1-4 ◆ 国民感謝の破壊像
完結まで見守っていただきありがとうございました。
活動報告の方でいただいたリクエストにお応えして
・アスレイ視点の第27期生同期会
・アスレイの妻メナー視点による回想
・ゼンとセレンディーナの邂逅
・クラウスの愉快な(?)エピソード
の4点を入れた一連の小話(全4話)です。
あ゛ぁ〜〜〜つっかれた。
もう無理。もう俺は何も考えられない。
今日は平日。魔導騎士団の方の出勤日。
……なんだけど、今日は午前中に俺が企画主任になっている合同研究のミーティングがあったから、午前中は研究所の方に出勤していた。
それで俺は、今だらだらと魔法研究所から魔導騎士団施設の方に徒歩で移動をしている真っ最中。
それにしても疲れた。本当に疲れた。
俺は週の始まりにしてすでに一週間分の脳の容量を使い果たした。
多分今週は俺、もう「おはようございます」と「お疲れ様でした」と、「はい」と「いいえ」と「もう無理です」しか言えない気がする。そのくらい脳に余力がない。
俺が何故こんなにも疲労困憊しているのかというと、それはひとえに研究所の所長のせいだ。
別に所長に虐められたとか怒られたとか詰められたとか、そういうわけじゃないんだけど……所長、あれ、本当にこう…………とにかくやばいんだよな。
◆◆◆◆◆◆
所長は「めっちゃいい人」だ。
とにかく温厚で、ひたすらに優しい。というか、あの人にはそもそも他人を攻撃するっていう発想がない。
ここまでよく悪い人に騙されたりせずに無事に生きてこれたなってくらいに、のほほんとした無害で平和な人だと思う。
……というか、もはや人間なのかな?「日向に咲いてるかわいいお花」みたいな生き物だと思う。そのくらいに一滴の濁りもない。
…………それで、魔法研究の超ド天才。
間違いなく所長は世界一の、百年に一人の逸材だと思う。
で、それで今日は何が起きたかっていうと、まあ別に珍しいことじゃないんだけど。
今日も今日とて、魔法研究所名物「合同研究ミーティングでの所長タイム」が発生したっていうだけだ。
俺は今日が初めての企画主任としての合同研究の進捗発表者だったから、それを初めて味わった。
これまでも、先輩たちが見事に今の俺みたいに干からびていく姿を見てきたし、実際に先週あたりからずっと「頑張れよユン。僕たちみたいになるなよ。」って先輩たちに激励のお言葉を貰い続けていたから覚悟はしてたつもりなんだけど……やっぱり回避はできなかった。
──「合同研究ミーティングでの所長タイム」。
進捗発表後の質疑応答時間に発生するイベントだ。
まあ、要は所長に研究内容について質問をされるだけ。
「ユンくん。さっき言っていたこの部分についてなんだが、これはどういった意図なのか、もう少し詳しく話してくれんかね?」
って感じで掘り下げられるだけ。
所長は人格者だから、わざと嫌味を言ってきたり、若手の研究者をいびったり、格上っぷりをひけらかしながら質問責めしてくる……なんてことはしない。
だから「所長の玄人質問に答えられなくなって心が折れる」とか、そういうことは別に起きない。
でも、純粋にただただ俺たちの脳の限界を超えてくる。
所長の「もう少し詳しく話してくれんかね?」に発表者が頑張って答える。ここまではまだいい。
すると所長は「なるほど。そういうことか。」と秒で理解して頷いてくれる。
そしてそこから「それならば、こういう風にしてみるとより良くなると思うんだが、どう思うかね?」と、秒で改善策ないし解決策ないし応用案を提示してくる。
……そこからはもう発表者の出番はない。
所長はひたすらフィーバータイムに突入する。
所長はニコニコしながら「ああ、そう考えれば、そこはこういう風にも書き換えられるんじゃないのかね?……そうすると、こちらはこういう形にして、あちらには例のアレを組み込んで、それを使えばついでにこんな魔力回路ができるようになって……ああ、ちなみにその魔法式は(以下リスニングテスト)」みたいに、発表者の返事を待たずに普段の倍速で延々と一人で喋り始める。
発表者はつらつらとノンストップで語られていく宝の山を聞き逃さずに書き取るだけの速記者になる。
でも聞き取りきれないし書き取りきれない。
百年に一人の逸材である所長の頭の回転は、俺たち一般研究員の百倍速。だからたまに所長自身も、口の方が追いついていなくて喋りきれなくなっている。
