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婚約破棄した殿下が今更迫ってきます!迷惑なのでもう私に構わないで下さい  作者: Karamimi


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第45話:僕は君を守れて幸せだよ~アレホ視点~

「アレホ、一体何をしたんだ。この魔法書に書かれているページは…」


 周りで皆がギャーギャー騒いでいる。それにしても、苦しいし痛いし…こんな苦しみを、リリアーナは1日近くも耐えていただなんて。もっと早く、代わってあげられれば良かった…


 今までリリアーナの状況を、ただ見つめていただけの自分に、改めて腹が立ってきた。


「殿下、あなた様は一体何をされたのですか?どうして私が元気になって、殿下が急に苦しみだしたのですか?」


「リリアーナ嬢、落ち着いてくれ。アレホはどうやら、身代わりの魔法を使った様だ」


「身代わりの魔法ですって?」


 近くに置いてあった魔法書を父上は見たのだろう。


「そんな…それじゃあ殿下は…どうして?どうしてそこまで私の為に…」


 ポロポロと涙を流し、僕に抱き着くリリアーナ。


「リリアーナ…僕にとって君は…命に…代えても…守りたい…ゴホゴホ…」


「殿下、どうかもう話さないで下さい」


 クソ、僕の気持ちをきちんと話せなかった。そう、途中で吐血してしまったのだ。そんな僕に涙を流しながら、僕の口元を拭いてくれているリリアーナ。どうか僕の為に泣かないでくれ。君が泣くと、僕は悲しくなるのだ。


 そう伝えたいが、話すことが出来ない。


 どうしても気持ちを伝えたくて


「紙と…ペンを…」


 そう伝えた。すぐに近くの使用人が、紙とペンを持ってきてくれた。さらに僕の為に、大きなベッドが運ばれてきて、そこに寝かされた。


 どうやら僕を王宮まで運ぶのは、厳しいと考えたのだろう。


 早速自分の気持ちを伝えたくてペンを握ったが、激痛と息苦しさ、さらに手が上手く動かずに、中々文字を書く事が出来ない。


 それでも必死に書き上げた。


 “リリアーナ、どうか泣かないでくれ。僕は君の身代わりになれたこと、とても幸せに思っているから”


 本当はもっともっと伝えたい事が山ほどある。でも今の僕には、これ以上文字を書く力がないのだ。


「アレホ、いくらリリアーナちゃんを助けたいからって、この様な魔法を使うだなんて」


 母上が僕に抱き付き、声を上げて泣いている。父上も


「どうして身代わりの魔法なんて…と言いたいが、お前らしいな!」


 そう言って泣いていた。父上、母上、親不孝な息子でごめんなさい。でも僕は、リリアーナを死なせることだけは、出来かなったのだ。


「アレホ殿下、リリアーナの為に、本当に申し訳ない。とにかく、殿下が身代わりになってくれたお陰で、まだ少し猶予が出来た。何とか殿下が助かる方法を私達も探そう」


「アレホ殿下…姉上を助けてくれて、ありがとうございます。それから、今まで酷い事を言ってごめんなさい」


 リヒト殿が僕に頭を下げて来た。


 どうやら最後の最後に、リヒト殿に受け入れられた様だ。それにしても辛いし痛いし…何なんだこの苦しみは。あの女、こんな恐ろしい呪いをリリアーナにかけていただなんて!体中から今までに感じた事のない怒りを感じた。


 あの女は生前散々リリアーナを苦しめたにもかかわらず、死後まで苦しめるだなんて!あの女の思い通りにはしたくない。


「殿下、お可哀そうに。私が殿下の身代わりになります。この呪文を唱えればいいのですね」


 何を思ったのか、僕の専属執事が、身代わりの魔法を使おうと、必死に呪文を読み始めたのだ。でも、もちろん身代わりになんてなれるわけがない。あの魔法は、非常に難しいのだ。


 僕が成功で来た事さえ、奇跡なのだから…


「どうして…どうして身代わりになれないのですか?」


「それなら私が」


「止め…ろ…無理だ…」


 必死に止めるが、誰も止めようとしない。挙句の果てに父上や母上、公爵や夫人、さらにリリアーナまでもが、呪文を唱え始めた。でも、何度やっても無駄だ。


 何の知識も訓練も受けていない彼らに、内に秘めた魔力を引き出す事なんて出来ない。そもそも、この魔法は非常に難しいのだ。少し魔法をかじった僕が、本来使える魔法でもないのだ。


 そうこうしているうちに、再び夜が更けていった。


 きっと僕はもう助からない。それでもリリアーナの命を救えた。だから僕は、後悔なんてしていない。ただ…自分のせいで僕が命を落としたとなれば、きっとリリアーナは苦しむだろう。


 どうかリリアーナには、僕の事を気にせずに幸せになって欲しい。それが今の僕の、唯一の願いでもあるから…

次回、リリアーナ視点に戻ります。

よろしくお願いします。

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