馬は中指だけで歩いているのです。
『早く走りたいです。走りたいです。』
スマン。君まだ走れないんだ。
『………早く角が生えて来ないかな…。』
生えても君まだ子供だから殺傷能力ないよ。
『……早ク大人ナリタ~イ。』
※注意※
この小説は作者の雲猫の想像、妄想で出来ています。専門知識等はありません。
不愉快と思ったら戻って下さい。
誤字・脱字・物語の矛盾等あるかもしれませんが、御了承下さい。なお、誹謗中傷はお控え下さい。
ここまで読んでも”大丈夫”と言う方生暖かい目で見てくれると幸です。
どうも、あの後黒とすっかり打ち解けた私です。
どうやら黒の両親は黒を庇って「人間族」に捕まってしまったそうなのです。
なんでも私達種族を王族や貴族などが騎獣として所有する事は一種のステータスで、特に「黒い色は成功の証」とか何ともはた迷惑な理由。
元人間として申し訳ないです。
黒の両親は二人とも黒に近いグレーと紺色の毛色で、目がこれまた黒に見える暗い紫色と紺色で、間違えられますねこの色。
襲われた時間帯も暗い闇夜の中です。黒に見えます。
黒は”自分の周りに居ると酷い目にあわせてしまうのでは?”と、恐れていた様です。
「人間族」は私が知る人間とほぼ同じ。のはず。魔力云々が無ければ。
この世界には魔力とマナがあり、それぞれ精神エネルギーと生命エネルギーだと お母様が説明してくれました。
まるでファンタジーな世界です。私生きていけるでしょうか?
*******
さて。暗い話はこの位にしてずっと疑問だった事を聞いてみます。
『お母様、私達は何と言う種族なのですか?』
『我が子よ、父には聞いてくれないのか?』
『今回はお母様に聞きます。』
『瑠璃よ、娘が早過ぎる反抗期になってしまった。』
『あなた、落ち着いて。今回は、と言っているではありませんか。』
『……わかった。(汗)』
『(お母様を敵にまわしてはいけない。)』
『さてと。じゃあ、説明しましょうか。(笑)』
『はい。』
あれからやけに静かになったお父様を放置して、お母様の解説を聞いていました。
私達の種族は駿馬ともユニコーンとも呼ばれる一族です。
『(だから角があったのですか。)』
駿馬は主に「人間族」の大国だけが呼び、ユニコーンは他の種族と大国に属さない者達が呼ぶので、「もし駿馬と言ったら一目散に逃げなさい」
と釘を刺されました。
余談ですが、ユニコーンは私達とは全く違う種族で亜種でも無いのです。
皆さんは勘違いをしていますよ~。
『(人間族の大国は、とても広い国土と強い軍事力を持っていて、かなりすき放題の貴族が多いそうです。私達を捕まえるのは大半がこの国。黒の両親も……。)』
大体が「人間族」の騎獣にするために乱獲されて今ではこの群れと数えるほどの群れしか野生は居ないそうです。
恐ろしいです。「人間族」
この二つの名前は人が勝手に付けたので私達の名前では無いと主張します。
私達種族の名は“ヘイムグル“。
例え人々が違う名で呼ぼうとも、私はこの名を誇りとしています。
『(まだ私は心の底からは無理ですが。いつかは、自分の誇りにしたい。)』
私達にはとある古い言い伝えがある。“その脚はとても速く一日で国を越え“
“その英知で人の言葉を理解し“
“額の角は魔力を操り身を護り空をも翔ける“
“その耳は草木の声も聞き“
“その目は千里の彼方まで見え“
“未来さえ見通す“
“その心は慈悲と勇猛そして義“
“森の賢者“
“神獣“
そして、こうも言い伝えられている……。
“決して害する事なかれ“と…………
何ですか、この中二な内容は…。
確かに脚は速いです。でも、“一日で“一国を完走出来る訳ありませんよ。時速何キロですか…。
お母様曰く、普通の馬の3倍程度らしいです。
…普通の馬ってどの位の速さかイマイチ分かりませんよ。
でも、“空を飛ぶ“事は本当の様です。大人限定で。
『(角が生えるまで、お預けですか。早く飛んでみたい。)』
“人の言葉を理解している“のも何も私達だけでなく、殆どの動物や魔物は理解してます。人に対して警戒心が強いか、凶暴さか、或は人が気付いていないだけです。
“角が魔力の源“は確かだそうです。ただ角だけではなく、鬣、瞳、尻尾、毛皮、蹄、骨と体中全て、血の一滴まで桁外れの魔力があり、角は魔力を操る媒介なだけ。
お父様曰く、魔力で身を護る防壁を作る事は出来るが、身体が頑丈なので、余程の事でない限り、滅多に使わないらしい。
『(見た目によらず鋼の身体なのですか。)』
“草木の声“は微弱な精霊達の声。人にはあまり聴こえない様です。が、たまに聴こえる者もいるらしいです。勿論耳も良いですよ。
『(精霊の気まぐれですね。なるほど。)』
両親曰く、精霊の多くは人間(族)嫌い。昔の出来事が原因らしい…。
『(ますますファンタジーです。王道の、自然破壊でもしたのでしょうか?)』
“千里の彼方まで見える“も言い過ぎです。確かに目は良いです。でも千里の彼方は無理です。
“未来が…“も無理、出来ませんよ。そうですよね?
