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神様の御子  作者: 珠州 那緒
15/20

とっても可愛くて仕事の早い人を手に入れました。











──────────本当に、リーチェは凄いと思う。





「え? やだっ、何処よここぉぉぉぉ……」








数日前に私の暗殺事件が終わり、再び暇な日常が戻ってきました。

そして大魔女(リーチェ)様は仰いました。







召還魔術が出来上がったぞぇ──────と。



それはもう清々しい笑顔で。








そして私は実行した。







「清水さんっ!!」

「美愛ちゃんっ?! やだっ! ホントにっ────?!」



再会の熱い抱擁を清水さんにすると、彼女は嬉しそうに微笑んで瞳を潤ませた。



「もうもうもうっ! 急に美愛ちゃんが居なくなってどうしようかとっ…」

「ごめん…私もこっちの世界に飛ばされちゃって…」

「うぅぅ…無事で良かったぁぁぁ…」



ぎゅううっと抱きしめ返してくる清水さんに、今の状況を軽く聞かせると。



「魔女パターンキタコレw やだ、イケメンと結婚とかけしからんもっとやれ!」



さすが清水さん。

いつものテンションですね。



「元気そうで良かった…ずっと気にしてたの…」

「本当にごめん…」



こっちでは3ヶ月程度しか過ごして居ないが────向こうは1年が経っていたらしい。

丁度今日は土曜日で、清水さんはお風呂に入ってゴロゴロと転寝をしていた時に召還してしまったようだ。



「私は戻ることは出来ないんだが…清水さんは戻れるから安心してくれ」

「別に大丈夫よ~…って言うか……図々しいお願いなんだけれど…私もこっちで生活できるようにして頂けないかしら? あ、無理にとは言わないわ…でも美愛ちゃんと離れるのはもう嫌なの…」

「私も清水さんのことだけが気懸かりだったんだ…嬉しい……でもこっちの世界にはゲーム、無いけど大丈夫?」

「平気よぅ…リアルで見てる方が楽しいものww」

「清水さんのことは私が責任をもって守るから」

「うん! ありがとう美愛ちゃんww 大好き~!!!」



え? 恋人同士の会話に聞こえる?

これがいつもの会話ですが?



「今回の召還術を考えてくれたのがこちらのリーチェ様です。 大魔女様なんだ」

「初めまして清水 菫(シミズ スミレ)です。 美愛ちゃんにいつもお世話して貰ってました。 よろしくお願いします」

「ベアトリーチェ・アズナヴールだ。 妾こそよろしく願う」

「いやぁぁぁぁぁぁん! ベアトリーチェ様ってすっごく綺麗な人ね!」

「くっくっく…スミレは可愛いのぅ。 妾のことはリーチェで良いぞ」

「やだぁ…嬉しいw ありがとうございます!」



ニコニコと微笑みを絶やさない清水さんは、いつも課の中でも人気者だったのを思い出す。

本人はそっち方面に興味がなくなったと言っていたが……私が知り合ってからも男の影は全く無いので本当のことだと思う。



「あとで夕食時に皆共に紹介してやれ。 それまではここを出てはいかんぞぇ」

「うん。 リーチェありがとう。 清水さん、こっちで座って話そう」




どうやら────-私は向こうで失踪者扱いになっているらしい。

従業員15名の小さな会社だったし、酒呑み仲間として社長や専務とも仲良かったのだが、誰一人として私のことはそんなに心配しては居ないらしい。



社長曰く────、神野はひょっこり帰ってくるだろう…と。



喜んで良いものかどうかは別として。








こっちの時間では1時間程だが、向こうでは4時間程。

時間の流れの違いを把握しながら、再びこちらに定住する用意をするために清水さんは向こうの世界に戻った。

社長に話してきてくれるらしい。

ありがたい。













──────────とっても可愛くて仕事の早い人を手に入れました。












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