Ⅲ:颮(ソニック)
颮は環境依存文字なのでみえねぇときはこっち早手です。疾風じゃないよ。それは次回のタイトルだから
「……ん……」
何やら暖かい感じがする。心地よい風が吹いてるみたいだ。光が眩しい気がする。そんな感覚と共に玖凱 十三は目を覚ました。
目を開いた瞬間見えたのは、はたまた何の焼き直しか。澪標さんの姿だった。普通こうゆう展開って知らない天井だ。みたいな感じだったはずなのだが、如何やら自分はとことんそういうのからは外れているらしい。まぁ、今の一例も物語の主人公の台詞なのだが。くだらないことを考えたことをなかったことにして、体を起こす。
「グッ!」
起き上った時に全身から痛みが出てきた。というかおかしい。何故自分はこんなところにいるんだ。確か自分は水虎と戦い、そのあと出てきた、十大龍席が一つ嵐龍 ストームブリンガーと死闘を繰り広げ、やつに一撃を与えたけど全然ピンピンしていて、そのあと、Σ(シグマ)の二人を逃がす為に戦おうとして糸定が変なこと言って、そんで気を失ったのだ。そして、今に至る。今自分がいるのは澪標さんがいることから考えて看護室だろう。そして、そのことが導き出す答えは…………。考えたくもなかった。
否、本当は分かっている。自分は生かされたのだろう。糸定達に、あいつが言っていた最終指令とはシグマ以外にも僕を逃がすことだったんだろう。そうなれば、答えはおのずと見えてくる。ε(イプシロン)はギリシャ文字でEを表す。つまりは、逃走のEだ。この作戦を考えたのも、僕が紘藤支部長と話している時だったんだろう。僕が最初に彼らにあった時には僕以外はそろっていたんだ。そんときに話をしていれば、矛盾は生まれないのだ。何も言えなくなる。
結局の所、僕は彼らに守られてばかりで、何の恩も返せなかった。弱い自分がこれほどまでに腹立たしく感じたのは初めてだった。家族と行方不明になったときも悲しかったが、怒りなんて沸いてこなかった。だが、今は怒りが負の感情が体を占めている。これほどまでに差があり、これほどまでに届かない。
僕が放った一撃も最強技ではないとはいえ、必殺に相応しい技だった。最強技はあの時の僕じゃ疲労や地を流しすぎて、無理だったし、劔が耐えられるかも分からなかった。出し惜しみしたのが悪かったのだろうか、しかし、技を放っても、攻撃する劔が折れれば、それこそあの一撃に命を懸けた人に申し訳が立たない。いや、ちがうだろ、あの一撃で仕留められなかったのはどっちにしろ、僕が弱かったからだ。強くならなればならない。僕は彼らの敵を討たなければならない。あの嵐龍に。意志の力であいつをぶっ殺さなきゃならない。それが僕が彼らに送るべき恩義だろう。
そうと決まれば、行動するしかない。今は傷が癒えるまで時間がある。今から鍛え直しと、糸定の最後の言葉である『ラブレーの本』についても考えなければならない。糸定曰く、「その劔の真実を知れ!」って言っていたが、どういうことなのだろうか? さっぱり検討がつかない。目の前で固まっている澪標さんにでも聞いてみるか。
「澪標さん、澪標さん。ラブレーの本って分かります?」
僕がそう聞き出すと、固まっていた澪標さんが再起動する。
「へ? ラブレーの本ですか? ええっと、ラブレーって作者の名前ですよね?」
「多分」
「多分ってぇ、そんな不確かなぁ。でも、ラブレーで作者といえば私は世界史のラブレーしか思い浮かびませんよ。確か代表作が『ガルガンチュアとパンダクリュエルの物語』だったはずですぅ」
「そうか、やっぱり澪標さんも世界史の方のラブレーが出てきたんだね。よかった、僕だけじゃなかった」
そう、本をあまり読まない僕としてはラブレーといわれれば高校があった時代に習ったあのラブレーしか出てかなかったのである。しかし、世界史のそれも昔の人の話があの劔と何の関係があるのか、謎は深まるだけだった。
