↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄した殿下が今更迫ってきます!迷惑なのでもう私に構わないで下さい  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/41

第12話:僕は何をやっていたのだろう~アレホ視点~

 そんな日々が1年ほど続いたある日、ついに公爵とリリアーナから婚約破棄をしたいとの申し出があった。僕は嬉しくてその場でガッツポーズをした。これでやっと、大嫌いなリリアーナとおさらばできるうえ、マルティを婚約できると…


 でも、父上も母上もマルティとの婚約には大反対。とにかくマルティを認めて欲しくて、必死に訴えたのだが…


「そこまで言うなら、リリアーナ嬢と同じように、王妃教育を受けてもらおう。それでマルティ嬢が耐えられたら、婚約の事も考えてやる」


 そう言った父上。早速マルティは王妃教育を受けたのだが…


「アレホ様、聞いて下さい。あの教育係、私を怒鳴りつけたのですよ。私、こんなのはもう無理です」


 そう言って泣きじゃくるマルティ。きっと教育係が悪いんだ!そう思い、別の教育係を付けたのだが、どいつもこいつもマルティを泣かせてばかりなのだ。


 ただ父上からは


「アレホ、マルティ嬢は王妃の器ではない。あの程度の叱責で大騒ぎし、すぐに投げ出すだなんて。とにかく、彼女との婚約は諦めなさい」


 そう言われてしまったのだ。確かに僕も何となくマルティは、王妃には向かないと思っていた。そう言えばリリアーナは、教育係に怒られても、いつも笑顔でいたな…


 て、どうして僕は、あのにっくき女の事を思い出したんだ。僕が好きなのはマルティなのに…


 ただ、なぜだろう。何かが引っかかっている様な、なんだか気持ち悪い感情が僕の中にずっとあるのだ。


 そんな中、パレスティ侯爵令息とレィストル侯爵令嬢の婚約披露パーティに招待されたのだ。そこで久しぶりにリリアーナを見た。その瞬間、なぜか胸がチクリと痛んだ。なんで胸が痛むんだ?僕は彼女を憎んでいるのに…


 さらに事件は起きた。なんとマルティがリリアーナに酷い暴言を吐かれたと泣いていたのだ。とっさにマルティを庇ったが、なぜかリリアーナの髪は乱れ、ドレスは汚れていた。


 それでも僕は、マルティを庇った。すると公爵が現れ、2人の様子を映像で見せて来たのだ。そこには醜い顔でリリアーナに暴言を吐き、さらに暴力まで振るっているマルティの姿が。


 なんて醜い姿なんだ…


 マルティのあまりの醜い姿に、僕はその場に座り込んでしまった。そんな僕を他所に、リリアーナは今回の主役でもあるパレスティ侯爵令息とレィストル侯爵令嬢に謝罪をし、去って行ったのだ。


 その後ろ姿を見た時、僕は正気を取り戻した。


 そうだ…僕が愛していたのは、リリアーナただ1人。そして僕の隣にいるこの女は…


「アレホ様!何なのですか、あの女。あんな映像出鱈目です!私は本当に何もしていません」


 そう言って涙を流しているマルティ。なんて汚らわしいんだ。あんな酷い姿を晒しておきながら、まだ自分は悪くないと言うだなんて!今までに感じた事のない怒りがこみ上げて来た。


 でも…

 今はとにかく、冷静に対処しないと!


 そう思い、僕もパレスティ侯爵令息とレィストル侯爵令嬢に謝罪をし、その場を後にする。そして急いで王宮に戻ってきた。


「僕は一体何をしたいたのだろう…大切なリリアーナを滅茶苦茶傷つけただけでなく、いくら魅了魔法を掛けられたからといって、あんな女の言いなりになっていただなんて…」


 気が付くと涙が溢れていた。自分の不甲斐なさが情けなくて悔しくてたまらなかったのだ。



 泣くな!僕に泣く権利なんてない。泣きたいのは今まで散々酷い目にあって来た、リリアーナの方だ!


 今すぐリリアーナに謝りたい。でも…僕にはやらなければいけない事がある。


 すぐに部屋から出ると、両親の元へと向かった。


「父上、母上、大事な話があります」


「どうしたんだ?アレホ。もしかして、マルティ嬢の件か?既に報告が来ている。あれはマルティ嬢が明らかに悪い。公爵令嬢でもあるリリアーナ嬢に、暴力まで振るったそうではないか!」


「はい、その件は重々承知しております。あの女の醜く歪んだ顔…その場から必死に立ち去ろうとしているリリアーナに執拗に迫り、暴言を吐いたのち暴力を振るったのです。きっと今までも、リリアーナにあの様な暴言や暴力を振るっていたのでしょう。それなのに僕は、一方的にリリアーナを責め、あの女を庇い続けた。本当に愚かな人間だ…」


 何度もリリアーナは僕に訴えて来た。でも…全くリリアーナの話を聞かず、一方的に彼女を責め続けた。あの時のリリアーナの絶望した顔、思い出しただけでも胸が押しつぶされそうだ。


 本当に僕は、どうしようもない男だ…悔しくて強く拳を握るとともに、涙が溢れ出る。


「アレホ…もしかして魅了魔法が解けたのか?」


「父上…僕が魅了魔法に掛かっていたことを知っていたのですか?」


「ああ。一刻も早くアレホの魅了魔法を解くとともに、ガレイズ伯爵家及びマルティ嬢を断罪するために、マレステーノ公爵を中心に動いていたんだ。ただ…マレステーノ公爵は、リリアーナ嬢とお前が婚約破棄してから、すっかりやる気をなくしていた様だが…」


「それならどうして僕に言って下さらなかったのですか?言って下さっていたら…」


 それ以上言葉を続ける事が出来なかった。たとえ父上が魅了魔法の話をしてくれたとしても、きっとあの頃の僕は聞く耳を持たなかっただろう…


 あの頃の僕は、本当に愚かだったから…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。