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No.2 異世界

side朔


異世界はとても奇妙なもので、異世界感はあまりなかった。

どちらかと言えば、技術系の博物館の『未来の日本』の予測紹介のイラストの中のような気分だ。

アスファルト、高層ビル、自動車。

まるで現代の街を丸々持ってきてしまったようだ。

事前の説明で、人間の国は魔法が発達して科学が疎かになってるといわれたのだが、これはどういうことだ?

服装も現代的、七三のサラリーマンさえもいる。

私は、スクランブル交差点のど真ん中にてんされたようで、人のながれにのって、ビルの足元までやって来た。


『格好も今のままでいいからね。』

そういって、笑顔で送った水地様の意味が、やっとわかった。


「ここは、ほんとに異世界なわけ?」


獣人も見た目でどの種族か合間なものもいる。ほとんどがそうっいった魔物たちだ。

魑魅魍魎も人間もいる。

空を見上げれば、水耕栽培なのかいくつもの大型プラントがビルに取り付けられていたりしている。

よくよく見てみれば、自動車はどれもが電気自動車で、電柱はあれど、トレジャーなどの物がないあたり、お飾りか、鳥の休憩スペースだろう。

騒音のない風力発電。田舎の小川のような澄んだ川の水、排気ガスの薄い空気。


まさに、『理想の都』だ。


「たしか、中央区のそう本部にいけばいいんだっけ?」

「えぇ。そうですわ。」

「へぇ。で、本部は――って、」


私の腰辺りの高さに、ゴスロリの服を着た女の子がいる。

迷子?


「はじめまして。私、ドール=メメント・モリと申しますの。

この国の代理運行を行っている半人工知能型疑似生命(アンドロイド)ですわ。」

「え、はじめまして。って、疑似生命(アンドロイド)?随分」

「それっぽいでしょう?ふふ、神の叡知の結晶の賜物ですの。マスターヘデラの方針により、半人工知能ですがね。」


私の知る疑似生命(アンドロイド)は、不気味な人型のものだったので、びっくりしている。


「あなたは、この国のトップと名乗ったけど、ここにいていいの?」

「はい。この体が破壊もしくは盗まれたさい自壊し残しませんし、バックアップはあります。私は、システムの一部なので作られた心は製作者によりマスターヘデラに捧げられています。」

「製作者がマスターじゃないの?」

「はい。私の製作者はミスターカグヤですわ。」


ミスターカグヤもマスターヘデラも知らないのよね。

まぁ、それはいいとして、この子についていけばいいのかな?


「こちらに。これからの説明を任されていますので。」


彼女に従い歩いていくと、それらしき施設がみえてきた。

かなり上質な部屋に通された。ソファーがかなりすごい。


「えー、ではまずあなたがこれから行うことから始めましょうか。

まず、信仰集めとして隣に接する亡国アクリムスタの吸収を行います。」


え?吸収?思ってたのと随分と違う。


「従って、元アクリムスタを襲ったクリスタリスト王国を滅ぼします。」

「ほ、ほろぼす?」


えぇ、私戦闘型じゃなくて、どちらかと言えば資金調達や諜報系よ?祖母は戦闘系かつ諜報系な特殊でチートな方だけど、私じゃ及ばない。

魔術はそこそこで、潜在能力を期待するのみなのだ。


「はい。ゲームメイクで、不必要な国です。国民は殺さず王族、貴族連中のみ殺してくださいませ。領土と民はそのまま吸収いたしますわ。

それから、アクリムスタの攻略ですわね。こちらはかんたんでございましょうし、ね。お入りくださいな。」

「失礼。」


ただ、そこにはイケメンがいた。

まごうことなきイケメンが。

王子様系のイケメン。

サファイアのような瞳、快晴の空のような髮。


「朔様。こやつがアクリムスタの第一王子。我がアストリナにアクリムスタの半分の市民や兵士と共に亡命してきたものですわ。

国王と王妃、そして第一王女はいまだに手助けなしで再建できると信じております。」


皮肉も混ぜてか、ドールは説明してくる。

そういった対応は初めてで緊張する。ここは堂々としなければならない。

けど、私はしがない平民と同じようなものだったし、王様や王子様などそんな存在とも話したことない。

敬語がいいの?これって。


「お初にお目にかかります。私、元アクリムスタの第一王子でした。

ティフィス=アクリムスタです。」


どどどどどどうしよう!対応がわからない!

はっ!ドールの口パク?

堂々としろったって!


「ティフィスといったな。」

「はい。」

「朔、赤神朔という。」

「朔さまですね。」

「そうだ。

聞いた話によると、一国潰すようだが、私は戦力になれない。」

「へ?どういう、事ですか?」

「私は戦闘特化でないからだ。」


「えぇ。」


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