「って、そんなこと場合じゃないですよぉ。よかったですぅ。玖凱さんが目を覚ましましたよぉ。私めっちゃくちゃ心配したんですからねぇ! 水虎で運ばれてきたのに。またですよぉ! 何回重傷を負えばいいんですか? 玖凱さんはぁ」
あまりにもアワアワしく言う澪標さんに申し訳なる。いやはや、全くその通りなので言い返せない。
「でもぉ、これでようやく、全員目を覚ましました」
「ようやく? 全員?」
「あ、はい。玖凱さんが目覚めたのはここに運び込まれてから一週間立っちゃってるんですよ? それにあの嵐龍から帰還した三人全員って意味です」
「三人ですか」
「はい、残念ながら」
僕も澪標さんも何にも言わない。いくら分かりきってたとはいえ、実際に言われると気持ちは暗くなる。でも、敵を討つためには落ち込んでいる暇などない。それに、彼らは次の未来の為に戦ったのだ。奇しくも、次まで生きている僕は彼らの祈願をはらすべきだろう。しかし、その為には情報がいる。
「澪標さん、支部長を呼んでもらえますか?」
「あ、はい」
「その必要はないで」
いきなりの第三者の声。しかし、口調でその正体は分かった。
「来てくれたんですか、支部長?」
「わざわざ、病人を動かす気にはならへんわい」
そう苦笑し、近くの椅子に座った。
さっそく本題に入ろうと僕が口を開くよりも前に支部長は先に言った。
「玖凱くん、早速やが、君が気を失ってた一週間の話をさしてもらうで」
「ああ」
「まずは、水虎の討伐についてやが、これについてはよくやってくれた。水虎に関してはほとんど倒したといってかまわへんやろ。やけど、困ったことに何の因果か十大龍席の一つが現れた。しかも、第Ⅴ席。今まで出てきた型龍の中でも最強クラスといっても過言やないやろう。そんな中よう戦ってくれた。その上、生存者がいる。この上ない最善の結果や」
「へぇ、因みに、最高の結果は何なんです?」
「そりゃあ、型龍を倒すことやで、せやけど、わいかてそんな無茶はいわへんわ。水虎の時と違うて生存率がちゃうがな。虎と戦った後から龍倒せて、そんな冗談いうか。阿保らしい。せやから今は養生せえ。お前にはまだまだ働いて貰わなあかんねんから」
「幸い嵐龍はこの一週間何にも行動を行ってない。居場所に淡路島を選んでそこに引きこもってる。淡路島は無人島やし、そこからの被害は正直何の苦にもならん。化物にはバケモノをぶつけるのが常套手段や」
「というと?」
「救助要請や。いくら政府でもこの新首都大阪の近くにあるうちのエリアに出てきたんや。上も本腰を入れなあかんとわかるやろ。南と西には実際、十大龍席を倒したバケモンがおるんや、そいつらに任した方がええ。一応、バックアップで宴のやつも呼び戻したさかいに。今んところは大丈夫やと思ってとけ」
支部長のそんな言葉にため息をつく。自分がどこか悔しがってることに気付く。でも、何に? 僕は一体何に対して悔しがっているんだ? もしかして、僕自身で嵐龍を討てないことだよな。そうだよな、さっきあんなこといっておいて、自分より強いやつが嵐龍を倒してくれるって聞いて、安心なんかしない。むしろ、嫌だ。彼らの意志を継いだのは僕だ。せめて、嵐龍だけは自分自身で討ちたい。その為には、何が必要だ。それは、情報だ。糸定が最後に言った。ラブレーについてだ。なんでもいいから。支部長に聞こう。そう思い、声をかける前に、事態は動いた。
それを作ったのは、支部長が来てから、一言もしゃべらなかった澪標さんだ。
「あのー、すいません。梁山さんがいらっしゃてますけどぉ、どうすればいいですかぁ?」
「「梁山??」」
僕と支部長の声がかぶる。そして、僕の病室の前にいたのは、病院服を着た、梁山さんだった。
