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学園F・N・F解明部  作者: 山神賢太郎
消えた教室
3/37

教室の謎

登場人物の名前の読み方がわからないとご指摘がありましたのでここに表記したいと思います。

神山真志かみやま しんじ

春風京子はるかぜ きょうこ

宮城祥悟みやしろ しょうご

また新しいキャラクターが出たときは読み方を表記します。

また、わからないところがありましたら感想などに書いてくだされば、訂正や解説などをいたします。

よろしくお願いします。

  僕たちは資料のページを見ていた。すると祥ちゃんが何かを見つけた。

  「学校の補修工事前の見取り図があったぞ。これが西校舎四階の見取り図だ」

  僕と京ちゃんは祥ちゃんが開いているページを見た。一番北の教室を見るとそこには理科室と書いてあった。

  「昔は、理科教室だったんだね。でも今理科室は東校舎の二階にあるよね。これってなんでかな」

  「いや俺にはさっぱりだ」

  「これはあれね。秘密の実験をしてるんだわ。昔、理科室だった場所は、封鎖したかのように見せて、実は危ない実験をしているのよ」

  京ちゃんがうんうんと頷く。

  「いやたぶん、それはないと思うけどな」

  「なんでよ。理科教室よ。実験よ。実験。それ以外にないわね」

  京ちゃんが腕を組みながら自慢げにしている。

  「まあそれは置いといてだ。次は、補修後の見取り図だ。この場所はどうやらなんの表記もされていない。つまりだ。この教室は現在使われていないということだ」

  「書類上はね。そうするしかないわよね」

  また、京ちゃんがうんうんと頷く。

  「それは、置いといて。これって普通にベランダからいけないかな」

  僕は、見取り図に書いてある四階のベランダを指差した。

  「ほらここって、あの教室までベランダが続いているよ」

  「それは、無理だ。俺がそのベランダに気がつかないと思うか? その教室に続くベランダには鉄柵がされてあって絶対に無理だ。試してみたが、落ちかけて死にそうになったぞ。あんな思いをするのはもう嫌だ。命あってのもんだからな」

  「試したんだ。どんだけ見たいんだよ」

  「それだけ見たかった」

  「じゃあベランダから入るのは無理なのね。じゃあほかに侵入経路はないの」

  祥ちゃんがそれに答えた。

  「いやそれがある。旧理科室には理科準備室があるだろその下の階を見てくれ」

  祥ちゃんが指差すところ見るとそこには階段があった。

  「ここはこの見取り図によると物理準備室だ。つまりこの物理準備室と理科準備室は、階段でつながっていて物理準備室から理科準備室に行けば、旧理科室に入ることができる。それで、旧理科室の下は物理室だ。現在物理室は存在せず。理科室に統合されている。そして、これが現在の見取り図だ」

  僕たちは、祥ちゃんが開くページを見ると物理室だった場所も使われていないようだった。

  「つまり、まず俺たちが侵入しなければならないのは旧物理室だ。そこから入れば理科室に入ることができる」

  「そうね、じゃあこの旧物理室に行ってみましょう」

  旧物理室に着くと京ちゃんが扉を開けようとした。だけど、案の定鍵がかかっていて開かなかった。

  「やっぱり開かないわね」

  「じゃあ、職員室からこの教室の鍵取ってくるよ」

  僕は職員室へ向かおうとしたが止められた。

  「待ちなさい。それは無駄よ。旧理科室では、やばい実験をしているのよ。そんなすんなり貸してくれるわけないでしょ」

 京ちゃんは険しい顔をしている。

  「いやそれは、京ちゃんの思い込みだと思うんだけど」

  京ちゃんは僕の言うことを無視して祥ちゃんの方に向いた。

 「祥悟。あんた、ピッキングできるわよね」

  祥ちゃんは京ちゃんをじっと見る。

  「それは無理だ」

  「あっそう」

  「京ちゃんは祥ちゃんをなんだと思ったの」

  「犯罪者予備軍」

  京ちゃんは一片の迷いもなくはっきりと答えた。

  「あんたはどう思ってんのよ」

  「それは、まあちょっとノーコメントで」

  僕もそう思ってる面があったので答えることができなかった。

  「俺は自分でもそう思ってる」

  祥ちゃんの顔はそれはもう清々しい顔だった。

  「そこはちょっと、否定しなよ。というかピッキングしなくてもここはベランダからいけるんじゃない」

  「たしかにそうね。上は鉄柵がしてあったけど、こっちはしてないかもしれないわね」

  僕たちは3階のベランダに出た。そこには、鉄柵がしてなくて普通に通ることができた。

 そして、旧物理室の窓を確認した。窓から中を覗こうとしてもカーテンが敷かれていて中は見えなかった。窓の鍵も調べたけど、結局開いている窓はなかった。

  「やっぱり開いているところはなかったね」

  僕はそう言いながら京ちゃんを見ると京ちゃんは僕を見ながら唇に人差し指を当てていた。京ちゃんはベランダから三階の廊下を指差した。そこには、女子高生が旧物理室に向かって歩いている。僕たちはベランダから旧物理室の手前の教室に入り、入口付近でその女子高生の行動を盗み見た。

