ヒント1 ~始まり~
いきなりだが、とある質問をしようと思う。
{自分に一番必要なものはなんだ?}
この質問に対する答えは1つではない。
人それぞれである。集中力、勇気、中には整った顔などと言う奴もいるだろう。
では、本当に必要なものは何なんのだろう。
何か気がつく、発見するときには何かきっかけがある。
では、この質問の答えを発見するためにもきっかけが必要である。
わかっている人もいるだろうが、数少ないわからない人のためにある少年を例に、ヒント(きっかけ)をあげよう。
さあ、覚悟して聞きたまえ。
キーンコーンカーンコーン
1日の終わりを告げる鐘が鳴り響く。
こうして彼の日々は、過ぎてゆく。
親を4歳のころ亡くした彼は、親戚にあずけられ、中学入学と同時に早くも1人ぐらしをはじめていた。
生活費の類はその親戚がまかなってくれ、それだけでも感謝していた。
彼の名は加藤悠斗。
年齢:16歳
誕生日:12月29日
血液型:B型
趣味:読書(漫画を含む)、ゲーム
得意なこと:1人でいること(?)
苦手なこと:友達としゃべること。
彼には友達がいなかった。
誰もがいつも何気なくしゃべり、笑い、時にはけんかをする。
そんな関係の、いわゆる”友達”がいると思う。
だが、彼には、それがなかった。
休み時間はいつも1人で読書をし、弁当は教室の窓側の席で1人で食べていた。
無論、下校も1人であった。
だが、性格がおとなしい訳ではない。
親がいた幼稚園までは、クラスのムードメーカーだったぐらいだ。
だが、親を亡くし、居場所を無くした彼はいつの間にか、信じる人をも無くしていた。
家に着いた彼は、小さな声でつぶやく。
「ただいま」
答えが返ってくるはずもなく、いつもどうり1皿しかない夕食をすませ、お風呂に入り、ベットで本を読んでいた。
これが彼の毎日の予定だった。
そして、今日は12月24日、つまりクリスマス・イブである。
なぜ俺はこんなに悲しいクリスマスを送っている?
なぜ俺は昔のように、普通に友達を作り、しゃべり、楽しむことができないんだ?
彼は毎日のようにこんなことを考えていたが、クリスマス・イブのせいか、余計に今日は考えてしまっていた。数分がたつ・・・
もういい寝よう。
そう思い、彼はまぶたを閉じた。
ん?今なんか光ったか?気のせいだろう。
だが彼は知らない。
今、確かに部屋の隅が光ったのを。
彼は知らない。
それが彼の運命を変えることになることを。
ドンッッ!!
何か、重いものが彼の腹部に落ちた。
「うぐっ!」
彼はたまらず目を覚ます。
目覚まし時計は4時2分を指していた。
「あ!やっと起きたね!」
!??
「僕の名前はファド。よろしく!」
そう言って笑う、小さなドラゴンらしき生物。
そして、それはこう言った。
「加藤悠斗君、異世界でスリル満点の戦いをしてみないかい?」
そして彼は・・・・・
「・・・・・・・・ぶふっ!」
笑いを抑えきれず、思いっきり吹き出した。
あーああ・・・なんて夢見ているんだ、俺は。
我ながら恥ずかしい。
大体、こんな夢を見れる妄想力、まだあったんだな。
だが、悠斗はふと思う、夢にしてはどこか変だということに。
試しに意味があるかどうかは別として、頬をつねってみる。
痛みがはしる。
ここで悠斗はある答えにたどり着く。
これ、夢じゃ無くね?
「やっと気がついた?」
心を読むように、ファド?は言う。
じゃあもっかい言うね?
「異世界でスリル満点の戦いを僕としてみないかい?」
悠斗の好奇心が答えをあっさりと出す。
「あぁ、いいよ。」
「おっけー!じゃあいくよ?」
「・・・」
「え?ちょ、待っ・・・」
言い終わらないうちに自分の体が光り始まった。
キンッ!!!
悠斗はゆっくり目を開ける。
そこは、まさしくアニメなどに出てくる、異世界だった。
「じゃ行こっか!」
無邪気に笑いファドは言う。
悠太は戸惑いながらも、力強く言う。
「おうっ!」
読んでくれてありがとうございました。
感想よかったらください!
学生なので投稿ペース遅くなってしまいます。
すんません!!
本当にありがとうございました。