正解でしたが・・・嬉しくありません。
──────さて、どうしたものか…
彼の視線はブレない。
私がここに現れてから、ずっと行動を視線で追いかけられている。
「あ~…あのさ、さっきからその…いや、やっぱり良…」
「俺と結婚しませんか?」
「「「────────は?」」」
黒髪赤眼────もとい、アレクシスは私の近くに寄ってくると、無表情にそう言った。
「ぁ…ぃゃ…ぅん……無理」
「俺ではミアの夫になれないだろうか?」
「──────」
無表情に見下ろされ、平坦な声でそんなことを言われても…。
まったく心が動じない。
「俺なら……ミアのことを大事にできる」
──────あらやだ…ちょっとドキッとしちゃ………わないのが私だよ。
見つめあうこと、数十秒。
彼の瞳が薄っすら潤み揺れているのに気づき、私は深く溜息を吐き出した。
──────やっぱり無理か…
彼の視線は、向こうに居た時に散々味わったもの。
──────どうしたものか…
私の勘が外れなければ────アレクシスはヤンデレタイプだ。
監禁拘束当たり前、下手をすればずっと犯されパターン…。
「……恋人からなら良いですよ?」
無表情で首を傾げてそう言えば──────。
アレクシスは深く頷き、ふっと彼の口角が嬉しそうに持ち上がった。
────────正解でしたが、嬉しくありません。