幕間
噂は尾ひれを着けて
「ねぇ、知ってる? 『新撰組』の話」
女子生徒が同小隊メンバーに、不適な笑みを浮かべて語り掛ける。
メンバーの一人も、同じ様な笑みを浮かべて首を縦に振った。
「知ってる知ってる。あれでしょ? 隊長が失踪したってやつ」
「そうそう。名前忘れたけど、あの隊長も結構あの三人に振り回されてたから、限界だったんじゃないかって」
「そりゃ、そうだよな。下げたくない頭下げて回るのが任務みたいな仕事、俺だったら絶対ゴメンだぜ」
「でも、それ以外に能が無かったんでしょ?」
「うわっ、キッツー。それ言っちゃう?」
「事実でしょ? 皆言ってるし」
「けど、あの三人を纏めてたのは凄いよね?」
「て言うか、あいつ以外に『新撰組』を纏められる奴、居んのかよ?」
「纏められてたっけ?」
「何か雨竜先生が面倒見てるらしいよ。後任が決まらないんだって」
「そりゃ誰だって嫌だよな。あんな小隊」
「それもそうね」
「特別手当出ても、絶対嫌よね」
『咲浪銃器学園』は、俄にある話題で持ちきりであった。
それは“『新撰組』小隊長失踪事件”である。
ここまで来て気付いた。
ラブ要素が無い!