それを何とか発表者は必死に聞いてできる限りメモに残すんだけど……ただ書けばいいってもんじゃない。言っていることを完全に理解はできなくても、ある程度把握しながら聞いていかないと、本当に「目が滑る」ならぬ「耳が滑る」現象が起きて何も聞き取れなくなってしまう。
だから、必死に手を動かしながら一般研究員なりに脳をフル回転させ続けて、何とか聞き取れる程度についていき続ける必要がある。
……そうして最後に、手が砕け散って脳が沸騰して発表者が儚く霧散していったところで、所長は何の悪気もない純粋な笑顔で
「──とまあ、ワシが思ったのはこのくらいだ。よければ参考にしてみてくれ。……次のミーティングが楽しみだ。君ならばきっといい研究ができる。頑張ってくれ。」
という重すぎる純粋な応援のお言葉とともにトドメを刺してくれる。
一般研究員の能力を純粋に十倍くらい見誤って、十倍くらいの期待をかけてくれる。
所長は百倍の能力の持ち主だから、多分、一倍から十倍くらいの違いは誤差の範囲で分からないんだろうな。
──これが「所長タイム」だ。
……この所長タイムだけで、それなりの論文は3本書けると思う。
毎回合同研究のミーティングでこの現象が発生するから、俺が就職したときにはもう先輩たちの中で対策法が存在していた。
発表者はとりあえずできる限り頑張る。
それで、残りの合同研究者たちも順番に5分ごとにローテーションでメモを担当し、全員で所長のありがたいお言葉を書き取り続ける。
そうしてミーティング後に、発表者と合同研究者の部分ごとのメモたちを持ち寄って、みんなでうんうん唸りながら何とか一つの形にまとめる。
これが唯一の対策法。
でも、たまに全員ついていけなくなる部分も発生するし、そもそもメモが繋がって完成したところでそれを理解しきれるかっていうと誰も理解しきれなかったりする。
でもでも、絶対に理解しないといけない。そうしないと最善の研究結果を単に見逃すことになってしまうから。
だからそこからは「所長タイムの内容を理解して研究に反映させる」っていう、また次の楽しい苦悩の時間の幕開けだったりする。
その話を初めて先輩たちから聞いたとき、就職1年目の新人だった俺は素直に
「え?もし聞き取りきれなかったら、聞き直したり、後で所長に質問しに行けばいいんじゃないですか?」
と首を傾げた。
そうしたら先輩たちが必死に「それはやめた方がいい」と何も知らない俺を救うために力説してきた。
そうやって聞き直したり改めて質問したりすると、所長は「ああ、すまないすまない。聞き取りづらかったか。そこはだな──」と説明をまたペラペラ開始して、そのまま「……ん?そう考えると、ここはこうしてみても面白いんじゃないか?」とそこでまた何かを閃いて、さらに倍の世界が広がってしまって俺たちの手には負えなくなってしまうらしい。
所長の意見は宝の山とはいえ、さすがに手に負えないほどの莫大な情報を得てしまうと、それはそれで扱いきれなくなって逆に宝すべてを腐らせることになってしまう。
だから、所長本人でもない俺たちは、自分たちの限界ギリギリの所長のアドバイスだけをもらって、なんとか頑張っていくのが一番バランスがいい……だそうだ。
ついでに教えてもらったけど、所長にはっきりと「聞き取れません!ついていけません!やめてください!」と言ってしまうのは最悪手らしい。
一度勇気を出してある先輩が「ごめんなさい、僕はもう限界です。加減をしながら喋ってください。」と訴えたことがあるらしい。
そのとき所長は、純粋にショックを受けて物凄くビクついて、「すっ、すまない……!悪気はなかったんだ!許してくれ……!」としょんぼりしてしまい、それから約半年、何かに怯えてミーティング中、何も喋ってくれなくなってしまったそうだ。
見ていて心が痛んだし、何よりあの半年間は魔法界の損失の期間だった……と、先輩たちは語ってくれた。
ちなみにその訴えた先輩本人も心を痛めてしょんぼりしてしまって、二重に大変だったらしい。「そいつの前ではこの件は禁句だからな」と釘を刺された。
話を聞いているだけで俺の心も痛んだ。俺は当時その場にいなかったから何も関係ないはずなのに「なんか二人ともごめんなさい」と思った。
先輩たちが長年かけて導き出して築いてきた対策法の裏には、こういう事情があるらしい。
とまあ、こんな感じで俺も今日、無事に就職2年目の若手研究員として合同研究の進捗発表者デビューをして、例の「所長タイム」を終えてきたわけだ。
…………疲れた。
本っ当〜〜〜に疲れた。
俺、こんな状態で午後の魔導騎士団の訓練、ちゃんとできるかな?