「ちょっといいですか、糸定のことと、これからのことで話があります」
そう、切り出した。梁山さんの話はこういうことだった。
「初めに言っておきます。私と糸定はある任務を受けて、この近畿領域(東エリア)にきました。その目的はあなた方にはお話はできません。そういう機密になっています。私はこの後、本来の任務に戻らなければなりません。主にも、これからのことを話さなければならないのです。ですが、その前にやっておかなければならないことがあったので、こちらによらせてもらいました」
「私は覚醒者ですけど、同時に、糸定もまた同じように覚醒者でした。私の能力をご存じのとおり『千里眼』です。そして、糸定の能力は『起源回帰』です。『起源回帰』は始まりに至る能力です。あの能力は無機物、有機物関係なしに起源を見ることができるます。ただし、何らかの条件があるみたいですけどね。私には最後まで明かしてくれませんでした」
「私がやらなければならないのは彼があなたに託した言葉を解くことです。それが終われば私は討伐者ではなく任務を遂行するものとなります。以上が私がここに来た理由です」
梁山さんの怒涛の告白に開いた口がふさがらなかった。どうやら、澪標さんもポカーンとしている。ただ、紘藤支部長だけはなんか納得した雰囲気を出していた。
「なるほど、梁山。君の言い分は分かった。では、糸定が玖凱に託した言葉について教えてもらえるか?」
いつの間にか、支部長モードに入った紘藤支部長がそういった。梁山さんはいきなり僕を見てきた。どうやら、僕が言えといってるみたいだった。それに従い、僕は支部長に対して言葉を放つ。
「支部長、糸定さんが僕に言ったのはラブレーの本を探せって、その劔の真実を知れ!って言ってました」
「なんだと!! ラブレーの本といったか?」
支部長の気迫に思わずすくむ。梁山さんもびっくりしている。澪標さんはおろおろしている。
「は、はい」
「ということは、まさか、いや、しかし、なんの因果だこれは、偶然の可能性も……、そんなわけがあるか、あまりにもおかしすぎる。運命があるわけでもあるまいし……」
支部長の突然の独り言についていけなくなったのは僕ら三人で、支部長は僕らのことなんか目に入らないような感じでブツブツ呟いている。正直いって気味が悪い。澪標さんなんてもう涙目になってる。そんな現状を切り裂いたのは、梁山さんの一言だった。
「支部長、悩むのは後にして、話してください。私たちには訳が分かりません。ついでに、ブツブツ呟くのは気味が悪いので止めていただけたら嬉しいです」
良くも悪くも正直な子である。そんな梁山さんの一言により、正常になった支部長が説明してくれた。
「実は、数か月前宴がある錆びれた武器を持ってきて、糸定に話をしていたんだ。その時にたまたま立ち会ってな。何をしているかを聞いたら、鑑定と、宴は言ったんだ。私がその意味を理解してないうちに彼女らは移動をし始めたんだ。私も気になり、同行すると図書館に彼女らは行き、そこで一冊の本を探しだして、机の上に置いた。その本の名が『ガルガンチュアとパンダクリュエルの物語』といわれたラブレー作の本だったんだ」
「何故、彼女らがそれを探していたのかは私には分からない。そして、二人はその本を読み、やがて納得したような表情をして、私にいったんだ。『これから面白いものが見れる』とそして、宴はその錆びた武器に対して、名前を、銘を付けた。パンダクリュエルからもじって、パンドグリュエルと、そうしたら錆びれていたはずの武器が輝きだした。私はたまらず、目を閉じてしまった。再び目を開けた時には錆びた武器など存在せず、パンドグリュエルと銘が刻まれた銃剣がそこにあったんだ」
