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神様の御子  作者: 珠州 那緒
6/20

ボスはやっぱり最強ですね。






マリアとセリアと一緒に談笑してると、ユーグに呼ばれアレクは仕事に行った。



「アレクも無表情だけど顔は良い方だから…ミアと並んでも遜色が無くて良かったわ」

「…ソウデスカ?」

「黒髪で黒い瞳なんて、リーチェ…あ、大魔女のベアトリーチェのことね。 彼女しか見たこと無いから、本当に驚いたわ」

「あぁ…そういやユーグさんに聞いたような…」

「今度リーチェ紹介するわね。 私、彼女とは仲良しなのよ」

「へぇ~…」



楽しそうに頬を緩ませるマリアに頷くと、セリアが横に移動してきた。



「リーチェ様は凄く神秘的な方なの。 私もよく会って頂いてるのだけれど…今は確か北の領地に遊びに行ってる筈よ」

「じゃあ帰ってきたら会えるのかな?」

「ええ! 義姉様とリーチェ様が並んだら…凄く壮観ね!」



喜び楽しそうなセリアに、リーチェ様ってどんな人かと楽しみになった。






夕食時、王様家族と一緒に食べていたら──────彼女は突然現れた。



「よう。 皆共久しいのぉ」



黒髪黒眼の彼女は────真っ黒な肩出しのドレスに身を包み、真っ赤な唇をニィッと持ち上げた。



「リーチェ! 久しぶりね!」

「あぁ…マリアも元気そうじゃなぁ」



駆け寄るマリアを抱きしめて、リーチェは鷹揚に頷いた。



「さて…新しい魔女とやらは……お主かえ?」

「どうも~初めまして…ミアでーす」



──────ごめん、リーチェ様…私は今目の前の肉と戦っているのだ!



けしからんこの肉めっ!

柔らかくて程良い弾力に、思わずにやけてしまう。

相変わらず表情筋は死滅しているので、無表情ですが。



「ほぅ……これはまた綺麗な女子(おなご)だのぅ…アレクが惚れるだけはあるのぅ」

「ぐっっ?!」

「義姉様ったら…大丈夫?」



クスクスと笑いながらセリアにグラスを渡されて、一気に飲み干す。



「ふふふ…凄い魔力じゃなぁ……()いお子を産みそうじゃ」

「ぅえ? 私ってこっちで子供産めるの?!」



思わず驚いて立ち上がると、リーチェは楽しそうに頷いた。



「魔女とて元は人間だからのぅ…子宮が問題なければ産めるぞぇ」

「リーチェ様は我の祖母になるのだしな」



────────マジかよ…



前皇帝の一言に、本気で驚いた。



──────────いったい幾つなんだ、この人…



「女子に年は訊いてはならぬよ、ミア」




にっこりと笑ったリーチェ…

名乗った覚えの無い名前を言われ…

顔の表情筋がピクリと動いた気がした。















────────ボスはやっぱり最強ですね。





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