1話 異世界ガイド「バッツ」
「バッツを体の核として設定した身体を再構築します。」
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「完了しました」
俺は機械質の声で起こされた。
バッツ?、なんのことだ?そう思った矢先、返事が帰ってきた。
「私は、異世界ガイドの「バッツ」です。
こちらの世界に着いた時、バッジ型人工知能[バッツ]を体の核として身体を再構築したことにより脳の神経とリンクすることができ、疑問に思ったこと全てに即座に返答することが出来るようになりました。また、身体の再構築の際、身体能力が飛躍的に上昇しました。」
そ、それは良かったね…。 天国ってこんな感じなの?、聞こうとした瞬間返事が返ってきた。どうやら念じるだけで良さそうだ。
「ここは天国ではなく異世界です。あちらの世界での死亡をキャンセルして、無理矢理こちらの世界にワープしてきました。また、智明がいなくなり、大混乱になっていることが予想されます。元の世界に戻るのは今のところ不可能です。」
堅苦しい口調だけど、俺のことは智明って呼ぶんだ。(決して、御主人様とかで呼んで欲しかったと言うわけではない)
これから何すればいいかな?、折角向こうで生き残ったけどいきなり野垂れ死に?
「身体能力が大幅に上がった為、肉体労働をしてお金を稼ぐのがいいと思います」
しかし、俺の興味は目の前に広がる町に向いていた。楽しみなのは、食べ物である。だが、看板や広告を見て見ても何一つ分からなかった。
文字が、読めなかったのだ。
だがしかし、ここで天の声。
「この世界での言葉を翻訳しますか?」
ああ、神は俺を見捨てていなかった。
大袈裟に言ったが、マジで言葉が通じるってスバラシイ。バッツ様々である。この調子でどんどん役に立ってもらいたいものである。
「何故、上から目線なのでしょうか?」
うん、こういうのは無視しよう。
本当に様々なものがある。肉屋、武器屋、野菜屋。
様々なお店を回っていると、いきなりバッツが話しかけてきた。
「この先にあるギルドで様々な仕事が受注できるようです。」
そこは、質素だが、とても大きい建物だった。