そう思いながら、俺はだらだら歩いて魔導騎士団施設の方に到着した。
◆◆◆◆◆◆
………………誰もいないんだけど。
俺はいつも通りに演習場に行ったけど、そこには誰もいなかった。
昼の12時50分。あと10分で午後の訓練開始時間。
普段だったらそれなりに団員たちも集まってきている時間なのに。
……おかしいな?集合場所が違うのかな?
俺は首を傾げて記憶を辿ったけど、特に何か特別な連絡は事前にはなかったように思ったから、とりあえずそのまま時間まで待機してみることにした。
たまにあるんだよなー、こういうこと。
今までの経験からすると、一番多いのは「午前の訓練が長引いて、昼休憩が30分ほどズレ込んでいる」かな。
午後の訓練開始時間が1時半に変わっているやつ。
それならば団員がまだ一人も見当たらなくても問題ない。
ただ、俺としては異様に不安になるからちょっと嫌なんだよな。
兼任者の宿命とはいえ、こういうときにボッチの辛さを実感する。
そうして俺がボッチの孤独を噛み締めていると、騎士団の事務方の人たちが、布に包まれた大きな何かを総出でえっちらおっちら慎重に運んでくるのが見えた。
「あ、お疲れ様です!手伝いますよ!」
孤独だった俺は、事務方の人たちの元に駆け寄った。
皆さんは重そうに顔を歪めながらも笑顔で「ありがとうございます。お疲れ様です。」と言ってきた。
それで俺は、その謎の何かの運搬を手伝った。
「──うわ、重っ!……すみません。これ、何ですか?」
手伝いながら俺は質問した。
すると俺の隣にいた事務員さんが息をゼーゼー言わせながら「まっ……魔導騎士団の幹部の皆様のっ、銅像です!!」と返してきた。
…………何だそれ?
俺は疑問に思ったけど、運搬中に話しかけるのは迷惑だと思ったから、とりあえず無言で7つの荷物を運ぶのを手伝った。
第1演習場に、いい感じに距離をとって等間隔に並べて立てた、謎荷物。
布を外すと、そこには事務員さんが言っていた通りの7人の魔導騎士団幹部の等身大の銅像があった。
団長、副団長、5人の各部隊長の銅像。
本当に顔が本物そっくりの、よくできた偉人像みたいだった。……みんなまだ元気に生きてるんだけどな。
「あのー……すみません。これ、何ですか?」
俺は現物を見た上で改めて質問をした。
言いながらさっきと全く同じ質問文になっていたことに気が付いたけど、俺の質問を受けた事務員さんは、俺の意図をちゃんと汲んでくれた。
「これは『第1回 魔導騎士団主催 国民感謝バザー』の記念品として、有志のご令嬢方に贈呈していただいたものです。
是非、魔導騎士団の皆様に直接お渡ししたい──とのことだったので、この後お越しになられますよ。
午後の訓練開始の際に、ラルダ団長からも全体にご説明があると思います。」
と教えてくれた。
「え?でも、バザーって一昨日やったばっかりですよね?
そんなにすぐに、こんな銅像作れます?」
俺は当然の疑問を口にした。すると事務員さんは「ははっ」と笑って答えてくれた。
「もともと有志で、特に何かのイベントに合わせるわけではなく制作されていたようです。完成後の公開訓練の際に贈ってくださるおつもりだったらしいですよ。
ただ、今回こうしてバザーが開催されたので『ちょうどいい』とこのタイミングで贈呈してくださった……ということです。」
「ああ〜、なるほど。そういうことですか。」
俺は納得して頷いて「お手伝いありがとうございました!」と言って去っていく事務方の人たちを見送った。
…………ふーん。なるほど。
………………よくできてるなぁー。全員そっくり。
……………………現金を寄付してくれるので、充分だと思うんだけど。
ってか、失礼だけど、そっちの方が使い道があるんじゃない?
