合宿二日目
合宿の二日目が始まる。僕たちは、パンを食べながらボーっとしていた。
「祥ちゃん昨日は眠れた? 」
「いや、全然眠れなかった。まさかここまで、テントというものが苦しいものだとは思わなかった」
たしかにそうだ。まず、テントの下にある石が背中に当たりかなり痛い。
そして、早朝になると朝露でテントが湿り、めちゃくちゃ寒い。イケメンなはずの祥ちゃんの顔はかなりブサイクになっていた。
テントから出ると、朝焼けが僕を照らした。今は朝の六時。正直何もしたくない。僕は、顔を洗おうと、水汲み場に行った。そこでは、水島さんが顔を洗っていた。
「おはよう、水島さん」
「おはよう、神山君」
僕は水島さんの横で顔を洗う。水道から出る水はかなり冷たく、眠気も吹っ飛んだ。僕は顔を拭き、水島さんを見ると、水島さんはメガネをかけていた。
「水島さんメガネをつけるんだね」
「うん。いつもはコンタクトなんだ」
水島さんと世間話をしていると、京ちゃんの叫び声が聞こえた。
「もういやだー。絶対テントでなんか寝ない。こんな辛い修行があるかー」
どうやら、不満を漏らしているようだ。というか、京ちゃんが合宿しようって言い出したんじゃないか。僕は、テントに戻り、新しいジャージに着替えた。全員の着替えが終わると、みんなでテントの片付けをする。テントをザックに入れ終わる頃には八時になっていた。
「よし、テントは片付いたわね。最後にみんなで、神社に行きましょう」
僕たちは、荷物をキャンプ場に置いたまま、神社へと向かった。
そして、みんなは御身代様にお賽銭をして、手を叩く。僕も同じようにした。みんなは、願いが終わると目を開けお互いを見る。
「やっぱり、誰もなんにも聞こえなかったわね。祥悟は何お願いしたの」
「俺は、レアアイテムが出るようにお願いした」
「あんた、これってそういうんじゃないからね」
京ちゃんは御身代様を指差しこれ呼ばわりしている。罰当たりだな。
「まあ、どうせ。みんなも同じようなもんだろうね。とりあえず戻りましょ」
僕たちはキャンプ場へと戻ることにした。神社から立ち去ろうとしたとき、僕には声が聞こえた。
「いつでも、そばにあるよ」
僕は振り返り御身代様を見た。その声はなんだか優しい声だった。僕は、誰にもこのことを話さなかった。話しても冗談にしか聞こえないと思うしね。
キャンプ場へと戻り、荷物を持って下山する。僕たちは結局タクシー乗って帰ることになった。これで、一泊二日の合宿も終わりだ。
キャンプ場から部室へと戻った僕たちは、ろくな睡眠をとっていなかったので、部室でシュラフに入って寝た。
学園七不思議参“御身代様の伝説”未解明




