No.4 能力
said朔
『この世にはステータス観覧はとっても簡単です。』
そう、言われたときは驚いた。
裏日本では機械を使ってやっていて、とてもめんどくさいものだったからだ。
ティフィスに教えてもらったから、実行しようと思う。ティフィスは疲れて寝てるしね。
えーと、手のひらを見ながら念じるんだよね?
別に、他人と同じ部屋で寝ることになれてなくて、起きちゃったとかじゃないけどね?
ステータス観覧
緑色の板が出てきた。SFにでてくる全身が映る通信機的なものだ。
名前:赤神 朔
種族:レッサークローンドラゴン
能力:ラッキーマネー 現 神託受信
恩恵:系列主の恩恵 世界の加護 夢主の永遠 系列の呪縛
役職:小さな世界の神
増えてる?なんだこれ?あれかな?祭典やったから?
それにフェイクフォーエバーって、偽物の不死ってこと?
わからないけど、種族名レッサークローンドラゴン。
レッサードラゴンのクローンってなに?お婆様は原龍種で、人間の思想が一切入ってない時の䰱のはず。
『進化というものもあります。』
確かにタブはある。それをタッチすれば色々と情報が出てくる。
……ん?系譜が観覧できる?
よし!
種族の上位を見てみよう。
一番上が、源始龍アザソトゥース
次に源龍 紀佳
同列に、雷地 水地 氷草 火風 幻夜 現夢
その下ごとに下の位があって、上から順に、純血龍上位 純血龍中位 純血龍下位 純血龍最下位。
下位と最下位は、すべての源龍の下に分類されている。
そこからもっと枝分かれするみたいだ。
源龍は最上位といわれ、純血から上位、中位、下位、最下位と呼ばれていた。
特殊個体。唯一個体とも言える。名前があげられているのがその証拠だろう。
源始龍についての説明が乗ってある。
以外だ。
源始龍:この世界の想像主の母にして父。【最上位権限により観覧を禁止されています。】【最上位権限により観覧を禁止されています。】【最上位権限により観覧を禁止されています。】
やっぱりだ。
こうだとは思っていた。
次に、源龍水地
水地:【最上位権限により観覧を禁止されています。】【最上位権限により観覧を禁止されています。】【最上位権限により観覧を禁止されています。】
やっぱりこっちもだ。
軽い説明文しかでてこない。
基本的に上位種の情報は観覧できないってこと?
あ、え?
私の系列の上位に、私の父と母の名前がある。
名前:【最上位権限により観覧を禁止されています。】
種族:【最上位権限により観覧を禁止されています。】
能力:最上級精霊使役 最上級霊使役 幸運 世界の言葉 神託
恩恵:源龍の加護 永遠 罪の浄化
役職:神の代行者
名前:【最上位権限により観覧を禁止されています。】
種族:クローンドラゴン
能力:ラッキーマネー 現
恩恵: 罪の受け皿
役職:なし
あれ?系列主の観覧できる?
って、ことは、同系列なら検索可能なのか。
名前:現夢 (【最上位権限により観覧を禁止されています。】)
種族:源龍
能力:ラッキーマネー 現 夢 詠唱破棄 終着点 世界の言葉
恩恵:なし
役職:地獄の神 魔神 罪の浄化者 世界創造者 世界想像者 死神 系列主
…称号を隠してるって、なにとったの?殺戮者以上になにとったのさ。
……私の進化系見ようか。
…………あれ?ない?
ないって、どういうこと?これで完成体?
レッサークローンドラゴンのまま?
マジで?そんなの聞いてないよ!大体、こういうのって進化して強くなるじゃん!
うそ、でしょ?レッサー、レッサーだよ?詰みじゃん。
《進化の他に転生という強化方法があります。》
え?なにこの声?
《私は司書と申します。竜使族の共有知識の管理を行っている者です。気軽に神託さんとお呼びください。》
ふーん。って、管理してるって、大丈夫なの?上位個体は。
《なにも問題ありません。私は種族の無意識によって作られ、無意識のままです。無意識の擬人化ですので、製作者に歯向かうことはあり得ません。この声、思考も言葉さえ無意識の代理です。》
?よくわからないな。誰かが無意識に教えようとしてるってこと?
《だいたいそんなところですね。》
そっか、まぁいいや、で、転生?だっけ?どうすればなれるの?
《死ぬことですね。》
死ぬって、
《最上位個体なら不死を不死ではなくすくとこが可能です。あなたにかけられた不死でさえ。》
えーと、つまり無理ゲー?
《はい。残念でしたね。諦めてください。》
あっさり過ぎない?私としてはもっと別の道を探したいのだけれど?
《竜使たるもの、諦めどころが肝心です。この先うまく、生きていくには私に従ったほうがいいと思いますよ?》
うー、能力の癖に生意気。
《そんなこと言っているのも今のうちです。そんなことより、もう寝てはどうですか?》
それもそうだね。寝なくちゃ。
あ、一つ、レッサークローンドラゴンについて教えて!それ聞いたら寝るから!
《………仕方ないですね。あなたのお母さんは、あなたのお祖父さん…………どうしましょう?現夢もあなたのお母さんも女。
…………まぁ、いいとして、あなたのお母さんは現夢のクローンです。そのこどもで、力が劣ってるのでレッサークローンドラゴン。オケ?》
ちょ、詳しく!え?どういうこと?お母さんがクローン?
《はぁ、えぇ。あなたのお母さんを生んだ人は、現夢の細胞からクローンを作り出して、自らの子宮内で育てたのよ。
まだ体内じゃなかったら、オリジナルに取り込まれなんだけど、変態から養分を受け取っちゃってて、オリジナルが拒否したのよね。認知こそしてあげたんだけど、やっぱり気持ち悪いじゃない。それに、金髪だったしね。オリジナルとしては、自分が定期的にある食物を食べなきゃ色素を手に入れられないのに、クローンの分際で手に入れてルなんて!って、憎らしかったみたいよ?しかも変態から生まれた。ってことも合間ってね。》
え?重い。話が重い。
《あなたが生まれたのは、あなたのお父さんがクローンと結婚するっていったからなのよね?反対を押しきって結婚したの。現夢も反対してたんだけど、不純物が混じってるけど自分の系譜にあなたのお父さんを入れることができるから納得したみたいね。
あなたのお父さんもそれが目的だったみたいだし。》
愛はない、か。
《ずいぶんと空気が重くなっちゃったわね。まぁ、真実よ。》
だからお父さんは家に帰ってこないんだ。水地様もにてよかったってのも。
《そうね。ほら、もう寝なさい。明日は早いんでしょ?》
うん。おやすみ。
《えぇ、おやすみ。》