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命運玉座のキヲテラウ  作者: 古卯木 悠右人
断章(一章・続) 蠢く思想の裏話
18/22

裏場話(タヴー)

これにて、本当に一章終了です。新キャラとか主要人物も続々と準備してます。


9/15

大事な分を追加するの忘れてた。追加しました。

 真実とは、嘘偽りでない、本当のことをいう。または絶対の真理でもある。

 本当とは、偽りや見せかけでなく、真実・実際であることを指す。

 どれも、誠実で素晴らしいことだろう。さぞ、美徳なことであろう。だけど、知らなくて良かった真実だってある。知らない方が幸せだった。なんてことは多々ある。本当の事を、本人告げることだけが、本人の為になるのだろうか、嘘をついて誤魔化た方がいいものだって、そりゃあ、あるかもしれない。そんな時に、相手を思ってついた嘘のことを、人は、ニンゲンは、優しい嘘というらしい。俗に言う、言葉をオブラートに包んだというものなのだろうか? それは、私には、分かりやしない。そもそも、そんなこと言える事態が、貴方は、嘘に憑かれてしまったのかもしれない。真実を伝えるという行為から、逃げる為に。優しいという免罪符をつけることによって。


 では、結論を言おう。私から言わせれば、それは違うだろう。嘘は嘘だ。優しい嘘も所詮は、嘘だ。他人を騙してるに過ぎない。たったそれだけのことだ。


~~~記憶保管庫バックアップ・メモリー~~~二代目ワタシから切り取り~~~


~~~~~

 ひゅゅゆゆゆんんんん!!! と落下音が聞こえる。天空から、空から、落ちてくる物体が二つ。それは、討伐者エクテレスが一人、玖凱 十三と、十大龍席ドラゴニックイクスが一つ、第Ⅴ席 嵐龍 ストームブリンガーである。今現在、意識があるのが、嵐龍のみ。だが、その嵐龍は満身創痍というか、致命傷を負っている。体が斜めに切り裂かれてあり、彼の者の現在の体は、動かせるのが右腕と、頭という状態である。一方、玖凱 十三は嵐龍とは違い、意識を失っており、彼も満身創痍で、右腕がない。


