巻き煙草
若干性的なものがあります。
捕われたのはあたしだった。
彼といて知ったのは巻き煙草の作り方。
まず適当な紙を2、3cmの幅、長さは15cmくらいにしてそれをくるくる巻く。
これがフィルターになる。
巻いた紙を携帯にはさんで戻らないようにして
巻き煙草を巻くための紙を引っ張っりだす。
片方だけに濡らすとくっつく糊のついた紙で
その大体真ん中に葉っぱを乗せていく
フィルターのはいる部分をよけて均等に乗せたら
少し指でギュッと形を整えて
挟みこむように紙で巻く
丸い棒状の煙草が象を表す。
舌で糊の部分をフィルターの部分以外を舐めて張り付けて
乾かす為にジッポで接着部分を軽く焙る
そしてフィルターを先に挟みまた糊を舐める
そして焙れば巻煙草が完成する
「また作ってたんか」
ベッドの左側にいる男が寝ぼけた声をあげた。
「だって起きないんだもん…ちょっと」
寝ぼけた言葉とは裏腹に的確に彼の手はあたしの胸をいじりだす。
「何?」
「煙草吸いたい」
折角作ったのに。
そう言いながらあたしは彼の行為に集中しだしてしまう。
「気持いい?」
にやりと笑う彼はまるで子供。
「吸いたいなら吸えばいいよ」
「だって…んっ」
意地悪な手を退けようとすると彼は更にあたしの弱いところを攻める。
「お前の耐えてる時の顔って厭らしくて、好き。
すっげぇそそる。」
「…このサディスト…」
「嫌い?」
「…嫌いじゃない。
するならキスが先じゃない?」
引きずり込まれるように腕に落ちていく。
この瞬間は好き
気持ちまで落ちてる気がする
噛みつかれそうなキスが身体を滲ませる
「もっと」
キスしてもっと
軽いだけの恋愛じゃもう足りない
甘いだけの恋愛は終わったの
貴方以外とたくさんしたから
貴方とは違う恋愛がしたい
甘くてでも苦い
もっと深いところで混じりあいたいの
あたしは微かに笑って唇を寄せる
貴方は苦いの
でも気持ちいい苦さで病み付きになるの
まるで巻き煙草を吸ったあとに
唇に残るあの苦さみたいな恋愛
それは貴方と
貴方とだけしてたい
だから捕われていたいの
貴方に