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無能だとクラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、召喚された異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~  作者: 空地 大乃
第二章 暗殺者の異世界ライフの始まり編

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第10話 暗殺者の旅の始まり

第二章の始まりです。

 俺は城を出てから適当に進むことにした。ここは異世界だ。地球での土地勘など何も役に立たない。


 とは言え、人の基本的な生活は変わらないようだ。電気やガスなどがない世界である以上、その生活圏は限定されるだろう。


 基本的には水場が近くにあることが大前提となるはずだ。人は水がなければ生きていけない。


 それは異世界だって同じはずだ。敢えて言えばこの世界にはスキルというものがあるようなのでそれで無尽蔵に水が生み出せたとなれば話は別だが、聞く限りステータスやスキルはランダムなようなのでそんな運試しのような賭けにはでないことだろう。


 取りあえずは城から離れるのを前提に川を見つけ川沿いに進んでいくことにした。


 異世界での行動としては割りとベターな展開と言えるかもしれない。暗殺者として育った俺はどんな状況にも耐えられるようあらゆる情報に目を通してきた。


 それは流行り物や趣味全般についても言えた。異世界系の漫画やアニメもみたりしたがそういった作品でも似たような行動をしていた。


 もっともフィクションの中で行われる行動とリアルはまた違う。この川沿いを進む行動にしても経験則から導かれる答えに沿って行動すればよりスムーズに話が進むというものだ。


「金目の物を出しな」

「殺されたくなければ大人しく言うことを聞くんだな」


 そうスムーズに。だからこそ俺はこうして無事に城以外で異世界人に遭遇することが出来た。


 まぁ相手は盗賊なようだがな。やれやれ定石通りに行動して盗賊とエンカウントするハメになるとはな。


「どうした足が震えてるじゃねぇか」


 いや震えてないがこいつには一体俺の足に何が見えているんだ?


「おら、どうした? こっちは殺して身ぐるみ剥いだっていいんだぜ?」


 ふむ。言ってることはそれなりに理解出来ているが話すとなるとまだ完璧とも言えないだろう。とは言え話せる範囲で――


「雑魚に、渡す、もの、ない。逆に、金、おいてけ、助けて、やる」


 やっぱりまだまだ辿々しくなってしまうな。とは言え伝えることは出来た。こっちの世界で生計を立てていく為の資金が足りないからどうせなら逆に貰っておこうと思って要求した。


「は? おいおい聞いたかよ。こいつ逆に俺たちを脅してきたぜ」


 正面の男が仲間に向けてそう言うと、ドッと湧いた。


「全く命知らずなバカもいたもんだ。いいぜそんなに死にたいならその首を先ず刎ね――」


 正面の盗賊の頭が飛んだ。一歩遅れて首から大量の血が吹き出て周囲を汚す。


 殺気を感じたからな。条件反射的に相手の首を切り飛ばしていた。こっちは素手だがこの程度の相手なら手刀で首ぐらい刎ねられる。


「え? は? え?」

「ば、馬鹿野郎ボッとすんな! こいつ思ったよりやる――」

 

 別の盗賊が剣を抜こうとしていたのでその時点で胸を貫き心臓を抜き取った。ガボゴボと血の(あぶく)を吹き出しながら傾倒した。


 目が点になっていた残り一人に蹴りを叩き込む。内臓の潰れた感触がしゴム毬のように飛んでいった後死んだ。


「さて、何か持ってるかな」


 正直これじゃあどっちが盗賊かわからないな。まぁ向こうから襲ってきたわけだし遠慮する必要もない。


 ただ残っていた仲間はいた。反応を待っていたが風切り音がして矢が飛んできた。俺は指で受け止めそのまま矢を返してやった。


 うめき声が聞こえたので確認しに行くと額に矢が突き刺さった女が倒れていた。


 二十代後半から三十代前半ぐらいの女だった。こいつらの仲間なのは間違いないか。


「とりあえずこっちもチェックしておくか」


 服の中も念入りにチェックする。別に女だからとためらうことはない。むしろそんなことで動揺していたら暗殺者などやってられないしな。


 殺した盗賊全員の持ち物をチェックしたが銀貨と銅貨合わせて十数枚といったところだった。


 問題は俺にはこの世界の貨幣について知識がないことだ。これでどれぐらいの価値なのかがわからない。


 まぁこのあたりは感覚で調べていくか。できればもう少し知識を保管したいところではあるんだけどな――






◇◆◇


「ミシェネ達がやられただと?」

「へ、へい。全員殺されてました。返り討ちにあったんだとは思いますが……」


 仕事に出てた四人の様子を見に行った仲間から頭であるゴーガンはそう報告を受けた。


 ゴーガン率いる【猛牛の群れ】はこのあたりではそれなりに名を馳せている盗賊団だ。


 それだけに面子を重んじる。


「あんた。まさかそこまでやられて黙ってるなんてことはないよね?」


 睨むようにして口を挟んだのはゴーガンの妻であるミトラだった。盗賊団のナンバーツーでもあり肝っ玉が大きい。


「当然だ。テメェら人数を集めろ。すぐに出るぞ」


 ゴーガンがそう呼びかけると鬨の声を上げ仲間たちが集まった。妻のミトラも同行するようでありゴーガンは仲間を殺した相手を探しに向かうこととなる。

 

 どこの誰かかわからないが仲間が四人も殺されて何もしなければ周りに舐められるだけだ。


 ここは意地でも相手を見つけ報復する必要があるだろう――

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― 新着の感想 ―
王城から出て直ぐに王都の様な市街地の描写がなかったのはどうしてだろう?と思った。山奥にポツンと城が建ってるなら解るがそれにしても最寄りの都市と行き来できる街道なりある筈だし、水場を頼りに進む事にした主…
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