのですから。
僕の恋が実ることはありません。
「それじゃあ天音さん。また明日、学校で会いましょう」
二言、三言、言葉を交わして僕たちは帰路につきました。
明日からは彼女と他人。
それでいいです。それがいいのです。
「にゃうにゃう」
でも次の日、また河原に天音さんが来ました。
「占い師くん。隣、座るね」
その次の日も、三日後も、毎日天音さんは僕に会いにきました。
本当はプーニャさんが目当てでしょうか?それにしては僕ばかり見てくれてるような………。
「ねえ。人狼と人間って一緒に暮らせると思う?」
ある日、天音さんが言いました。
「共存ってことですか?」
「その、一つ屋根の下で、って、こと」
天音さんの様子が少しおかしいです。
なんだか顔が赤いですし、緊張しているみたいでした。
「それは……相性の問題じゃないでしょうか」
「ふぅん。じゃあ、星宮くんと一緒に住めるね。私たちってけっこう相性いいと思うし」
「ほんとですか?」
「ほんとほんと。ねえ、一緒に住もっか」
「はい……え?」
驚いて僕は天音さんを見ました。
彼女も僕の目を見てました。
まさか、と思いました。
でも次の日、天音さんは本当に家に来ました。
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「では、今週の報告を頼む」
会議室に僕を含めて3人の狩人が集まっていました。
僕たちは1台のノートパソコンに目を向けています。
画面には眼鏡をかけた青年が写っていました。
彼の名前は薬師寺さん。あまりにも多い人狼の討伐数から18歳で数十人の狩人を束ねる『支局長』の地位を得ていました。
この調子でいけばゆくゆくは連盟の中枢を担う存在にまでのしあがることでしょう。
「収穫はなしよ。毎晩見回りしてるけれど、あくびが出るほど平和な街ね」
刀を携えた金髪の女性、ミアちゃんが言いました。
彼女はイギリス人と日本人のハーフで、狩人の中でも騎士という役職についています。
驚異的な身体能力をもつ人狼に正面から戦闘をおこない撃退するように訓練をうけているのが騎士です。
彼女の訓練を一度見せてもらったことがあります。その華奢な体からは想像できませんでしたが、まさに電光石火と呼ぶにふさわしい剣技の速さでした。
「おう。こっちも何もなしだ。罠にかかるのはイノシシばっかりだな」
発言したのは罠師という役職についている久我くんです。
役職の名前通り、彼は自作の罠を使って人狼を狩るのが専門です。
街から少し離れた山にいくつか罠を仕掛けているそうです。
鉄製のワイヤーでぐるぐる巻きにされたイノシシを写真で見せてもらいました。
ぼたん鍋が食べたくなってきますね。
「星宮。人狼は見つかったか?」
最後に、占い師である僕の報告です。
「いいえ。見てません」
占い師は、基本相手の目を見るだけでその者が人狼かどうか判断できます。
人間でなければ、目の奥に闇が見えます。闇という他に例えようのない、黒く渦巻いた何かが、見ただけで人間の背筋をゾッとさせるような何かが人狼の瞳には宿っています。
でも天音さんは違います。彼女の目にある闇は、確かに人狼のものと同じですが、恐ろしいというよりはもっと見ていたいと吸いこまれそうな魅力があるのです。
だから僕は嘘をつきます。
彼らに真実は告げられません。
「そうか………彼岸花は咲いているんだかな……」
人狼が潜伏する場所には必ず彼岸花が咲きます。
そして、決まって夜になると血のような赤い雫を流すのです。
色々な諸説はありますが、はっきりとした理由はわかっていません。
人狼の穢れた魂がその土地に影響を及ぼすからだという言い伝えはありますが化学的な根拠はありません。
そして、これは狩人しか知らない極秘の情報です。
一般市民に知れわたれば、たちまちその付近の住民がパニックに陥ってしまうからです。
「『平和村』の可能性があるんじゃない?」
ミヤちゃんのいう『平和村』とは、ある山奥の村のことであり、そこでおきた凄惨な事件のことも指しています。
昭和初期、平和村で彼岸花が咲いて、赤い雫が流れました。
そしてその村には、引退した元狩人が隠居していました。
