↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄した殿下が今更迫ってきます!迷惑なのでもう私に構わないで下さい  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/42

第24話:殿下は相当お疲れの様です

「そろそろ日が暮れてきたし、帰りますわ。皆、今日はありがとう」


 つい子供たちと遊びすぎてしまった。気が付くと、日が沈みかけていた。ただ、子供たちがギュッと抱き着いて来たのだ。どうやらまだ一緒にいたいけれど、もう夕方だから帰らないといけない事は分かっている。という、葛藤から何も言えないのだろう。


「また近いうちに遊びに来るわ」


「本当?またすぐに来てくれる?」


「ええ、もちろん。約束します」


 子供たちと約束して、孤児院を後にしようとした時だった。


「あら?リリアーナ様おひとりですか?殿下は?」


 修道女に話し掛けられた。そう言えば殿下もいらっしゃっていたのだったわ。確か殿下は…


 子供たちと一緒に、殿下がいる寝室に向かうと…


「殿下、眠っている…」


 スヤスヤと気持ちよさそうに眠っていたのだ。あまりにも気持ちよさそうに眠っているので、つい子供たちと顔を見合わせてしまった。どうしよう、さすがに起こした方がいいのだろうが、なんだか起こすのも可哀そうなのよね。


 子供たちも同じことを思ったのか


「殿下、気持ちよさそうに眠っているし、リリアーナお姉様、どうする?」


 子供たちも困惑顔だ。仕方ない、ここは私が起こさないと!


「殿下、起きて下さい。夕方ですよ、さあ、帰りましょう」


 殿下を揺すって起こす。


「う~ん…」


 眠そうに目をこする殿下。いつも完璧な姿しか見せない殿下が、こんな姿を見せるだなんて。なんだか新鮮ね。私は5年もの間殿下の婚約者だったのに、本当に殿下の事を何も知らなかったのね…


 て、今更どうでもいいことだ。とにかく起こさないと。


「殿下、どうか起きて下さい。殿下!」


 さらに殿下を揺する。すると、瞼がゆっくり持ち上がり、緑色の瞳と目があった。


「リリアーナ?」


 ポツリとわたしの名前を呼んだ殿下。その直後、嬉しそうに笑ったのだ。だからどうして今更私にそんな顔をするのだろう…


 すっと殿下から目をそらした。


「すまない、いつの間にか眠っていた様だ」


 殿下が飛び起きて、何度も謝っている。


「殿下、疲れていたのだから気にしないで下さい。ね、リリアーナお姉様」


 子供たちが私に振って来る。それも笑顔で。


「…ええ、公務でお忙しいのは理解できますが、しっかり休まれた方がいいかと思いますよ。それでは私はこれで失礼いたします」


 殿下に頭を下げ、その場を後にしようとしたのだが…


「待って、リリアーナ。僕も帰るよ。皆、今日はありがとう。また来てもいいかな?」


「もちろん!!」


 子供たちが笑顔で答えている。さらに


「あら?殿下の馬車がありませんわ。リリアーナお姉様、殿下はまだお顔の色が良くないです。殿下の事、送ってあげて!」


「殿下が倒れたら大変だものね。リリアーナお姉様、お願いします」


 子供たちがそんな事を言いだしたのだ。この子達、一体何を言っているのかしら?でも、確かに殿下の馬車が見当たらないし。


「ほら、殿下、リリアーナお姉様の馬車に乗ってください。リリアーナお姉様はお優しいから、きっと顔色の悪い殿下を1人で帰したりしませんわ。そうよね?リリアーナお姉様」


 キラキラした瞳で見つめる子供たち。そんな風に言われたら、さすがに断れないじゃない。


「あの…殿下、よろしければ王宮までお送りしますわ。見たところ殿下の馬車は止まっていない様ですし…」


「さすがに王家の家紋が付いた馬車では来られないからね。近くで降ろしてもらって、ここまで歩いて来たんだ。僕が帰るタイミングで、馬車を呼ぶ様に伝えてあるから、すぐに馬車は来るだろうけれど…本当に僕がリリアーナの馬車に乗ってもいいのかい?」


 不安そうに殿下が私に尋ねて来た。なんだ、馬車が来るのならわざわざ私が送っていく必要もないだろう。


「それでしたら…」


「リリアーナお姉様がいいとおっしゃっているのですから。ほら、乗ってください。リリアーナお姉様も」


 そう言うと、子供たちが私と殿下を馬車に押し込んだのだ。そして満面の笑みで、馬車の扉を閉めた。


 あの子たち、もしかして私と殿下を2人きりにさせるために…て、さすがにそれはないわよね…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。