  「あ、あいつは……」

  祥ちゃんの言葉に僕と京ちゃんは祥ちゃんを見た。

  「祥悟。誰か知ってるの」

  「あいつはいい脚をしてるな」

  まあ当然のように京ちゃんが祥ちゃんにミドルキックをした。祥ちゃんは太ももに京ちゃんの蹴りが当たるとその場に膝をついて、悶絶している。

  僕はそれを無視して、その女子校生を見た。

  「あの後ろ姿どっかで見たことあるよ。たしか、そうだ。同じクラスの水島瑞樹みずしま みずきさんだよ」

  水島さんは制服の上着のポケットから鍵を取り出すと、普通に旧物理室に入っていった。

  「あんな可愛い女の子が実験の対象なんて。残酷すぎるわ」

  京ちゃんは自分の口に手を当てていた。

  「残酷なのは京ちゃんの想像だよ。勝手に実験対象にしないでよ」

  「たしかに残酷だな」

  祥ちゃんが頷きながら太ももをさすりながら言った。

  「残酷だ。あんな清純そうな子がまさか秘密の性きょ」

  ここで、祥ちゃんの先ほど蹴られた太ももとは逆側に京ちゃんのミドルキックが入る。祥ちゃんの足はズタボロそのせいで前のめりに倒れた。

  「というか、今の内に旧物理室に入ったらいいんじゃない」

  「そうね」

  僕と京ちゃんは祥ちゃんをおいて、旧物理室前まで行く。

  そして、その扉を開けよとしたけど扉には鍵がかかっていて、開かなかった。

  「鍵がかかってるね」

  「やっぱり秘密の何かが行われているのよ。そんなことバレたらやばいから当然、鍵はかけるわね。とりあえず彼女に何も行われないことを祈って出てくるのを待ちましょう」

  僕たちは祥ちゃんが倒れている教室に戻ると水島さんが出てくるのを待つ。

  僕たちが水島さんを待って、二時間が経ったが彼女は出てこなかった。

  「やっぱり彼女はもう……。いいえまだわからないわ。あと一時間待ちましょう。それでももどらなかったら。彼女のことは諦めましょう」

  京ちゃんの頭の中ではとんでもないストーリーが出来上がっていた。でもそれにしても遅すぎる。水島さんは本当に何をしているのだろうか。

  それから十分ほどして旧物理室の扉が開いた。

  「よかった。彼女は生きていたのね。でもまだ安心はできないは体の中身をいじられているかもしれない」

  僕はもう何も言えなかった。京ちゃんの頭の方が不思議でならないよ。そんなこと言ったら、祥ちゃんの二の舞になるから言わないけど。

  水島さんは、旧物理室の鍵を締めるとこちら側に振り返った。僕たちは身をかがめ水島さんにバレないようにした。僕らは水島さんが僕たちが隠れている教室を通り過ぎるのを待った。

  「追わなくてもいいの」

  京ちゃんは首を横に振る。

  「まだ中に人がいるかもしれないわ。だから、彼女がこの階からいなくなるのを待ちましょう」

  僕らは、水島さんが三階から二階に行くのを確認すると、彼女を追った。

 僕たちはすぐに二階降りたけど彼女の姿は無かった。

  「見失ったわね」

  「もう、学校にはいないのかも。一応下駄箱を見てくるよ。京ちゃんたちはどうするの? 」

  「私は、職員室を見てくるわ。祥悟は? 」

  「俺は、東校舎の屋上に行ってくる」

  京ちゃんは走り出そうとしている祥ちゃんの襟を掴む。

  「なにしに行くの」

  「決まっている。もう日課の時間だ」

  「あんたは真志についていきなさい」

  祥ちゃんは愕然とした顔をした。

  「俺は一日だって欠かしたことがないのに。そんな―――」

  祥ちゃんは京ちゃんにお尻を蹴られ渋々僕についてきた。

  下駄箱に着き、水島さんの靴を探した。だけど、そこには水島さんの靴はなかった。

  「もう帰ってるみたいだね」

  「じゃあもう行ってもいいか」

  「どこに? 」

  「東校舎の屋上だ」

  「ダメです」

  僕らは、京ちゃんと合流すると、水島さんが帰っていることを話した。

  「そう、もう帰っているのね。じゃあ、明日彼女を調べましょう。真志。あなたは、彼女と同じクラスだから彼女がもし怪しい行動をしたら連絡しなさい。休み時間は彼女をつけなさいよ」

  「変な人に思われたらどうするのさ」

  「大丈夫よ。あなた可愛い顔してるんだから。『あなたのことが知りたくて跡をつけてました。好きです。付き合ってください』で即刻オッケーもらえるわ」

  「そんなのできないよ」

  僕は自分の名誉とかその他いろいろを守るために断った。

  「まあとりあえず。がんばってね」

  「京ちゃんは? 」

  「私は、彼女について調べてみるわ。じゃあまた明日」

  京ちゃんはそう言うと、帰った。祥ちゃんは、その言葉を聞いて東校舎へと走った。

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