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Outlaw Gunners ーハーレム小隊の憂鬱な日々ー  作者: 梨乃 二朱
第四章:一ノ瀬優の暴走
45/63

幕間

 優雅な休日。

 テレビから流れるニュースキャスターの声をバックグラウンドミュージックに、総督を名乗る青年はぼんやりと天井を見上げていた。

 ベッドに寝転がり、ただ呆然と天井を見上げる。

 休日は大体、こうして過ごしていた。


「総督、生きてる?」


 ふと女性の顔が視界の中に入った。

 土気色をした面持ちに赤い切れ長の瞳が、彼の視界を埋め尽くす。彼女から垂れ下がる金色の長髪が、頬をくすぐった。

 彼女の吐く息は、少しアルコールの香りを帯びている。死臭を誤魔化す為に、酒を飲んだのだろう。


「生きてますよ。死んでるとでも?」


「さっきからその格好で動かないから」


「死んでいるのは、貴女の方では?」


「フフッ、そうね」


 彼女は悪戯っぽく微笑むと、彼の唇に自らの唇を押し当てる。

 束の間の口付け。

 ゆっくりと唇を離した彼女は、うっとりとした眼差しをし彼の隣に寝転がった。そして甘えるように彼の腕にしがみつく。


「何か見えるの?」


「色々と。色々と、ね」


 彼は彼女の肩を抱きすくめた。

 死後硬直したような氷のように冷たい肌は、火照った体に丁度良かった。


「彼がどうしてるのか、とかね」


「あぁ、今は復興都市に居るのよね?」


「えぇ、部下を一人失ったようで。慟哭が伝わってきます」


「それは大変。慰めてあげなきゃ」


 女性は彼の頬に手を当て、「良い子良い子」と優しく撫でる。

 彼は馬鹿にされているようで、少し表情を堅くした。


「僕はそんなに子供じゃ無いです」


「フフッ、怒ったかしら?」


「怒りません。僕が本当に怒ったら、貴女を無茶苦茶に犯してますよ」


「あら、それは楽しそうなのに、残念」


 おどけるような口調とは裏腹に、女性はさも残念そうに溜め息を吐いた。


「それで」


「へ?」


「アレーネは、何処まで生きられるかしら?」


 まるで世間話をするように、女性は同僚の生死について問い掛ける。


「僕の忠告を聞いていれば、無事に逃げ仰せたものなのですが」


「無視しちゃったんだ?」


「えぇ、伝書鳩には無駄足を踏ませてしまいましたよ」


 彼は肩をすくめる。

 申し訳ない、とは思っていない様子だ。


「彼女は死にます。それも犬死にです」


「少し勿体無いわね。あの子、従順に『アンデッド』と『RED SHOT』を生産してくれてたのに。今時、珍しいタイプの『不死人』よ?」


「仕方ありませんよ。何せ、彼の地雷を踏み抜いてしまったのですから。彼女だけでなく、あの施設の『アンデッド』は分け隔てなく掃討されるでしょう」


「けど、一人死んでるから残り四人でどうやって追い詰めるの? ちょっと無理じゃ無いかしら?」


「普通なら、ね。けど、彼は普通じゃ無いから」


 女性は彼の言葉に、「あぁ、そうだったわね」と得心したように言った。


「もしかすると、彼女も現れるかも知れません。そうなると、酷いことになりますよ」


 彼は懐かしむような笑みを浮かべた。

 対照的に、女性はムッと唇を尖らせる。


「また彼女? 昔の女がそんなに良いの?」


「彼女は特別だったから。嫉妬しないで下さい」


「別に嫉妬なんかしてません」


 彼は苦笑すると、女性の頭に手のひらを置いた。


「心配しなくても、今は貴女だけですよ」


 そんな臭い台詞を吐いていた。

 何と無く書いた幕間の物語です。

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