 ここから考えるに、二つの物体は、戦闘をおこなって、勝者は玖凱 十三なのだろう。だが、あのざまでは、右腕の出血多量で死ぬ可能性が大だ。嵐龍も玖凱を助けようとしているが、ボロボロで出来ないらしい。というか何故敵である嵐龍が玖凱を助けようとしているのかが、ボクには、分からない。週◯少年ジャン◯的な展開にでもなったのだろうか?それはそれは、実に『物語』的でワタシ(・・・)好みだし、ボク好みでもある。始まり(・・・)は、そういうのには、余り興味は無かったみたいだが、今の主導権は、ボクにあるのだから、知ったこちっゃないのだが。いやはや、さてはて、困ったことに、もうそろそろあの二つが地面に、海面に、淡路島だったとこに、落ちてしまうだろう。どうするべきなのだろうか。……全く、出て来たに瞬間こういう展開になってるなら、そういってくれればいいものを、随分とケチな前任者である。ボクはため息をついて、を開放した。まぁ、加減できるか、分からないんだけどさ、なにせ、初めてなんだから。そう、どことなく言い訳をした。


~~~~~

 落ち行く体が現在の状況を知らせている。自分を倒した討伐者は、今現在自分と同じく天空から落下している。そして、この我自身も、また空から落ちていっている。両者共に満身創痍でボロボロである。自分は動かせるのが右腕と、頭、首ぐらいだ。最後の決戦で斜めに狩り取られた体は既に、海に落ちて、沈んでいった。我自身が死ねば、その体は徐々に消え行き、セカイのマナの元へと還るだろう。それ自体は問題はない。


 だが、自分を殺したこいつを、このまま死なせるのは惜しかった。折角、自分が魅たくて見たくて堪らなかった意志を、意思を、思いを我に見せてくれたのだ。この先、こやつがどこまで行けるのかを、知りたいと思ったのも、また事実である。ならば、助けるべきだろう。そう決意し、体を動かしているが、全然駄目である。一行に進まない。蟻の一歩よりも遅いと感じられた。そして、落下する速度は、重力加速度が発生し、加速している始末。最早、どうすることも出来ないのか。


 技を使おうにも、幾分、この様では、上手く使うことは出来んし、幸い上手く使えたとしても、今残っている力を出し切ると、我は確実に、セカイの元に還るだろう。それでは、意味がないのだ。こやつには、褒美を与えるつもりだ。それまでは、何とか生きて貰わなければ困るのだから。だがしかし、現実は非常にも、時間切れ(タイムアップ)を指した。二つの物体が地面に、海面に打ち付けられる瞬間、時間は再び凍結した。


 次に嵐龍が目を覚ました時、そこは、凍土だった。否、そこまでの物ではなかったが、半径五メートルに亘って海面が凍っており、自分は丁度真ん中にいることが確認できた。そして、次に自分を倒した討伐者を探す為に視線を動かした。幸い討伐者はすぐに見つかった。自分からそんなに離れていないところに、置かれていたからだ。だが、嵐龍はそこで、己の目を見張ることになった。そこには、有り得ない光景が広がっていたのだから。


 嵐龍は震える声で、それ(・・)に声をかける。本来ならば、絶対に存在しているはずのない存在に。それは、あろうことか自分を殺した討伐者の元にいるのだ。何をするつもりか分からないが、もし討伐者を殺そうとしているのならば、止めなければならない。そう思い声を上げようとした時、事態は嵐龍が思うよりも、更に急変する。


 それの体がいきなり光始めて、形を変えていった。そして、そこにいたのは、これまた有り得るはずのないやつであった。その姿は、我に致命傷を負わせたやつの姿。そして、自分が殺したはずのやつの姿。そして、一番の謎は、何故あれ(・・)がこいつ(・・・)になる。それではまるで、今目の前に再び現れたこいつが、あれ(・・)であったみたいではないかと。そういった疑問が次から次へと、嵐龍の思考を埋めていく。傷だらけで満身創痍の体ではあったが、頭は頭脳は、フル回転していた。そんな嵐龍に目の前のやつから、声がかる。話しかけられると、嵐龍はこいつのことを考えるのは一時中止にして、こいつの話を聞くべきだと、脳が、思考が、嵐龍にそう判断させた。


「やあやあ、どうもどうも。初めましてとでも言うべきかな。いや、ボクからしたら初めましてでも、貴方からしたら違うのかな?貴方は既にボクを知ってるみたいだ。でもまぁ、残念なことに、ボクはボクだから。貴方が知ってるワタシではないと言うことを初めに知ってほしいんだよね。でも、よくよく思えば、体は共有しているのだから、この場合はワタシのままで、『やあ』とでも言えばよかったのかな?いやでも、それは面白くない気がする。っていうか、全然面白くない。ボク的には、最悪だな、最悪だね、最悪だの三連コンボだね。ボクがこう思えるんだ。同じくワタシだってそう考えると見積もってもいいと思う気がするな。まぁ、始まりはどう思うのかは分からないんだけどさ、でもボクからしたら、あんな感情が出てこないロボットみたいな奴の考えが分かってもしょうがないちゃしょうがないんだよね。いやでも、これは困った。ちまたでは、そういうやつが、照れたり笑ったりするのを、デレたとか言うらしいけどさ。あれ、どこがいいんだろうね。愛情表現がたまにしかかないのなら、愛されてるのかが、相手の方が分からなくなるよね?