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凧
面白い話と言うより馬鹿な話。
小さい頃、それこそ小学校低学年のとき、アニメやテレビの影響で、空を飛ぶ事を真剣に考えていた。
正月頃に、母親が凧をくれた。
その時なんて凧の事は知らないし、母親が説明してくれたんだろうが、聞いてなんかいない。
自分の頭の中には、一つの事で埋め尽くされていた。
「これがあれば、空を飛べる!」
何故そんなに馬鹿な発想になったのか。
某名探偵のアニメで出てくる、白スーツの怪盗が使うパラグライダーに形が似ていたからだ。
偶然、家の近くに崖があった。
崖と言っても高さ五メートルあるかないか位で、下はコンクリートの道路。
後はお察しの通りである。
疑うことをしない当時の自分は、凧を持って飛び降りた。
幸い入院するだけで済んだから良かったが、今でもなんでそんな事をしたのか分からない。
心配かけた母よ、すまん。
読んでいただき、有難うございます。
少しでも面白いと思って貰えたら嬉しいです。