人間に擬態している人狼は死んでも、その死体は素人目で見て人間のものと判別つきません。
霊能者と呼ばれる役職の者がその目で見なければ死んだのが人狼なのか人間なのかわからないのです。
あろうことかその元狩人は、まだ人狼による被害がなかったにも関わらず、村にいる怪しい者を片っ端から殺害していきました。
死者の数が30を越えたあたりでその元狩人は村人の反撃を受けて息絶えました。
後日、占い師と霊能師が護衛をつれて村にやってきましたが、生きた者の中にも、死んだ者の中にも人狼を見つけることはできませんでした。
彼岸花が咲いて、赤い雫が流れても、人狼が必ずしもそこにいるという証拠にはならないということがわかったのは、それから数年後のことでした。
そして『平和村』の一件は、狩人にとって大きな汚点となってしまいました。
「けっ。たかだか30人死んだくらいでひよってんじゃねえよなあ。一匹の人狼が一生のうちに食う人の数のほうが格段に多いだろうが」
久我くんはそう言いました。
彼はかなりの問題児です。無関係の一般人を罠にかけても屁とも思わないような性格でした
一度彼のせいで人が一人死にかけたことがあります。
それからというものの薬師寺さんがちゃんと目を光らせてくれているので、彼の制御は一応はとれています。
「久我は黙ってなさいよ」
ミアちゃんが青い瞳で彼を睨みます。
「今はもう多数決とって誰か一人に首をくくらせるような時代は終わったの。あんたみたいな過激なやつはいらないのよ」
「んだと、てめえクソアマ。刀振れるからっていきがんじゃねえぞ!」
「これだから単細胞は嫌いなのよ。叫べば何か解決すると思ってる」
「ああ!?」
「二人とも、やめろ」
薬師寺さんの、鶴の一声がはいります。
画面のむこうにいても、その冷たく落ち着いた声音には人を従わせる力がありました。
「星宮」
再び僕の名前が呼ばれます。
「本当に人狼は見てないんだな?」
唾を飲みこみそうになりましたが、必死にそれをこらえました。
「もちろん。見てませんよ。何度も言わせないでほしいですね」
そう言うと薬師寺さんは笑みを浮かべました。
嘘っぽい笑みだとつくづく思います。
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「ただいまです」
両親とは一緒に暮らしてません。
狩人にとって家族は弱味。
占い師としての適正を連盟に見いだされたのが2年前、15歳の時です。それ以来、家族とは別々に暮らしています。連盟の保護下で元気にしているそうです。
だから、家に僕を迎えてくれる人がいるというのはやっぱり嬉しいです。
エプロン姿の天音さんが玄関まで来てくれました。
「お、お、おかえりっ」
「は、はい」
一緒に暮らし初めて1ヶ月。いまだにこういうやり取りが慣れません。なんというか、ちょっと恥ずかしいです。
リビングに行くと、できたてのハンバーグが待っていました。
天音さんの料理は絶品です。
ご飯なんてインスタントでいいとか言ってた昔の僕はバカですね。
一心にハンバーグを食べる僕を、気づけば天音さんがじっと見ていました。
行儀が悪かったのでしょうか。
「す、すいません。お腹がすいてて」
「いいよ。好きだから」
「え、え?」
「あ、星宮くんがご飯食べてるところ、見るのが好きってこと」
「……もしかして、僕の食べ方って変ですか?」
「変じゃないけど、なんか可愛い」
そういわれると、ちょっと食べづらいです。
ご飯を食べ終わって、皿洗いは自分ですまします。
天音さんはプーニャさんにご飯をあげていました。
最初は同居する人狼に警戒していたプーニャさんですが、今はもうすっかり天音さんに懐いているみたいです。
皿洗いを終えてから、ソファーに座って二人でテレビを見ます。
「ねえ。もっと寄っていい?」
「い、いいですよ」
肩が当たる距離まで近づいて、僕は顔が熱くなるのを感じました。
ちょっといい匂いがします。
鼓動が早くなっていくのが自分でもわかります。
「星宮くん……その、一つ頼んでもいい?」
「も、もちろんです。なんでしょう……」
彼女が上目遣いで僕を見てきます。
ダメです。僕弱いんです、それ。
「あのね……星宮くんのこと、か、噛んでもいい?」
ええ!?