でも、そんなんがいいって人もいるものだから、凄いと思うよねぇ、本当にニンゲンってのは、観察しがいがあると思うんだよ、ボクは。趣味が人間観察って言う人の気持ちが痛い程分かる。あんな面白いものをほって置ける訳がない。十人十色。顔が似ているようで全然違う。顔が似てても性格が違う、自我が違う。ロボットみたいにコピーされた感じじゃなくて、感情がある。これは貴方の言うところでの、意思、意志だとおもうんだよ。思いがあるから人は強くなれる。特に大切な誰かを守りたいとか思った時とか、凄いよね。土壇場でドーンって感じに、場を一気にひっくり返して勝利を収める。ああいうのを、確か『物語』上では覚醒とか言うんだよね。いいよねー、ああいうのってさ。少年漫画が人気な理由がよくわかるよ?貴方はそうは思わないかい? 嵐龍?」


 口を開いて、およそ数ページ分くらいに及ぶ長台詞を一つも噛まずに、言い切ったことには、嵐龍は一先ずこいつに関心したが、しただけだった。こちとら、持って後数分くらいの生命力なのに、何故死に際にこんなにメンドクサイやつに絡まれたんだろうと、嵐龍は少し後悔し始めた。しかも、この長台詞、あいつを思い出すあたり、やはり、こいつの正体はあれ(・・)なのだろう。溜め息をつきたくなる気持ちを抑えて嵐龍は口を開く。


「……色々といいたいことはあるが、一つだけ我に言わせろ」


「ん? 何だい何だい。ボクの長台詞を一つの中断も無しにキチンと聞いてくれた嵐龍。貴方のその懐の深さには、産まれて数分立ったボクは感激の念を溢してしまうよ。さぁ、なんでも言ってくれ!」


 ……ウザかった。異常にウザイ。だが、少し気になる台詞も出てきた。それを聞くために、嵐龍は我慢して、話の続きを言う。


「我から言いたいことは、まずは一つ。要点を絞って話せ。貴様の話はいつも長いんだ。そんなんだから、貴様のウンチクに付き合うやつは、あのお人良ししかいなかったんだ」


「あれ、もう正体に気付いちゃった? ちょっと、ちょっと待ってくれよ、それはないよ。それは『物語』上ではやられたら、一番困る、もしくは白ける行為だって認識してるのかい?死んだはずのキャラがいきなり生き返って、何やら意味深なことをしていて、何なんだ、どうなってるんだ!? っていうのが、いわゆる、お約束ってやつじゃないのかい。ロマンがないよ、ロマンが。嵐龍、君って本当に男の子かい?」


「……また、長い。べらべらと、そこがお前の悪い癖だ。あ「すとっーぷ!」


「何だ、いきなり人の話を遮って、ふざけてるのか」


「いやいや、ふざけてるのは、そっちだろ。何、自然に私の名前を呼ぼうとしてんのさ?まだ秘密にしろよ。分かってんの?今の私は謳来 宴で三代目サードだよ。分かった? 分かったら宴って呼びなよ」


「素が出てるぞ、いいのか?」


「え、素? ボクには全然わからないなぁ?」


「誤魔化すな、私といってただろ。あいつの一人称も私だった。そして、お前は三代目とか言ったか?」


「うん、そうだよ。三代目だよ。貴方と戦っていた謳来 宴は二代目セカンドさ。二代目はそこで意識を失っている彼にお熱だったし、彼が死なないために自分の再生力と生命力を彼にパス(・・)を繋げて謳来 宴のコア以外の全部を彼に譲渡したんだぜ。そのせいで、二代目は死んだ。あのまま何もしなければ、パスを通じて、回復出来たのに。分からないねぇ、彼を救うために命を捨てたとは。それが恋とか、愛ってやつなのかねぇ?」


「我に聞くな。寧ろ、貴様自身ことだろうが」


「いやいや、その考えは些か違うんだよ、嵐龍。ボクは確かに始まり(ファースト)と二代目の記憶を継承している。謳来 宴に存在している記憶保管庫があるからね。あ、記憶保管庫は核と共にあるから消えやしないよ。でも、一人称が違ったり個々の性格が違う。まぁ、始まりが基盤ベースには、なっているんだけど。だから、いうなれば、ボクからしたら、過去の映像を覚えてる感覚なんだ。知識として分かっても、感情じゃ理解出来ないのさ。だからこそ、二代目が何故彼を助けたのかは、理解できないんだよ」


「……フン、死なせたくなかったのではないか?」


「どうなんだろうね?そういう意味では、ボクは彼に興味があるよ。初代や二代目がどうして彼を好きになったのか。生まれ変わっても、また同じ人を愛せるなんて、ロマンチックじゃないかい?」


 そんな三代目の言うことは、嵐龍には、少しも理解できなかった。見解の相違以前の問題で、嵐龍はあくまで、ニンゲンの意志や意思、思いに興味があっただけで、他は至極どうでもいい。まぁ、感情という点では同じだといえるのだが。呆れたように、溜め息をつき、嵐龍は再び三代目に聞く。


「で、貴様は何が言いたい。要点を纏めろと言ったばかりなんだが」


「あ、そうそう。そうだね。まぁ、今のボクは謳来 宴の三代目だってことを知って欲しかったんだよね。これから話していくためにも、誤解を解くのは重要だろう?」


「で、話とは?」


「簡潔に言うと、嵐龍さ、お前もうすぐ死ぬんだから、残ってる右腕をよこせよ」


「率直だな」


「うん? だって、精々持って、後数分の命だろ? だったら有効活用するに限るだろ、何か可笑しいことでも言ったかい、ボクは?」


