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ep. 18 : ドワーフ到着

エラが繊細な力加減を習得した翌朝


森を離れた8人のエルフと、モレノ山脈から出発した5人のエルフ、そして8人の男性ドワーフがこの森に到着した。


「わあ…!ドワーフ!」


小柄で筋肉質な体、そして豊かなひげ……。


初めて見るドワーフは想像通りの姿だった。


ドワーフたちは歩かず、エルフが引く荷車に乗ってきて、コンディションはあまり悪くないように見えたが、逆にエルフたちはかなり疲れた様子だ。


「姐さん!僕たち帰ってきました!」


まだ力が残っているようなモヒカンが代表してエラに報告した。


「お!みんなお疲れ様、少し休んで!」


「「はい、姐さん……。」」


普段とは違って、エルフたちの返事には力がない。


到着したエルフの後ろには、膨大な量の荷物が積まれた荷車が見えた。


ドワーフの建築道具もあったが、思ったほど多くはなく、ほとんどがエルフの荷物だった。


「…いくら君たちがエルフだからと言って、あの量を5人で3日以内に持ってくるのは無理じゃなかったのか?」


「大変だってことは俺もわかってたけど、仕方ないじゃないか。早く家を作らないといけないから。」


「まあ…そうだけど……。」


「…エラ様。」


エラの命令が無理ではないかと話している間に、いつの間にか僕たちの横に来た一人のドワーフがエラに話しかけた。


「お。君はドワーフ族の代表【アドソン】だよね?久しぶりだね?」


「はい、その間お元気でしたか?」


「お!最近は最高に元気に過ごしている。」


「そうですか、それはよかったです。」


ドワーフ族の代表であるアドソンという男性は、エラに丁寧に挨拶した。


「ア!紹介するね、ここにいる人間がこの森の主である広志だ。」


「そちらがこの森の主か…僕はドワーフ族の代表【アドソン・シュルデン】だ。」


「僕は金沢広志だ。よろしく。」


「あなたがこの森の主なら、封印された森の封印をあなたが解いたということか?」


「まあ…そうだね。」


「ハハハ~!!これはすごい人だったんだな!数日ここにいるつもりだから、これからよろしく頼む!」


「うん、よろしく。ただ、ここに住む場所がないんだけど、大丈夫か?」


「家がないから家を作ろうとしているんだろう、心配しない!僕たちが数日間過ごすための板小屋くらいは1時間で作れるから。」


「そうか、もし手伝うことがあったら言ってね。できることがあれば手伝うよ。」


「うん、ありがとうな!」


ドワーフの代表アドソンとの挨拶が終わると、今度はモヒカンが新しく来た5人のエルフを僕のところに連れてきて紹介してくれた。


「兄貴。今回新しく来た5人のエルフです。」


「「初めまして…兄貴……。」」


5人のエルフは依然として非常に疲れているようだ。


「…だいぶ疲れているみたいだから、ただ休ませてあげて。挨拶は後にしよう。」


「そうしましょうか?戻って休んで!」


「「はい…ありがとうございます……。」」


「モヒカン」


「はい?」


「…何をどう歩き回ったらみんなあんな状態になったんだ?」


「実はですね……」


唯一力が残っていたモヒカンに聞くと、森を離れてからほとんど休まずに全速力で走り続けていたとのこと。


寝るときだけ止まって水や食べ物を摂取し、寝て起きたらすぐに走り始めたらしい。


「実際には寝ずに走ってきたかったですが、家を建てるドワーフたちを起こさせるわけにはいかなかったので…。」


モレノ山脈から出発した5人のエルフは、こんなことをしなくても二日後の夕方までには十分に到着できると言って少しゆっくり行こうと提案したが、森を出発した8人は絶対にそうしてはいけないと反対したそうだ。


「わざわざどうしてそんなことをしたんだ?二日以内に到着すればいいんだから、夕方に到着しても問題なかったんじゃない?」


「はい、そうですが、少しでも早くこの森に戻りたかったので急ぎました。実際の目標は昨夜の到着でしたが、結局失敗しました。」


「みんなの状態があんなふうになっているのは理解できるね…でも、君はなぜ元気なんだ?」


今度は逆にモヒカンが元気だということが不思議だった。


「僕がちょっと速い方なので、他の子たちの速度に合わせて全速力を出していなかったんです。それで他の子たちよりもまだ体力が残っています。」


(…やっぱりエラを除いたエルフ族の身体能力最強者だ。)


反対に、エラを除いた魔法最強だと言われていたモネは、床に寝そべって動けないでいる。


寝そべっているモネの後ろで座って休んでいるエルフたちとドワーフたちが会話している様子が見える。


「…でも、さっきドワーフ代表のアドソンさんとタメ口で話したんだけど、それで君たちが困ったりしないよね?アドソンさんを兄貴って呼ばなきゃいけないとか…。」


「それのことですか…あまり関係ありません。姐さんは僕たちが奉る方なので、もし誰かが姐さんにタメ口をきくようになったら、僕たちもその人に対する態度を変えなければなりませんが、兄貴は僕たちが奉る方ではなく、姐さんと気軽に接することができる森の主としておもてなしする感じなので、ドワーフが兄貴にタメ口をきいたとしても、僕たちがドワーフに対する態度には何の影響もありません。」


「よかった。これからいろんな人に会うだろうから、これで不便になるんじゃないかと心配してた。」


「心配しないでください!ドワーフたちが兄貴にため口じゃなくて、悪口を言っても、僕たちは何の関係もありません!」


……それは残念だな。

読んでいただきありがとうございます。

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