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学園F・N・F解明部  作者: 山神賢太郎
当たる占い師
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勝利の後

  僕たちは、部室に戻るとお茶で乾杯をした。

  僕はお茶を飲みながらある疑問を抱いた。

  なぜ、京ちゃんはあの時驚いていたんだろうか。その疑問を知りたくて祥ちゃんに聞く。

  「ねえ、祥ちゃん。京ちゃんに作戦のことはどこまで話していたの」

  祥ちゃんは僕の問いを聞くとニヤリと笑った。

  「おい、京子あのメモまだ持ってるか」

  「持ってるわよ。ほら」

  ポケットからメモを取り出すと、祥ちゃんに渡した。祥ちゃんはメモを受け取ると僕に渡す。その中身には、驚くことが書かれていた。

  お前の机の中にメモとお金があるそれを取りに行け。

  「えったったこれだけ。机にあったメモはないの」

  祥ちゃんからまたメモが渡される。

  そこには、もう一枚のメモを誰にも見つからないところに入れてなくせ。そして、数人に落し物をしたと嘘をついてまわれ。あと、もう一枚に書かれたゲーム買ってきて。お釣りはお前にやる。それが買えるまで部室には来るな。と書かれていた。

  「なにこれ。じゃあ、京ちゃんは部室にこない間なにしてたの」

  「ずっとこいつのゲーム買いに行ってたのよ。どこに行っても売り切れで、他県にまで買いに行く羽目になったわよ」

  「つまり、祥ちゃんのおつかいをしてたんだね」

  京ちゃんが占いの前日まで部室に来なかったのはそのためだったんだ。

  「そういえば、何買ったの」

  「ストリートキングファイターの新作だよ。昨日してただろう」

  祥ちゃんはゲームを起動しながら答えた。

  そういや、昨日ストリートキングファイターをしていたな。それに、ストリートキングファイターの新作が出るって前に言っていた気がする。

  「じゃあ京ちゃんは水島さんが嘘のメモを渡したことなんて知らなかったんだ」

  「そうよ。だからあの時はめちゃくちゃ焦ったわよ。そういうことをするときは事前に言いなさいよね」

  京ちゃんは、ゲームをしている祥ちゃんの頭を軽く叩く。

  「イタッ。お前は演技が下手だからリアルさを出すためだよ」

  その風景を今回のMVPである水島さんが微笑みながら見ていた。

  「今思い出したんすけど。宮城先輩と坂崎先輩の因縁ってなんなんすか」

  奈央ちゃんはゲームをしながら祥ちゃんに聞いている。

  「あいつはな、俺の嫁をけなしやがったんだよ」

  「嫁って? 」

  奈央ちゃんがそう聞き返してから祥ちゃんの熱弁が繰り広げられた。

  要約すると、好きなゲームの女の子の悪口を坂崎君が言って、祥ちゃんも坂崎君の好きなゲームの女の子の悪口を言って喧嘩になったっていう話です。

  その熱弁は日が沈むまで終わりませんでした。

  

                        学園七不思議伍“当たる占い師”成敗

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