「いや、貴様の前任者は、貴様ほど傍若無人に振舞ってなかったからな、少し違和感を感じた。」


「へぇ、じゃあ二代目はどういう風に言うのさ」


「我がそうするメリットとデメリットを話してから、交渉するだろう。残り時間を考えながらな」


「うへぇ、真面目だなぁ。死に駆けなんだから、気にぜず好きに振舞ってもいいと思うんだけど」


「それが、三代目と二代目の違いだな。でもまぁ、右腕の件に関しては、我自ら、そうするつもりだったから問題はない。寧ろ、問題なのは貴様と討伐者のことだ」


「ボクと彼かい?」


「ああ」


 目の前のこいつはそういって小首を傾げた。まるで何を言いたいのかが、分からないように。もし、こいつが本気でそう思っているのなら、自分も舐められたものだなと、嵐龍は一人ごちる。だが、事実自分は死に駆けているから、反論はできない。したらしたで、また時間がかかりそうだから嫌だという気持ちもあるにはあるのだが。そんな気持ちはおくびにも出さず、嵐龍は質問する。


「まず、貴様だがそやつには、自身のことをどう説明するつもりだ? まさか、正体を明かすつもりか?」


「あはは、やだなぁ。そんなことするわけないじゃないか。適当に誤魔化すさ。事実、彼は始まりから二代目に継承した時に、人格そのものが変わっていることに、気付かなかった。まぁ、それは彼が始まりに、感情が戻ったと都合の良い解釈をしてくれたおかげだけどね」


「ふむ。では、今回はその手が使えないのではないか?どうするつもりだ」


「ああ、うん。一応は、こうするつもり」


 そういって、三代目は『う、うん』とせき込みをワザとらしくして、口を開く。


「先程までの無礼は申し訳ない。謝れば許されるというべきではないが、それでも謝らないよりかは、礼を尽くせると思う。十大龍席ドラゴニックイクスが一つ。嵐龍に謳来 ボクに代わり、謳来 ワタシが謝罪する。申し訳ありませんでした」


 そういって綺麗に、頭を下げる。45度であるあたりが、二代目らしい。これが先程まで喋っていた三代目なら、『あ、ごめーん』で済みそうな感じがするのは、きっと気のせいではないだろう。嵐龍は驚きながら、質問する。


「何と言うか、貴様が真似してるといわなければ、騙されそうになったぞ」


「まぁ、三代目は謳来 宴(ボク達)の記憶を継承しているからな。真似など容易い。三代目があんなにお喋りなのは、この芝居のせいで、これからは二代目を演じていくからだ。彼には、二代目は実は死んでいなかったということにするつもりさ」


「だが、一人称はボクのままなのか?」


「それくらいは許してほしいよ。三代目の自分で自分を見分ける方法さ。なりきりすぎると、自分を忘れる。一人称はキャラチェンジとでも言っておけばいいさ。で、ボクの問題はこれで問題ない。彼の問題とは何なんだい?」


「それについては、簡単だ。あやつは龍脈ラインが通っていないんじゃないかという話だ」


嵐龍の質問に三代目は、まるでその質問を愚問だといわんばかりの顔をする。その『何だこいつ全然人の話聞いてなかったんじゃね?』的な顔をされて、若干、いや、かなり頭に来た。如何やら口調で二代目を真似することは出来ても、態度は隠しきれてないらしい。真に残念である。


「何か言いたいことでもあるのか? 真っ当な質問だったと、思うのだが?」


「はぁー、駄目だね。全然駄目だ。人の話を聞いていたかい、嵐龍。いいかい? 二代目は彼に惚れていたんだ。そして、自身の核以外の要素を全て彼に渡したんだ。パスを繋げてね。ここまで言えば、その質問は愚問と言うしかないだろう?」


「成程、確かにこれは、愚問だったな。パスを繋げさせたのなら、龍脈は既にそやつの中に存在しているな」


「うん。まぁ、唯一の懸念は竜人化ドラゴノイズくらいかな」


「何故だ? 竜人化にいたれることに、何の問題がある。デメリットというよりも、寧ろ、メリットだろう」


「そりゃあまぁ、キチンと正常に発動したならね、でも一応、純血でなくて、混血になるからね。扱いとしてわ。力に飲まれたりしたら暴走待ったなしだよ?」


「ふん、この我を倒したのだ。意志や意思、思いは十二分にあるだろう。それがある限り、そやつは暴走などせぬだろうよ。それに貴様が手綱たずなを握っていれば、そんな事は起きんだろうが」


「いやまぁ、そういわれるとそうなんだけど。まぁ杞憂で終われば何事も一番いいんだけどさ。不確定因子ってのは、何処にでもあるだろう。心配して損することはないさ」


「まぁ、貴様の好きにすればいい。我はもうそろそろ限界だ。右腕を移植させるぞ。そやつの体を我の近くまで持ってこい」


「分かったよ、ちょっと待っててくれよ」


 そういって三代目が、玖凱 十三の体を持ってくる間に、移植の準備を始める。嵐龍は微力を使い、技を発動する。使うの技は『鎌鼬デスサイズ』にして、余力を最低限残した。スパっ! そんな音が嵐龍からすると、ドォン! と音がして、嵐龍の右腕が地に、いや今は凍土だが、兎に角、落ちた。


「わぉ、大胆な落とし方だ。ボクの作った凍土にひびが入ったじゃないか」


「貴様が最低限度の力でしか、この凍土を作ってないからだろう。耐久力は、もっと強かっただろう」


「いやだから、ボクは三代目なんだよ、力を使うのは、初めてだってわかってるのかい」