『いつか、わかりますよ。』
『うん。いつかわかる。』
『( ̄ω ̄)』
……だ、そうです。
“慈悲に勇猛、義“確かに凶暴な魔物より慈悲はありますけど、こちらに害が有るなら攻撃しますよ。自衛の為に。
仲間が危ない目にあえば助けに、額に生えた角で突進もします。お父様の角は、お母様象牙の様な角より頑丈で鋭いまるで鋼の槍。刺さったら一たまりも無い。
『(でも、基本尻に敷かれてるお父様。)』
……いざという時頼りに成ります…。
どうやら、私達ヘイムグルは恩を大事にするようです。
“大昔、人間族の若者に助けられた一族の一頭(何と黒です。真っ黒)が若者と共に戦った“
といわれ、その後“英雄の物語“が広まり、人間族が私達一族を馬の代わりにする事が人気とか。
『いい迷惑です。』
何も“英雄“の真似をしても英雄と同じになど成れませんよ。
若者と”真っ黒さん”は怨みはしませんけどね。
『(お父様もお母様も、あの黒だって怨んでいませんし。)』
私自身、何かされてもいないのに、怨んでも意味が無いですよ。
この群れの誰も怨んでいません。人間族全てを怨んでも仕方が無いと言っています。
でも怒っていない訳ではないのです。
また、黒の両親達をさらった者達が来たその時は………、
勿論…容赦しないでしょう………。
“森の賢者“、“神獣“は言い伝えの内容からついた呼び名ではないでしょうか?
最後の“決して害する事なかれ“は本気の私達が恐ろしいからなのでしょうか?
聞いても曖昧なんですよね…。
『……(ニコ)』
『……(汗)』
『(・ω・;)』
会話も無しですか。無言で笑っているお母様は少しだけ、怖かった…。
******
ただ今、黒や他の子馬達が走っているのを観察しています。
私が勝手に走らないようにお母様が見張っております。
『(お母様私いつになったら走り回れるのですか、走りたくてウズウズします。)』
『脚の関節がしっかりしたらね。』
『!!(今私声に出していましたか?)』
『(ニコニコ)』
…こほん、馬は全体重を身体に対して細い4本の脚で支えています。更に、各脚に中指一本で立っています。
今さらですが、私は所謂未熟児で産まれた様で関節がしっかりしていなく、永く走り続けられないので…
『(今だに走り回れ無いのです…。)』
自然界に未熟児で産まれて良く生きているよ私。ありがとうお母様、お父様。
ときに、お母様。
…黒の額にとても小さな角が生えているのですが…?
銀で思い浮かぶのは金さん、銀さんです、が。
友達に”銀さんだったらもっと、ほかもあるでしょ”とツッコミを入れられました雲猫です。
主人公の父親の名前を銀にしなかった理由は金さん銀さんのイメージが強すぎるからです。
後は漫画も言われてみれば…、いたね。
今回は昔話と人物(馬)紹介と補足も投稿しようと思います。
……こんな小説読んでくれる人いるのかな?