黒猫
お久しぶりです。
少年
「…」
少年は暗闇の中で夜を迎える。
この少年の名は紅月。
彼は幼い頃から、両親とも居なかった。
顔つきは綺麗だったが、
素っ気なく無口だったため、
貰い手も見つからないまま時は過ぎ高校生になった。
1人暮らしを始めてから、
彼はある事に夢中になっていた。
それは音楽を聴くこと。
何かを閉ざす少年にとって、
何かを聴くことは唯一の癒しだった。
周りの目を気にし外に出ることがない彼。
だが、毎日家の近くに遊びに来る黒猫が最近来なくなったため、
気まぐれにも探しに行くことにした。
時刻は21:32。
彼の家の周りは住宅街である。
いつもとは違うことをしたからだろうか。
変な気持ちになる。
家を出たすぐ脇の曲がり角を曲がってみる。
すると大きな塊を見つける。
何となく、近寄ってみる。
・ ・ ・
するとそれは
赤く染まっていた。
腐った臭いが襲う。
すると彼は我慢出来ず戻してしまう。
ふらついた足で来た道を戻る。
やっとの思いで家の中に入る。
彼がそこで見たのは、
猫の大量死骸だった。
そこにいたのはすべて黒の猫だった。
変な汗が出てくる。
この汗を出すのは初めてではない。
彼の汗は彼の幼い頃の記憶を蘇らせた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。