「ああ、そうえばそうか。……まぁいい、始めるぞ。そやつを下ろせ」


「ボクは、全然良くないんだけど、……はぁ、はいはい。……と、ほい」


「では、始めるぞ」


「りょーかい」


 嵐龍がそう告げて、魔力を込め始めた。凍土は徐々にぴしぴしと耐え切れないとでも言うように、悲鳴を上げて、罅を作って行く。そんな状態がしばらく続いた後に、場に変化が現れる。玖凱 十三の体の周りに幾つにも重なった紋章が出てきた。そして、それは嵐龍が自ら切り落とした右腕にも現れている。そして、現れた紋章同士が引かれ合うように、光始める。次の瞬間、玖凱 十三の体と嵐龍の右腕は融合を始めた。大きすぎる腕は、新たな宿主に合わせるように、その大きさを変えて行く。幾許も無く、光は収まり、そこには、玖凱 十三の右腕に合うように存在する右腕が存在していた。


「ふう、これで終了だ。我を倒した褒美は、これで受け取れ」


 嵐龍はそう今はまだ、出血多量で意識を失ってる十三に向けて、そう言い放った。その姿を見ていた、謳来 宴は少し笑って、玖凱 十三の元へと近づく。


「普通は、男女逆なんだけど。龍脈を正常に起動させるためだから仕方がないか。このままじゃ、死んじゃうしね。お疲れ様、十三。よく頑張った」


 そういって、謳来 宴は玖凱 十三に初めて(・・・)のキスをした。キスの後、十三の中の龍脈が起動し始め、顔色がよくなっていく。そんな姿を見て、宴は笑い。そして、死に逝く嵐龍を見る。


「……これで、我の人生も終わりか、意外と終わりという物は呆気ないな」


 そんな嵐龍の言葉を否定する用に、宴は告げる。


「いいや、まだ終わらないよ、嵐龍。最後にやり残したことをやろう」


「何? そんな物などあったか?」


「ああ、貴方の正体さ。二代目の友人、糸定と二代目が貴方の正体の予測を幾つかしていたんだよ。その答え合わせをして、貴方は退場するのさ」


 いきなりそんな事を言われ、予期していなかっただけに、少しだけ驚く嵐龍。だが、悪くはないなと思い、宴に聞き返す。


「ほう、では、我の正体とは、一体全体何だというのだ?」


「それはですね。貴方の正体はエジプトの神。嵐の司る神。名をセト。セト神ではないのだろうか?」


「ほう。何故そう思った?」


「理由としては、沢山あるけど、一番の理由は貴方の影が決め手となった。グレーハウンド犬、それが貴方の影だった。セト神の様子はグレーハウンド犬に似ていると言う。そこで風系統の力を使うなら。セト神だと辿り着いたのさ。糸定と二代目は。どうだい、合っているかい?」


 嵐龍はその答えに、小さくほくそ笑み、そして答える。


「ああ、その通りだ。我の正体は嵐の神である。その名をセトと言ったものだ。しかし、懐かしいな。よく辿り着けた。あの討伐者といい」


「いいや、それは違う。嵐龍、意地が悪いんじゃないかい?フェイクであっているなんて言うなんて」


「何?」


「それは二代目と糸定って人の答えだ。ボクの答えは違うよ、嵐龍?」


「では、何だというのだ。我は正体は」


「貴方の正体は、古代メソポタミア文明の神。エンリルだよ」


「…………」


「どうして黙るんだい。間違っているなら間違っているといってくれてもいいんだよ。嵐神セトだったのは、貴方の影であった。あのグレイと名付けられていたグレーハウンド犬だ。セトは貴方の正体ではない」


「……」


「何故気付いたって顔をしているね、嵐龍。何、簡単さ。確信を持ったのは、セトだと断定して貴方に行った時、貴方はほんの少しだけど、ほくそ笑んだ。その瞬間よ。確信したのわ。二代目と糸定って人は貴方の凶暴で横暴な所から、その名を導いた感じだったけど。まぁ分からなくはないね、セトの共通する添え名は『偉大なる強さ』。荒々しさ、敵対、悪、戦争、嵐を冠するのだから」


「……」


「でも、それはエンリルだって同じこと、知ってるよね。エンリルは風と嵐の神であった。でも同時に一説では、人類の浮かれ騒ぎを煩わしく思い、人類を滅ぼすために大地に疫病を流行はやらせ、次には旱魃をおこし、最後に大洪水を引き起こしたとされる神なんだから。まぁ、それ自体は同じ神であるエアが人類の一人に告げ口をしたせいで、避難する術を得て、逃げられたらしいけどね」


「……」


「まぁ、貴方がそうした災害を起こしたのもニンゲンの意志と意思、思いの力が見たいせいだと思うんだけど、どうかな?」


「……ふん」


 そういって、嵐龍は何も言わなかった。数分経っても何も言わなかった。流石に見かねた宴が声をかけようとすると、嵐龍の残った体が薄くなり始めた。おそらくセカイの元へと還るのだろう。だが、正解かどうか本人の口から聞いてないのに、消えて貰っては困ると宴は急いで声をかけようとした。


「ちょっと、合ってるか」


「……正解だ」


 その言葉と共に嵐龍はセカイの元へと還っていった。後に残ったのは、気絶している十三と宴の唯二人。宴は溜め息をついて、呆れた様に言う。


「子供っぽいんだよなぁ、嵐龍って。まぁいいか。さて、色々工作しなきゃなぁ、間に合うかな?」


 どことなく独り言を言って、宴はこれからの事を考えながら後処理と、隠蔽工作を始めた。


