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学園F・N・F解明部  作者: 山神賢太郎
消えた教室
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西校舎の四階北側の教室

   僕はいつもと同じように部室で宿題をしていた。祥ちゃんはいつもどおりにゲームをしている。そこに、昨日と同じドドドと廊下を走る音が聞こえる。

  そして、すぐに、扉が開く。

  京ちゃんは扉を開けると部室を見渡している。

  「あんたたち、七不思議はどうなったの。まさかなかったなんて言わないでしょうね」

  「一応探したけどそんなすぐには」

  すぐには見つからないと言おうとしたところで祥ちゃんがゲームをしながら、

  「七不思議かどうかわからんが見つけたぞ」

  と言った。

  「なになに。」

  「これは、昨日のことだ。俺はなぜかわからんが部室で寝ていた。寝る前の記憶がないのだがまあそれはおいておこう。俺は、部室で目を覚ますと時計を見たんだ。時間は六時半だった。そして、俺は思い出したんだ、この時間何があるのか。そこで、望遠鏡を持って、東校舎の屋上へと向かった」

  「ちょっと聞きたいんだけど。何を思い出したの」

  祥ちゃんは目を瞑りすぐにカッと目を見開いた。

  「それはな、ちょうどバレー部が着替える時間なんだよ」

  祥ちゃんは京ちゃんに殴られた。まあ当然だ。

  「あんた、なにしてんのよ」

  「まあ、待て。最後まで聞け。俺は、望遠鏡で女子更衣室を眺めていたんだ。最高の眺めだった」

  また、京ちゃんの拳が祥ちゃんに飛ぶ。

  「ブへッ」

  「あんたただの変態じゃないの」

  「待て。なぜ暴力を振るう。この部活は恐怖政治だ。自分が見られているわけじゃないのに殴るなんて最低だ」

  「最低はあんたでしょうが。それで続きは? 」

  「それで、女子更衣室を眺めるのを堪能したあと、俺はほかに着替えている人間がいないか探した。そこでだ、四階の北側の一番端の教室にカーテンがかかっているのが見えたんだ。俺は気になったね。ああ気になったとも。カーテンが邪魔で見えない。つまり、何かをしているということだと俺は思ったね。そこで、東校舎から西校舎へ行ったんだ。」

  「あんた本当に何してんのよ。なんなのその無駄な努力。それに女の子嫌いじゃなかったっけ」

  「女は嫌いだね。怖いからな。だが見るのは別だ。というか最高だ」

  なぜか、祥ちゃんはサムズアップをしていた。まあ当然の如く京ちゃんに叩かれていた。

  「それでだ。俺は四階の端の教室に行って見たんだがそこには誰もいなかったんだよ。それに、カーテンも閉まっていなかった。俺は、不思議に思ったね。俺がそこまで行くのに、二、三分しか経っていない。その間に人がいなくなるなんてと思って、カーテンを見るとおかしなことに気がついたんだ。俺が東校舎で見たときはカーテンの色は黒かった。だが、その教室のカーテンの色は、白かったんだよ。おかしいと思い、また東校舎の屋上からその部屋を覗くとやっぱり黒いカーテンがしてあった。俺は、若干の興味と恐怖を感じたね。そこで、俺はまたそこに行ったんだ。すると、西校舎の四階がおかしいことがわかったんだよ」

  「なにがおかしかったの」

  僕は、祥ちゃんの話が気になりつい言葉を発していた。

  「四階の教室の数がほかの教室よりも少ないんだよ。そこで俺は、一番端だと思われる。教室の窓を開けて外を見ると、そこが一番端じゃないことに気がついたんだ。北側を見るともう一つ教室があった。でも教室から出て北側を見ても壁しかないんだよ。これって、七不思議じゃないのか」

  京ちゃんは、黙って目を瞑っていた。しかし、すぐに目を開いて立ち上がった。

  「それよそれ。そう言う意味のわかんない学校の秘密を解明したいのよ。その教室には何があるのかしら。す―――っごくきになるわ。よしじゃあ今回はその消えた教室の謎を解き明かしましょう」

  京ちゃんの目はキラキラしている。まさにこれこそが自分の求めていたものだったのだ。それを解明したときはどうなるのだろうか。

  僕たちは、西校舎の四階北側に行った。

  「確かに壁ね」

  京ちゃんがパンパンと壁を叩く。

  「だろ、壁なんだよ」

  祥ちゃんも同じように壁を叩く。

  「もうこの壁壊しちゃったらどうかしら。祥悟ちょっと壁殴ってみなさい」

  「いや断る。壁じゃなくて俺の拳が壊れる」

  「じゃあ、美術室からハンマーとってきなさい」

  「それならまあ」

  祥ちゃんが美術室に行こうとするのを僕は止めた。

  「ちょっとまってよ。それは絶対ダメ」

  僕は祥ちゃんを止めつつ、壁を見て不思議なことに気がついた。

  「待って、この壁の色って他の壁と違う気がするんだけど」

  「確かに、他の壁よりここの壁の方が新しい気がするわ」

  「たしか、この学校は俺らが小学生の頃に補修工事がされていたと思うんだが」

  僕は、小学生の頃を思い出した。

  「たしかにそうだった気がするよ。小学校と高校が近くて、工事の音がうるさいかった覚えがあるよ」

  「なるほどね。この教室は補修前に何かがあったのね。多分この教室で死人がでたんだわ。それを隠そうと補修工事をしたんだわ」

  京ちゃんがうんうんと頷いている。

  「それは飛躍しすぎだとおもうんだけど」

  「とりあえず学校の見取り図か何かを手に入れるのが先決だろ」

  「たしかにそうね」

  僕たちは学校の図書室に向かい、学校の資料を手分けして探した。資料を探し終えるとそれを借りて部室へと戻った。

  「とりあえずこの資料からあの教室の秘密を探るわよ」

  僕たちは資料から情報を集めることにした。

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