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学園F・N・F解明部  作者: 山神賢太郎
ミズの精
25/37

妖怪たちのいるところ

  七月も半ば。あと二週間弱で夏休みだ。

 僕たち学園F・N・F解明部は休日の部活動で川に来ていた。

  なぜ、そんなことになったのかそれは昨日のことだ。

  

  僕はいつものように部室へと向かう。部室は前と同じように物で溢れていた。

  生徒会長との一件で僕たちの部室は空き教室になっていたけど、倉庫から部室へみんなで物を運んで今は元通りになった。

  その時、使わない物は倉庫に置いたままにしてあるので、前よりは部室が広く感じる。

  そして、いつものようにゲームをする祥ちゃんと奈央ちゃんがいた。

  今日はどうやら古いゲームをしているようだ。ソフトは、伝説の西遊記モノの無理ゲーだ。なんで、あんなゲームを売ろうと思ったのかが謎すぎる。

  「なんすか、このゲーム。全く意味がわからないっすよ」

  奈央ちゃんはこの理不尽なゲームに対して文句言う。まあ、そりゃ説明書見なきゃ攻略不可能なゲームだしね。

  僕が席に座ると同時に水島さんがお茶を持ってきてくれた。僕が一言礼をすると、水島さんはいつものように微笑んだ。

  そして、すごい足音が廊下から聞こえてくる。その時、僕は本当に部室を取り戻したんだと感じた。

  部室の扉が開く、そこには京ちゃんがいる。その手には古そうな本を持っていた。

  「明日妖怪を探しに行くわよ」

  京ちゃんは持っている本を広げた。

  僕たちは驚きながらその本を見る。

  そこには、ミズの精という妖怪の話が書いてあった。

  僕たちの住んでいるところは、妖怪伝説が数多く残っていて、有名な妖怪である児啼爺こなきじじいの発祥の地として知られている。

  しかし、ミズの精という妖怪は聞いたことがなかった。

  京ちゃんの持っている、本の内容は水辺に住み、見た人に幸運をもたらすという漠然としたことしか書かれていない。

  僕は水に住むエンコと言われるカッパのような妖怪は知っているけど、ミズの精と呼ばれる妖怪は知らなかった。

 そこで、僕は疑問に思った。なぜ京ちゃんはこのミズの精を調べることにしたのだろうか。

 いつも幽霊の話をすると怖がっているのに妖怪は大丈夫なのか。

 「京ちゃん、妖怪は大丈夫なの」

 京ちゃんは何がという顔でこっちを見ている。

  「妖怪は幽霊みたいに死んでないの。生き物なんだから、怖くないわよ」

  僕はその言葉に納得することができなかった。京ちゃんの中では妖怪は生物として認められているようだ。

  その時、京ちゃんのカバンの中身がチラッと見えた。薄暗くてよく見えなかったが、はがきの束がたくさんあった。

  そのカバンの中のはがきの量に疑問を持ちつつも、明日の準備をした。

その日の部活は明日の準備をして終わった。

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