~~~~~

 そこは暗い場所だった。光が通り難そうな場所だった。ブブブ、ブ。と羽の音が今だに少しだけ動いていて、本体は手足をピクピクさせている型虫タイプインセクトがいた。それは、その正体は嵐龍が決戦時に転移魔法者テレポーターを封じる為に、正確には転移魔法テレポートだけを封じていた型虫だった。それは地面に落ちており、腹には小型のナイフが綺麗に刺さっている。その周りには、そいつと同じ型虫が四体ほど死んでいた。どれも転移魔法を邪魔する型虫だ。その型虫は綺麗に殺されていた。


 そして、そこから少し離れて光が漏れる所に、ある一人の女がいた。女と言っても、少女といってもいいだろう。彼女はその暗闇から解き放たれた場所で何やら考え込んでいる。少し声が漏れる。


「さて、この情報。あるじに伝えるべきか、そうでないか。迷いますね。幾ら何でも任務に関係ないからと言って、この情報は伏せるべきか、それとも、時が来るまで切札ジョーカーとして取っておくべきか。これを知るのは、私一人だけですから、生かすも死なすも私次第ですか。厄介な事になりましたね。あの人の行方も不確かな物しか得られませんし、困った物ですね」


 そんな彼女の悩みを知ったこっちゃないとでも言うように、彼女のポケットからピリリリリリリ! と携帯電話の音が鳴る。ポケットから携帯電話を出して確認すると、通話相手はよりにもよって、彼女の主だった。主の電話を無視するわけにもいかず。溜め息をついて、数秒迷った上で、通話ボタンをプッシュした。電話口から威勢のいい声が聞こえる。


「よ、調子はどうだ? 調査は進んでいるか?任務は順調か?」


「まぁまぁですね。超さとしては、ハッキリとした情報は得られませんでしたよ。でも、朗報は一つ有りますね」


「ほう。何だ、言ってみろよ」


「十大龍席が一つ。第Ⅴ席 嵐龍 ストームブリンガーを討伐者である玖凱 十三、謳来 宴、断の三名が達成しました。これでまた一体、侵略者の殲滅に一歩近づきましたよ」


「何っ! それは本当か!? そいつは朗報だ。これで一体消えた。残るは七体といった所か」


「ええ、……多分」


 彼女は自身の固有概念魔法マディスマギアで見た情報を、主に伏せることを選択した。不確定の情報を、今の主には与えてはいけないのだ。主は今一生懸命頑張っているのだから。まずは目の前の事に集中させたかった。それは、普段皮肉ばかり言ってる彼女の優しさでもあった。


「よし、じゃあうらら黎明れいめいはどうなってる?」


「それですが、この前報告した通りです。やはり、このあたりには目撃情報は有りません。ここの区域にはいないんだと思われます。どうしますか?」


「……捜査は続行。ただし任務を優先だ。黎明のやつについては、見つけ次第回収する。麗、次にお前には高知県に向かってもらう」


「高知県ですか? ですが、今現在の四国領域(南エリア)には十大龍席がいるのでわ?余波で私も死ぬ可能性がありますよ」


「その心配はない。くだんの十大龍席だが、撤退したそうだ。途中で西の二人組が加わって、四対一で何とかだ。南の支部長マスターピースである歴木くぬぎから連絡があったらしい。俺の部下からの情報だから、筋は確かだ」