「私は目を疑った。しかし、現実は変わらずそのままだった。そして、宴は私に対して、もう一つこのような武器が現れる。といった。そして、私は数か月後、見つけ出された錆びた劔を所持することになった。そして、玖凱にこの武器をあげ、副団長に糸定つけた。そうして、何の因果かラブレーの本ときた、これは、おそらく、否、必ずガルガンチュアに連なるものだ」
そんな支部長の言葉を聞いて思うのは、宴の特質である。討伐者の中でも奇人、変人で名が通っているとはいえ、数か月も前にそんなことをしていたなんて、何をやっているのだろうか。澪標さんは何故か納得した感じに、たいして、梁山さんは嫌な感じな表情を浮かべた。
「あの女ですか。私は彼女とそりが徹底的にあいませんでしたね。しかし、あの女がそうやって言ったのだから、おそらく、玖凱さんが持ってる劔はガルガンチュアに関連した名をつければいいということですね」
「宴さんはああ見えて頭は物凄くいいですからねぇ、玖凱さんが持ってる劔もお名前をつけてあげればぁ、武器が凄くなるんじゃないですかぁ?」
そういわれても、いきなり劔の名前決めになるとは思っていなかった。僕はびっくりする。しかし、どう名づければいいものか、おそらく少しだけもじる程度がいいだろう。宴が少ししか変えなかったことを考えて、チュア、リア、テア、ティア、ディア…………ティア? うん、ティアにしよう。
「決めたよ、この劔の名は『ガルガンティア』だ。ティアは英語で涙。連なる悲劇の涙を止めるために、こいつの銘はガルガンティアだ」
僕がそう言い切った時、錆びて輝きを失った劔が再び輝きだす。まるで、生まれ変わるように。再生をするように。銀色の輝きが看護室を満たす。目を見開いたときには、そこには神話に名を刻めるような立派な劔が存在した。思わず息を飲む。それはこの場にいる全員を同じような感覚に陥らせた。そんな空間を切り裂くように討伐者の一人が看護室に駆け込んでくる。
「支部長!!! 大変です。例の、例の。倒されたはずの水虎が再びあの現場に現れました!!!!!」
その言葉に支部長は驚きを隠しきれずに叫ぶ。
「なんだと!!?? バカな!? やつは倒されたはずだろう!? 何故」
「分かりません、しかし、重症をかなり負ってるようなので、おそらく、嵐龍が攻撃していた際にこっそり逃げたのではと思われます」
「くそ、どうする?」
「支部長、僕に行かせてください」
僕はそう支部長に言い切った。周りの人は唖然としている。
「宴が帰ってくるのに、まだ時間はかかります。それまで待ってはくれないでしょう。ならば、いまここで、決着をつけます。僕は水虎討伐作戦の隊長なんですから、それに、こいつを使ってみたいのもあります」
「…………必ず仕留めると、約束できるか」
「はい!」
「分かった。近畿領域(東エリア)最高責任者、支部長を務める紘藤が命じる。討伐者、玖凱 十三。ただいまから、水虎を討伐せよ!!!」
「任務、了解!!!」
あの後、まだ怪我してるのに、といって拗ねた澪標さんに怪我せず帰る。と約束してなんとか見逃してもらった。これで怪我をしたら説教どころじゃすまない。支部長も梁山さんもなぜか遠くで見てるだけだったし、梁山さんは荷物をまとめたら、すぐに任務を開始するといっていた。もしかしたら、彼女に会うのはあれが最後だったのかもしれない。支部長は頼んだぞといって、支部長室に戻っていった。任された以上、絶対に勝たなければいけない。そう思い、玖凱は水虎のいる場所へと駆けた。
