表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幻想奇譚

青の美しさ

作者: 秋暁秋季

注意事項

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら、申し訳ございません。

青ってとっても綺麗なんだと思いました。それはとある休日、天象儀と水族館を拝見させて頂いた時から。

偶然にも、本当に偶然にも、私の好きな天象義の項目に新シリーズが追加されていた時の事です。前回は丸天井を惜しみなく使い、星空を写して下さいました。今回もきっとそんな期待に反する事なく、多くの景色を写して下さいますでしょう。ということで、私は早々座席に腰掛けて、前回と同じように宙を仰ぎました。

まず映し出されたのは浅瀬の海。透き通るような水を重ねて出来た青は、人魚石のような色を放ってます。その上から光のカーテンが揺れ動くのを見ると、この星の美しさを深く感じる事が出来るのです。

映像が終わってもその余韻は後を引き、星を見に来た筈なのに、南国の海に足を運んだ気分になりました。

だからでしょうか? ふと、場所を変えて水族館を訪れたくなったのは。私は天象義から離れ、ふらりと水族館を訪れました。眩い程の光と、シャボン玉が弾けたような音楽。海洋生物をより華やかに見せるために凝らされた工夫は、飽くことなく私達を楽しませてくれます。

南国系の、ネオンの体色を持つ魚達を恍惚とした表情で眺めた後、私は一つの中水槽に目を奪われました。濃い、人目を引く深い青。その中に刀のように細い魚が彷徨ってました。揺蕩う背鰭がレースのようで、思わず歩み寄ります。

「この魚が好きかい?」

ぺったりと水槽に張り付くようにしていると、後ろからお声を掛けられました。振り返って見ると、一人の男性。長髪は踝まで伸び、幾重に重なった白髪。その豊かな髪は顔にも及び、目元をそっと隠しております。服装は明治、大正を連想させる書生姿。下町ですれ違ったら、思わず振り返ってしまいそうです。

「はい」

彼は口元を三日月に歪め、そっと展示品の横を指さしました。パネルには『タチウオ』の文字。あぁ、成程。この長く銀に輝く姿は本当に太刀と言っても差し支えがありません。

「次の話は太刀魚の話をだからね。描写をしに来たのさ。想像するよりも、この空間を体験して見た方がよっぽど良い」

そう言って、メモ用紙と万年筆を取り出しました。あぁ、やはりこの方は物を書く方のようです。作家様の事は全く分かりません。ですが、美しい物を書くために、様々な体験をなさる。それはきっと崇高な意思。

「あぁ、魚を写しに来たのだがね……。気が変わりそうだ。何よりこの青が良い。想像するだけじゃ決して描けないものだよ。君、この気持ちを分かってくれるかな?」

「ええ、とっても。青という色は本当に美しい」

その答えに満足したのでしょう。彼はその笑みをより一層深いものとしました。

ちょっと感動した事があったので。

青って本当に綺麗なんだなと。

それに負けず劣らず、タチウオという魚も綺麗なので、ご機会あれば是非。


余談です。

この白髪のお兄さん、また出すと思います。

属性盛りドンです。ストーリーが浮かばない……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