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ep. 22 : ランディさんとエルフ

道を作るのを見たかったが、店を見なければならなかったので、一緒に行けなかった。


そして、扉を守るアルデンも同様だった。


「アルデン、お前はそこに参加できないからちょっと退屈だろう?」


「いいえ、僕は扉を守る方がいいです。他のエルフたちも同じだと思います。」


「そうか…お前がそこにいたら、もうエラに殺されていたな。」


「え?突然それはどういう意味ですか?」


「お前はしばらくエラを避けろ。」


「兄貴…それはどういう…」


[キーキー]


「広志さん!外に何かたくさんあるんだけど…」


「お、ランディさん来たの?」


アルデンに命を救うかもしれない貴重なアドバイスをしているとき、ランディさんが店に入ってきた。


「お!ついに客が来たんだ?」


アルデンを見て言ったようだ。


「いや、あいつは客じゃなくて…」


「どこから来たの?もしかして僕が宣伝したのを聞いてきたの?それとも……」


アルデンに話しかけながら近づいてきたランディさんは、突然固まってしまった。


「ひょ…ひょっとして…エルフ…?」


「うん。エルフのアルデンだ。」


「…え…エルフがここにいるのはなぜ…?」


ランディさんはとても驚いて、その場で立ち尽くし、説明を求める表情で僕を見つめていた。


「ランディさん…説明するね。」


「…お願い。」


「簡単に言えば、この森にエルフたちが住むことになったんだ。だからここにいるの。」


「『エルフたち』ってことは、一人じゃないってこと?」


「その通り、全部で18人だよ。」


「…詳しく教えて。」


.

.

.


ランディさんにエルフたちがこの森に住むことになった経緯を説明した。


しかし、扉に関することは言えなかったので、ただエルフたちがこの森を気に入ってこの場所に住むことを許可してくれたという形で話した。


僕の説明を聞いたランディさんの表情は暗くなった。


「…広志さん、ちょっと外で話さない?」


「うん。」


[キーキー]


ランディさんと一緒に外に出た。


「何か話したいことでもあるの?」


「当然あるよ!それもたくさん!エルフが18人もこの森で一緒に住むなんて正気か?この前、エルフがどれほど危険か話したじゃないか!」


当然こんな反応だろうと思った。


「落ち着いて…エルフたちと数日過ごしてみたけど、少し粗いところはあるけど、まあまあいい奴らだよ。」


「もう数日一緒に過ごしたのか…?」


「うん、今日で3日目だよ。」


「…あそこにある荷物、全部エルフのものだよね?」


ランディさんが手で指した場所は、エルフたちが持ってきた荷車があるところだった。


「全部じゃないけど、ほとんどそうだよ。」


あそこにはドワーフの荷物も一緒にある。


「店に入る前にあそこにある宝物を見て、広志さんがこの森を売ったのかと思ったよ…しかしエルフか…」


「…あそこにあるのが宝物なの?知らなかった。」


エルフたちが以前使っていた生活用品みたいなものだと思っていた。


「そこにあるもの全部を見ることはできなかったけど、目に見えるいくつかだけでも本当にすごい宝物だよ…」


「そうか…確かにエルフたちは裕福だって聞いたことがある。」


「単に裕福なだけじゃないよ、特にあそこに積まれている食器たち…あれは数百年前の職人『ダグラス・ルイス』の作品で、いくらお金を出しても手に入らないものなんだ。」


「…あれが?」


さっきエルフたちが焼きそばを食べるときに使ったフォークや、水を飲んでいたカップだ。


(あれがそんなにすごいのか?)


そう言われる割には、ちょっと普通に見える。


「とにかく言いたいのは…本当に大丈夫?」


ランディさんは心配そうな表情で言った。


僕のために心配してくれる人が久しぶりだったので、少し感動した。


「心配してくれてありがとう、ランディさん…でも大丈夫だよ。エルフたちがこの森に住んで、僕を守ることにしたから。」


「…それが本当なの?」


「護衛騎士のように守ってくれるわけじゃないけど、この森に住んでいる間、余裕があれば僕を守ることにしたんだ。だからエルフたちが僕を攻撃することはないと思うよ。」


「それが本当なら大丈夫だけど……」


エルフたちの性格が少し好戦的で危険なことは確かだけど、どうせエルフたちは扉の向こうから来た僕を攻撃できない。むしろ森にいるときは僕を守ってくれる存在でもあるから、僕にとってエルフは必要な存在だ。


「中で紹介するね。エルフに関する噂が誇張……されているわけではないと思うけど、話してみればいい奴らだよ。」


「…噂が誇張じゃないってことね。」


「いや、そういう意味じゃなくて…まずランディさんも話してみれば、エルフたちに対する偏見……が間違っているわけじゃないと思うけど、それでも思ったよりいい奴らだってわかると思うよ。」


「…広志さんの言葉を聞いたら、余計不安になった。」


「とりあえずまた中に入ろう。まず中にいるアルデンを紹介するから。」


「わかった…とりあえず信じてみるよ。」


[キーキー]


ランディさんと一緒に再び店の中に入った。


「アルデン!ちょっと来てくれ、紹介するから!」


「はい、兄貴。」


扉の横にいたアルデンを、僕とランディさんの方に呼んだ。


「…兄貴?さっき広志さんを兄貴って呼んだの?」


アルデンが兄貴と呼んだのを聞いたランディさんが、何かおかしいという表情で僕を見ながら尋ねた。


「あ…それは後でまた説明するよ、とりあえず今はお互いに挨拶しよう。」


アルデンがランディさんの前に立つと、二人の間に気まずい空気が漂った。


「こちらはこの店によく来る商人のランディさん!そしてこちらはこの森に住むことになったエルフの一人、アルデン!お互い挨拶して。」


「え…初めてだね、商人をしているランディだ。」


「先ほども言った通り、エルフのアルデンだ。」


お互い挨拶を交わしたが、まだ気まずい空気は消えなかった。


「これからこの森でお互いによく会うかもしれないから、話をして仲良くなるのはどう?」


気まずい雰囲気を和らげようと笑顔で元気に言ったが、ランディさんの顔は依然として硬いままだった。


「…エルフの僕を見て少し怖がっているみたいだけど、心配しないで。僕たちは何の理由もなく害を加えたりしないから。」


「…本当に?」


信じられないという表情だ。


「人間たちの間の噂が誇張されているだけなんだ。君たちが何もしてこなければ、僕たちも手を出さない。」


「聞いた話では、ある人が気分が悪いという理由で殴られ、1年後にようやく歩けるようになったけど…」


「…それは僕がやったことじゃない。」


「つまり、事実なんだね…」


二人の間にしばらく気まずい沈黙が流れた。


「…偶然酒場でエルフについての悪口を聞いて、集団で押しかけて村を燃やしたとも言われてるけど。」


「これは本当に誤解だ。僕たちはただ全部壊しただけなのに、どこかから火が移ったんだ。俺たちは村を壊しただけし、火をつけたのは俺たちじゃない。」


「……」


ランディさんの心の距離がさらに遠くなっているように見える。

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