制作に掛かった費用をそのまま現金でくれた方が、助かるような気がする。……お気持ちはありがたいから、こんなこと言っちゃいけないんだけど。
俺の感覚がおかしいのかな?
事務員さんは「有志のご令嬢方」って言ってたから、貴族のご令嬢文化がそういうもんなのかも。婚約者に宛てた刺繍入りのリボンとかネクタイとかハンカチとか、ああいうの。
あれと一緒で、現金を渡すっていうのが、何か奥ゆかしくないとかセンスないとか、そういう感じになっちゃうのかも。知らないけど。
……まあよく分かんないけど、とりあえずセレンディーナ様がサプライズで俺の銅像作ってくるような人じゃなくて良かった。
雰囲気が派手だから勘違いされがちだけど、セレンディーナ様は意外とそういうことはしてこない。「買ってあげましょうか?」の規模と額がでか過ぎて驚くことはよくあるけど。それはサプライズプレゼントってわけじゃないし。その場で断ればいいだけだから問題ない。
俺は今までに一回だけセレンディーナ様に婚約の記念(とパーティー欠席のお詫び)としてプレゼントをあげたことがあるけど、それに対しても結局しばらく経ってから「お返しは何がいい?」って俺に聞いてきてくれたし。
多分、俺のことをいろいろ考えた上で、本人に直接聞くのが一番いいって最終的に思ってくれたんだろうな。正解です、セレンディーナ様。その方が全然ありがたいです。ありがとうございます。
俺は個人的には、銅像をいきなり贈られるよりは直接確認してもらって普通に欲しいものをもらえた方が嬉しい派。
ちなみに俺は「セレンディーナ様は事前にアンケートとか野暮なことされたくない人かなー」と思って、俺なりに考えて内緒で婚約記念のプレゼントを用意した。
……ん?俺、今、秒で矛盾した?
…………まあいいや。自分向けと他人向けって、また感覚違うもんな。
ダメだ。やっぱり俺、今日は頭がもう回ってないかもしれない。
◆◆◆◆◆◆
そんな感じで、演習場で並べられた銅像たちをボーッと一人で眺めていたら、クラウス隊長が一人で颯爽と現れた。
「……あれ?ユンだけ?」
「あ、クラウス隊長!お疲れ様です!」
ボッチじゃなくなった俺は、元気にクラウス隊長に挨拶をした。
「他のみんなはいないの?もう午後の訓練開始時間なのに。」
クラウス隊長がこっちにきて首を傾げる。
俺はそこで、もうすでに使い物にならなくなっている頭を何とか働かせて、この状況を把握した。
「……あ、俺は今日、午前中は研究所の方に出勤していたので、騎士団の方にはさっき来たばかりなんです。
もしかして、今日はクラウス隊長も午後からの出勤だったんですか?」
クラウス隊長の口振りからすると、クラウス隊長も俺と同じように困惑してるっぽい。
ってことは、午前休みでも取ってたのかな?
するとクラウス隊長は頷いて
「うん。今日は午前中に家の方で用事があってね。半日休暇を取ってたんだ。
……慣れない話し合いして疲れちゃった。もう僕、頭があんまり回ってないんだよね。今。」
と、俺と似たようなことを言ってきた。
ふーん。クラウス隊長もそういうことあるんだ。
俺が呑気にそんな感想を抱いていた次の瞬間、俺は信じられない事件を目の当たりにした。
クラウス隊長はのんびりと一息つきながら、ちょうど近くにあったクラウス隊長の銅像をゆるっと眺めて「へーえ」と一言だけ感嘆の声を上げて──……唐突に
「──ふんっ!!!」
という気合いを入れる声とともに、いきなり背負っていた大剣を豪快に横に薙いで──
──……目の前のクラウス隊長像を、凄まじい金属音とともに上下に真っ二つにぶった斬った。
◆◆◆◆◆◆
──……ズシィーン……。
クラウス隊長像の上半身が、重々しい音とともに地面に落ちた。
俺と事務方の皆さんで苦労して運び込んだクラウス隊長像は、まるで人体切断マジックの失敗例みたいな……そんな悲しい姿になってしまっていた。
「…………………………………………エッ???」
俺の脳みそが、眼前の光景の受け入れを拒否する。
「………………エッ??????」
俺は「エッ?」って鳴くだけの棒立ちの生き物に成り下がった。
エッ?……クラウス隊長、何してんの???
