表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

anosa

作者: 野干

17歳のきみへ。


なんだかんだと時は過ぎ、あれからかなり私の心境がかわったかと言われれば、そうでもないなと思う今日この頃をすごしている。人はなかなかにそう簡単には変わるものはないのだなとしみじみ思う。少し変わったことといえば、メイクを覚えて顔が変わったこととか、いまだに付き合っている彼氏の歯とか、当時聞いていた音楽が懐かしみを帯びたことくらいか。

まあ、ようは大したことないのだと、君が死ぬほど恐れていた変化ってやつは。


けれども今は、自由だったあの平穏な日々が懐かしい。


君はもっと遊んでおくべきだよ、と今になっては思う。自由なんてものはすぐにでも消えてしまう淡いものなのだからと。何を背負っているのか知らないがそんなものは、三年後の私は覚えていないくらいにはちっぽけなことなのだからと。未来なんてどうとでもなるのだと。



「好きだよ。」という言葉があるだろう。

君がその期間で考えた、不確実でありながら抱いたそれは、今でも大切に守られているけれど。しかしその感情はいつか色あせてしまう。それでも私は今でもそれを守り続けることにしている。過去の君の大切なものだから、なかなか壊すことはできないだろうから。


安心したかな。これでも結構努力をすることになるのだぞと忠告してあげたいけれど、まあ君なら大丈夫なのだろうな。だから「好きだよ」という言葉の端々に毒が実はついていることを私だけが知っていたとしても、教えてあげない。


私は元来意地悪だし、それをきっと理解していることだと思うからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