エピソード6:後藤君への復讐
夜、後藤君の家の窓に挟んでおいた紙の切れ端には午後9時神社の境内にて待つと書いておいた。
佐藤君の再来と言われるほどアホなので来るだろうと踏んだ私は準備を進める。
午後8時、ひと足早く神社の境内に来た私の計画はこうだ。
藁人形に彼の名前と顔写真を貼り木に貼り付けているフリをする。彼がビビっているところに花火で爆撃である。
経済的負担が危ぶまれたが家にある湿気まみれの危険な打ち上げ花火を使用することでその問題は解決した。
ついでに田中君も連れてきた。
いざと言う時は盾になってもらう所存である。
午後9時、彼がやってきた。
生意気にもジャージで来ている。
先輩と会うのになぜそんなラフな格好なのか、常識がなっていない。
いや私には常識がどうのこうの言えるほどの大層な知識はない。
だが私は彼をギルティと決めつける。
彼の罪は冷蔵庫くらい重いのだ。
田中君がシャドーボクシングをしているのを横目に私はカーンカーンと釘を打ち始める。
彼は気づかない。
こんなに音を鳴らしているのに気づかないとは何事か。
バカなのか、アホなのか、どっちもか。
しびれを切らした私は花火に発火する。
花火は打ち上がる事なくその場で爆散した。
プゲェと悲鳴をあげて木っ端微塵になったわたしの姿は薄汚れて妖怪ともとれる凄まじい形相だったようで、田中君と後藤君はダチョウのような悲鳴をあげて逃げていった。
被害を省みない私の愛のムチは効果抜群だったようだ。
ちなみに打ち上げ花火爆散事件も私には効果抜群だった。
そういえば花火がまだあと2つ残っていた気がする。
視界の端に導火線が見える。
光っている。……え
あれ、そのまま短くなったらまた爆散、え、ちょ
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