表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

第1章 「余白の目覚め」 第1話 ― いらないスキル ―

「君のスキルは……“だいたいOK”?」

審査官の声が、乾いた石壁に反響した。


世界名:《リフォルド(Refold)》

すべての存在は《真語典ルーメン・コード》に記された“定義”で保たれている。

言葉が崩れれば、現実も崩れる。

この世界では「スキル=存在証明」だった。


17歳の少年・ナオは、試験台の上で肩をすくめた。


「まあ……だいたい、OKっすね。」


笑って言ったその一言が、

試験官たちの筆を止めた。

スキルの評価欄には、

《価値なし/発動条件不明/戦闘適正:ゼロ》


そして――追放。


ナオは静かに建物を出た。

淡い光が差し込む街の路地裏。

そこでは、スキルを失った者たちが寄り添い、

“余白の街”と呼ばれる小さな共同体を作っていた。


「おかえり、ナオ。」


声の主は少女・シア。

言葉を発せない失語症の少女。

だが、ナオの“ひとこと”で、

彼女の世界は音を取り戻す。


その瞬間、

周囲の空気が淡く震えた。

“言葉”の定義がわずかに書き換わったのだ。


――スキル《だいたいOK》が、世界の安定構造を修正した。


だが本人は気づいていない。

それが、神格の片鱗であることを。


「……なんとかなるっしょ。だいたいOKや。」


少年の小さな呟きが、

この世界の「定義」を静かに揺らし始めていた。


そして、物語の外からそれを観測する“視線”がひとつ。

監視者=読者。

あなたの読みが、彼の存在定義を確定させる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