か、噛むとはどういうことでしょう。
人狼たちの隠語で、ターゲットを始末するときに『噛む』という隠語を使うことは知っていますが、まさかそういうことなのでしょうか。
「違うよ違う。そういうことじゃなくて………」
血の気が引いている僕を見て天音さんは慌てて訂正します。
ほっとしました。
「そのままの意味だよ。ちょっと噛んでもいい?」
「………ど、どうしてですか?」
「え……いや、それは、その、なんか……星宮くんのこと……ごめん。味見、したい………」
天音さんは凄く顔を真っ赤にさせてました。
そんな彼女を見ると、僕も赤くなってしまいます。
天音さんは、僕のことが食べたいのでしょうか。
それは、つまり僕のこと………。
「大丈夫。食べはしないから。それは、これからも約束できる。けど、その、我慢してるから、なんていうか、ちょっとぐらい、ご褒美てきなやつが、欲しいかな、なんて思っちゃったり………」
心臓がバクバクしてます。
天音さんが物欲しそうそうに僕を見ています。
ああ。好きです。天音さん。僕はあなたのことが好きです。
でも、それを言うだけの勇気が、僕にはまだありません。
だから僕はただ目を閉じます。
「いいですよ。ただ、痛くはしないでほしいです」
僕は彼女に手を差し出しました。
けれど、
「手じゃ、いや」
そう言って天音さんは、僕の唇に優しく噛みつきました。
少しだけチクッとする、ファーストキスでした。
目を開けると彼女は、自分の顔を両手で抑えて僕に見えないようにしてました。
恥ずかしがってるようです。凄く見たいです。
「星宮くん。これ、毎日していい?」
指の隙間から彼女の目が覗いてます。
その目を見ていると、ふわふわして、どうにかなってしまいそうでした。
「そ、それはいけません!」
僕は近くにいたプーニャさんを抱えると自分の部屋に逃げました。
それからプーニャさんのモフモフした体に顔を押しつけます。
僕も何かで顔を隠したかったのです。
「ふにゃにゃ!?」
ごめんなさい。プーニャさん。もう少しだけこうさせてください。
これから毎日彼女に噛まれる想像をすると、僕のほうが違う意味で彼女を食べたくなってしまいました。
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その日、僕は夢を見ました。
青空の下で僕は彼女と手を繋いでいました。
僕は黒いタキシードを来ていて、彼女は綺麗な純白のウエディングドレスを着ていました。
学校のクラスメイトたちやプーニャさんが僕たちを祝福してくれています。
ミヤちゃんも、久我くんも、薬師寺さんも笑っています。
そこで僕は、これが夢なんだなと気づきました。
けれど夢の中の彼女は、とても幸せそうで、だから僕も幸せな気持ちになりました。
天音さん。
あなたを愛しています。だから、あなたを守ります。
例え世界の全てがあなたの敵になったとしても、僕が守ってみせます。
夢の中で、空が赤く染まり、風が吹き荒れ、みんなから笑顔が消えました。
『裏切者』『殺せ』『人狼を殺せ!』
みんなが口々にそう言います。
「星宮くん……」
彼女が不安そうに僕の名前を口にしました。
僕は彼女を強く抱きしめます。
「大丈夫ですよ。天音さん」
例えどれだけこの手が汚れようとも、この身が滅びようとも、きっと、きっとあなただけはーーーー。




