部費
ゴールデンウィークも終わり、学校が始まった。
僕は確実に五月病にかかっていた。ものすごく体がダルい。
今日は学校で生徒総会がある。部の予算や委員会の話しをしたり、春の大会の成績発表が行われる。
僕は、それを眠くなりながらも聞いていた。
生徒総会も終わり、授業が始まる。国語の授業はそれはもう退屈で、ちょっとだけ眠ってしまった。
結局ほとんどの授業を寝て終わってしまった。放課後になり、僕は重い体を起こし水島さんと一緒に部室へと向かう。
部室に着くといつもゲームをしてる、祥ちゃんが横になって寝ていた。
祥ちゃんも睡魔には勝てないようだ。僕は、ふと画面を見た。
そこには、RPGのゲーム画面があり、キャラクターは壁に向かって、ずーっと歩いている。
どうやら、祥ちゃんはコントローラの十字キーを押しっぱなしにしながら寝ているようだ。
僕は、部室の椅子に座り、水島さんが出してくれたお茶を一口飲む。
そして、いつものように京ちゃんが部室に入ってくる。その顔は眠そうだった。
「眠いわー」
京ちゃんはあくびをしながら、自分の席に座る。京ちゃんは水島さんから差し出された、お茶を一口飲むとまたあくびをした。
「なんか、何もする気起きないわね」
京ちゃんがそう呟いていると部室に奈央ちゃんが入ってきた。
そして、部室に入るとすぐに京ちゃんの元に駆け寄る。
「姉御、これはどういうことっすか」
奈央ちゃんは、生徒総会で配られたプリントを京ちゃんに見せている。
「なにが」
京ちゃんはそのプリントを見てポカンとしている。
「この部の予算のことですよ。なんでこの部が部の予算の三分の一も貰ってるんすか」
「そりゃ、どこの部よりも部員が多いからよ」
この学校の部費は部員の人数分のお金が支給されることになっている。
「うちの部たったの5人すよ」
「いや、百人以上いるわよ」
「なんですと」
「えっ百人もいるの。私全然知らなかった」
まあ、水島さんと奈央ちゃんが驚くのは無理もない。そうなのだ。この部は実は部員数が百人を超えている部なのだ。まあ、僕たち以外幽霊部員だけどね。
「なんで、百人もいるんすか」
「それには、深いわけがあるのよ。その理由を話すには、私たちがまだこの学校に入学した時のことを話さないといけないわ」
「ぜひ、教えてください」
奈央ちゃんは、京ちゃんの方に椅子を持って行き、姿勢を正している。水島さんは、奈央ちゃんの言葉にうんうんと頷きながら京ちゃんの方を向く。
「じゃあ話すわよ」
この話は、この学園F・N・F解明部が発足するときの話である。