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水虎はさまよっていた。己を侮辱した下等生物であるニンゲンを殺し尽くす為に。あの時、嵐龍が手をださなかったら、自分が負けていた。その事実が彼をひどく憤怒に走らせる。水虎が、この俺が、ニンゲン程度に負けを刻むだと、もはや、恥でしかない。生き恥をさらしている気分だ。常に強者であった彼が勝てないと思ったのは型龍だけ。それ以外には自分は不敗だった。そのことに誇りを持っていた。それが踏みにじられた気分だった。ウザ晴らしにニンゲンを殺さないとやってられなかった。
しかし、ニンゲンは一匹も見つからない。そのことは彼をひどく苛立たしくした。おちょくられている気分だ。胸糞が悪い。腹立たしい。忌々しい。ムカつく。そんな感情ばかりが彼の心を支配していた時、彼の前に一人のニンゲンが現れた。それを見つけた時、彼はひどく嬉しかった。ようやく、あの忌々しくて、腹立たしくて、ムカつくニンゲンを殺せる。そう思い、彼は魔法で仕留めるよりも、自信の手で葬りたいと感じて、ニンゲンに向かって走り、そののど元を噛み殺そうとした時、無残にも彼はこの世界から消えた。
~~~~~
目の前から水虎が走ってくる。おそらく僕を殺す為に。僕は劔を握り直し放った。
「喰らえよ、水虎! 穿って崩せ、十字狩り!!!」
思っいきり、振り下ろした。その一撃は、一閃と化し、水虎を殺した。おそらく、水虎は自分が殺されたという事実を知る前に死んだ。そんな一撃だった。
僕は声を上げる。
「見ているんだろ! 嵐龍!! 姿を現しやがれ!!!」
姿を現さないが、どこからか声が聞こえてきた。
「ほう? いつから我が貴様を見ていたと気付いた? 一応、気配などはキチンと消したのだが?」
「そんなんもん、簡単だ。水虎が出てきたら僕が出てくるのは分かっていただろう」
「いや、分からんかもしれんぞ?」
「あんたは、ニンゲンの意志を常に意識していた。彼らが命がけで逃した僕はお前からしたら至高の意志の塊。死んでいった勇気ある者の意志を継ぐなんてお前が好きそうな設定だろうが」
「いやはや、そのとおり。分かりやすいものだ。我というものも」
「別にわかりにくかったら悪いわけでもないだろう」
「むう? なんだ汝、我を慰めているのか」
「んなわけがないだろう。姿を現せよ。啖呵切ってやる」
「ほぉ、それはそれは面白い。だが、少々力試しをしよう」
「何?」
「見るところに汝。まだボロボロと見える。意志は十分だが、体がついてきてはいない。できるなら万全の状態で決着をつけたい。なんせ汝は素晴らしき意志を継いでいるからなぁ。しかし、それでは貴様も納得がいかんだろう。だから、私の影が一時的に貴様の相手をしよう。その影を捕まえたら貴様の言う通り勝負をしよう。しかし、捕まえきれなかったら諦めてもらう。距離は一キロの短期決戦だ。よーいどんの鬼ごっこだ。理解できたか?」
「分かった。約束は守れよ。嵐龍」
「無論、守る。我は約束を違えたことなど一度もない」
そうして、僕の前に灰色のグレーハウンド犬が現れた。
「これがお前の影か?」
「そうだが、なにか問題でもあるか?」
「いや、随分かわいらしい影だと思っただけさ」
「見た目で騙されるなよ、ニンゲン。こやつは我の影だ。なめてかかったら、負けるのは汝だ」
「上等!!! コインを投げて、地面についたらスタートだ。それでいいか」
「承知した」
そう、武骨な感じでグレーハウンド犬がしゃべった。
「って、お前しゃべれるのかよ」
「無論、私も彼のものに使える影。喋れるに決まっている。それよりも、早くしろニンゲン」
「分かったよ」
そういって、僕は空中にコインを放り投げ、武器を構えて、とらえる体制に入る。グレーハウンド犬はいつでも走り出せるような感じだ。そして、チャリーンという音と共に両者が行動を開始した。
補足、型龍は十体しかいない、故に十大龍席と呼ばれています。型龍と十大龍席ごちゃまぜになってるとおもうんで。どっちも同じです。ただ呼び名がカッコいいかの違いです。