第二話 上
書き途中です。
すみません。
そんな他愛もない会話を暫く続け、さぁそろそろ勉強に戻ろうか、なんて話をし始めようとしたとき、それは起こってしまった。
起こってしまったというと、何か自然現象のようなものが私たちを襲ったというような誤解を生みかねないので、私は、こう付け足させてもらうとしよう。
それは、私達の前に____現れた。
完全なる無。
闇。
憎悪。
おそらく日本語だろうと何語だろうと、とても表しきれないような人物が公園の入り口に静に立っていた。
その男は漆黒の長いコートを纏い、同じく漆黒のブーツ、Tシャツ、ズボンと、全身真っ黒な服を着ている。
一応まだ春なので肌寒いとは言え、そこまでの厚着は異様だった。
茜なら、初対面のうちから「それ、熱くないの?」などとすぐさま言うだろう。
茜は、全くの無意識で人に罵倒することが多々あるので、そのたびに私が謝りに行くという謎のパターンが生まれている。
その後「なんで謝ってたの?」などと聞かれることもざらにある。
男は微笑を浮かべつつ、こちらへと一歩を踏み込んだ。
その瞬間。
茜が動き出した。
ものすごい速さでの逃走。
本能で分かったのだろう。『自分だけが狙われている』と。
そう、私達ではないのだ。
茜だけが。
なぜ茜なのかは不明だが、そう考えると茜の判断は正しかったことになる。