「そうですか、では、何故高知県に?」


「麗、お前には、高知県にあるあの煉獄業火カサルティリオ・イグニス滝焔ろうえんに向かってもらう」


「煉獄業火の滝焔ですか。確かあそこは、炎龍 ニーズフレイガの影であった不死鳥フェニックスがいるといわれているあそこにですか?」


「ああ、もし黎明がいるなら、そこにいる可能性は否じゃないだろう?」


「そうですね。分かりました。任務と並行して進めます」


「いや、任務が優先だと」


「はぁー、ここからは部下としてでなく、貴方の一介の友人として言います。余裕がない癖に何を言っているんですか。使える手駒は死んでも使い尽くすんですよ。この際手段を選んではいられません。保守派が何を考えているか分からないんですから。今だって、滅却めっきゃくに手伝って貰って、電話をかけているんでしょ。私達の代わりに入ってきた人達もこちら側につけれたようですが、どうなるかわかりませんよ?」


「ああ、それついては痛い程分かっているつもりだよ。だから、お前等を任務として、外に出すのが今の俺のギリギリだったんだよ。命を懸ける仕事を他でもないお前等にさしてること事態、俺としては不甲斐ないよ」


「何をいっているんですか、貴方の無茶には、私も黎明も昔から慣れっこなんですよ、勿論、滅却だってそうです。私は死にませんよ、黎明も死んでません。そろそろ時間です。これ以上はまた貴方の立場を苦しめます。友人としてでなく、部下として申します。早くお戻りに」


「分かった。色々とよろしく頼む」


「任されました」


 ピッ! そんな音をして、ツッーツッー!! と通話終了の音がする。彼女は、麗は、携帯をポケットにしまって、再び暗闇の中へと消えていった。


~~~~~

 ピッ! と音がして通話が切れた。黎明の奴が死んだかもしれないという情報を聞いて、思っていたより弱気になっていた。そんなとこを麗の奴に見抜かれた。この様では、恐らく滅却も気付いているのだろう。全く昔からの友人には、頭が上がらない。苦笑をして、気分を入れ替える。


 兎にも角にも、嵐龍の討伐。この事実は大きい。麗から聞いたこの三人には、俺自ら会いに行き、礼をするのが義というものだろう。だが、そう上手くいくかは、この事実を元にして、どこまで保守派を潰せるかだ。今現在俺の手駒は五人。この人数で切り崩していくのは、無理があるかもしれない。だが、泣き言はいってられない。運命は既に流転した。恐らくは、ここから一気に状況が動き出す。この機を逃すわけにはいかない。そう決意して、携帯を強く握り占める。そしたら、遠くから声が聞こえる。恐らくは、あの二人だろう。自分がいないことに気付いて、探しに来たんだ。二人組の内一人がこちらに気付く。


「やっと、見つけた! お前、何処行っていたんだよ!!」


「んー、電話」


「はぁ!? お前はなぁ、自分の立場を理解してるのか?わかっててやっているなら、殴るぞ! ボケッ!?」


「あはは、悪い悪い。そんなに怒るなよ、ケイテン」


「だから、俺の名前はケイテンじゃねーって何度い「あーーー!!!」ったら」


「やーっと見つけた。もう何をしてたのよ、二人とも。貴方達、自分達がどれ程皆に迷惑かけたとおもってるの?分かってる!?」


「いや、あの俺も、探してたんだが・・・」


「は?」


「・・・すいません」


「まぁまぁー、二人ともそうかっかするなって」


「「お前のせいだからなっ!!」」


「あり? まぁいいや。戻ろっか、ケイテン、アマネシ」


「よくねぇよ・・・」


「はぁー、今に始まったことじゃないしね。しょうがないわよ、ケイテン」


「おい、お前まで。・・・ったく、もういい。行くぞ、アマネシ、すめらぎ


「了解。あ、そうだ。ケイテン知ってた。東エリアが十大龍席の一つ討伐したらしいよ!!」


「何、じゃあ、あいつらかな?」


 先を行く二人の声をBGMに麗の主である皇は、空を、いや天を、その先にあるセカイに向けて呟く。


「人類の反撃は、ここからだぞ」


~~~~

 なんやかんやで、右腕に関して僕が大声で叫んだ後、宴が慰めにもならないというか、どうでもいいように、もしくは、喜ばしいように言う。


「まぁ、良かったじゃないかい? これで義手を作る費用がゼロで済んでよかったじゃないか。もっとポジティブに考えなよ。ボク的には、『物語』上では、燃える展開で胸熱待ったなしだね」


