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エンは明らかに不満そうな顔をしていた。
しかし、彼に選択肢は無かった。
結局、彼らはPKer狩りを引き受けた。
「普通に、助けてあげるって言ったら良かったんやない……?」
よっちゃんは問う。
「なんのことかなー?」
ツムギが答える。
「白々しいわぁ。あの名簿を見れば、流石にウチでも分かるんよ?」
「あ、やっぱり気付く?」
「あれだけ露骨やとなぁ……」
よっちゃんは、
そこに載っていたPKer全員の脚用がエンと良すぎるのだ。
エンが有利と言う意味で。
近距離主体のPKerたち。
力任せに隠したのプレイヤを殺害《PK》して回っていた連中だ。
彼からしたら、そんなPKerはカモでしかない。
巧みに武器を持ち変えて、手玉に取るだろう。
そして、PKerを倒せば結構な額の金が手に入る。
エンにとってみれば、むしろ金を稼ぐチャンスなのだ。
「ほら。円卓騎士の立場もあるからね。大っぴらに大量殺人犯に手を貸すのもさぁ」
「大迷宮の大量PKなら、龍ちゃんにPKされて済んだんやないん? あれ以来、まだPKしとらんみたいやしなぁ……」
「そうだけど、一応、【計画】史上初だしね」
「だったら、どうして助けたん?」
よっちゃんの問いかけに、ツムギは目を細める。
(うわっ……。この顔、なんか企んどる顔やん……)
「まさか、あんなに面白いことになってるとは思わなかったからさぁ……」
「面白い?」
「ほら。エンが連れてた女の子、いたでしょ? アレだよ」
「ほんまになぁ。エラい凝りようやったなぁ。最初に会うた時、本物と勘違いしてしまったやんなぁ……」
よっちゃんは笑う。
しかし、ツムギは言った。
「あ、アレね。本物だよ」
「……へ!?」
「うん。エンと一緒にいたあの女の子、本物だよ。本物の星零の歌姫」
「なんやて!? って、そんなわけあるかい!」
びしっ、と突っ込みを決めるよっちゃん。
しかし、
「どうしたの?」
と真顔で首を傾げるツムギ。
彼女は言う。
「冗談じゃなくて、本物なんだよ。だから、エンくんたちを助けたんだよ」
「ほんまに?」
「ほんまに。本物の星零の歌姫」
「そ、そんな……。う、ウチ……、歌姫様にどえらい態度をとってもうた……」
神殿によっちゃんの絶叫が響き渡った。