「そりゃあ、他人事だからだよ! 僕は一体全体どうなるんだよ!?」


「知らないよ、もしかしたらだけど、その右腕がドンドン君を強くさせるかもしれないぜ。最終的には竜になるかもしれないぜ?」


「龍に? ないない、それはないだろ。幾らなんでも『物語』に憧れすぎだろ。まぁ、腕貰うこと事態普通の状況じゃないんだけどさ」


「他人が持ってない特別な力を得る。主人公の特権だよ。もしかしたら、この『物語』の主人公は君なのかもしれないね、十三君?」


「まさか、そりぁお前の好きそうな条件だけどさ、世の中そんな上手いこといかねぇだろ。これは嵐龍が自分を倒せた褒美だーなんかでくれた気がするし」


「どうやら、そうでもないみたいだぞ、玖凱。謳来の言う通りかもしれんな、案外」


 そういって入って来たのは僕らの、この近畿領域(東エリア)の支部長である紘藤支部長だった。


「と、いうと?」


「玖凱、君が龍の腕を手に入れたことは世間には、いつか知れわたるだろう。そうしたら、マスコミのネタになるのは、間違いなしだな。その中には、救世主だなんて、大げさに書いてくるだろう。そしたら、一気に担ぎあげられる。西の例がある。ここ最近、炎の騎士なんて呼ばれている討伐者がいるだろう」


「炎の騎士?」


「ああ、西の片割れか、彼も大変だろうね。十大龍席を狩ったら、そこまでの背びれ尾びれが噂につきまくるんだから」


「謳来は知っているか。玖凱、炎の騎士とは、今現在南の最強チームと同じくらい強いのでは言われている二人組だ。その内の一人が、そう言われている。お前達も嵐龍を倒したんだ、こういう輩はつくと覚悟しといた方がいいだろう」


「「了解しました」」


「うん、じゃあ、何はともあれ、この近畿領域の代表として、そして何より、討伐者の一人として礼を言わせてもらうよ、二人ともありがとう」


「いいえ、そうな支部長に頭下げて貰うことじゃ」


「いいから、受け取ってあげなよ、十三」


「あ、ああ」


「あ、そうだ。断さんはどうなってんですか!?」


「・・・断は、今、澪標が見ている。命に別状はないらしいから安心しろ」


「はぁー、良かった。誰も死んでなくて、なぁ、宴」


「・・・あ、ああ」


「どうしたんだ、どもって?」


「いや、この後リハビリが待ってるんだなと思うと、憂鬱になってさ」


「あ!」


「まぁ、体を充分休ませてからでいいさ。今はまだ寝ておけ。断への見舞いもあいつが意識を覚ましてからだな。じぁあ、それだけだ。お大事な」


「「ありがとうございました!!」」


 宴と共に紘藤支部長に礼を言う。支部長は気にするなとでも言うように、手を軽く振った。支部長が病室を去った後、僕は溜め息をついた。ここ最近嵐龍のせいで戦ってばかりだから久しぶりにゆっくり出来るだろう。ベットに体を預けた。寝ようとした時に宴から声がかかる。


「十三、寝るのかい?」


「ああ、疲れているからな。ゆっくり眠って、疲れをとることにする。そしたらリハビリして、右手をキチンと動かさるようにするさ。戦いはまだ終わってないだから」


「ああ、そうだね。また今後共よろしく頼むよ、十三」


「ああ、こちらこそだ、宴」


 そう、僕らの戦いは、まだ終わっちゃいない。まだ侵略者は腐る程にいるし、大元の十大龍席も残り七体残っている。そいつらと戦う為にも、僕はこれからも負けられないのだ。決意を新たにして、僕は風に吹かれて、カーテンがなびいてる看護室の音を聞いて、目を瞑った。


~~~~~

 そこに存在するのは、殆どいなかった。灰色に染まった、錆びている。もしくは、風化したとでも、いえる場所であった。そこには、一つの玉座があった。唯そこに、存在するだけの玉座。誰も座っていない玉座。誰も座れない玉座ロストレガリアかつてセカイにそう記された物であった。そして、その玉座の上には、一つの古い本置かれていた。タイトルを福音書エヴァンジェーウと記されてある。そして、存在する物などない場所で、不意に、福音書が開かれる。ペララララとページのめくれる音だけが空間に木霊こだました。そして、ページが捲られる音が終わり、開かれたのはページに書かれていたのは、こんな文章だった。


『さて、如何いかがだっただろうか? この権謀術数がうごめく断章の裏話は、裏場話は。色々と重大な情報が記されてきていただろう? セカイの流転は始まりまったのだ。もう引き金は引かれてしまったのです。誰にもこの流れは止めれない。さぁさぁ、始まりの章は終わった。次なる章が、彼らの、討伐者達の戦いを、【物語】として記していくだろう。これもまた、その一つだ。ではでは、もしこの本が読める者がいるとするなら、次の章でお会いしましょう』

次は、二章に入る前に、人物紹介とか、用語説明など、物語で大事なポイントなどを書いていく、設定資料集を更新します。

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