「……うん!剣の調子はいい感じだね。
午後から気持ちを切り替えて頑張ろうかな!」
爽やかにそう言って大剣を背中に担ぎ直す隊長。
「…………エッ?
……………………いっ、いやいやいやいや。」
俺はしばらく固まった後、何度も首を振った。
「いやいや、ダメな感じですって。いやいやいやいや……」
俺の脳みそは、まだ眼前の光景を処理するには情報が足りないと言っていた。
クラウス隊長、何してんの??????
「え?ダメ?」
クラウス隊長が首を傾げる。
俺は何とか最低限脳を働かせて、何とか意味のある言葉を発した。
「これ、有志のご令嬢方からの魔導騎士団への贈呈品の銅像ですよ?
何で斬ったんですか???」
俺の必死の質問を聞いたクラウス隊長は、びっくりしたように目を丸くして
「えっ?!そうなの!?
訓練用の人型かと思って、勘違いしちゃった!」
と、意味不明なことを言い出した。
「…………いっ、いやいやいやいや!何ですかそれ?!そんなわけないでしょ!!どう見たって銅像ですよ!!」
俺は叫んだ。俺の脳みそはもう限界を超えていた。
情報が増えた結果、さらに眼前の光景を処理することができなくなっていた。
「うん。でも訓練場に置いてあるし、僕の顔をしてたから『これが第3部隊用の新しい人型かなー』って。」
「何でそうなるんですか?!?!」
「……たしかに。落ち着いて考えたら、おかしいよね。
やっぱり僕、今日は疲れて頭が回ってないのかな?」
「だからっていきなり目の前の自分の顔した銅像は斬らないでしょ!?!?」
俺がクラウス隊長に向かって敬語も忘れて動揺の叫びを上げていると、本日3人目の団員が演習場に姿を現した。
いつも休憩時間はクラウス隊長と一緒にいる、実は寂しがり屋のウサギみたいな性格の兄ちゃんだった。
兄ちゃん、クラウス隊長を探して演習場に来たのかな?
「あー……おい、ユン!クラウス!
お前ら今日、午後訓練1時半からに変更になって──…………は???」
入り口の方から歩いてきた兄ちゃんは、雑にそこにいた俺たちに時間変更を教えてくれながら歩いてきて──途中で銅像が目に入ったらしく、その歩みを止めた。
「っ、兄ちゃん!!!」
俺は何故か助けを求めて叫んだ。
すると兄ちゃんは、そのまま回れ右をして演習場の入り口の方に戻り始めた。
「──っ、兄ちゃん!!逃げないで!!助けて!!!」
俺は即座に脚に強化魔法を掛けて一気に兄ちゃんのもとへ駆けていって、兄ちゃんが逃げる前にその片足にしがみついて捕まえた。
「ふざけんな!ユン!離せ!!俺を巻き込もうとしてんじゃねえよ!!」
兄ちゃんが逃げようとして俺に向かって吠える。
「違う!兄ちゃん!!俺は何もやってない!!」
「んなこと分かってんだよ!!どうせクラウスだろ!!」
「じゃあ何で逃げるの!!?」
「知らねえけどやべえからに決まってんだろ!!」
「やっぱやばいよねコレ!?どうすればいいの俺!!?兄ちゃん助けて!!」
「知らねえよ!!テメェとクラウスで何とかしろよ!!」
「俺は何もやってない!!!」
俺と兄ちゃんが二人して混乱しながら謎の言い合いをしていると、また入り口の方から均質なお手本のような足音が聞こえてきて、本日4人目の団員が演習場に姿を現した。
「ゼン、ユン。一体そこで何を揉めている。
先ほどこの演習場に、有志の方々からの贈呈品が運び込まれたはずだ。二人で暴れて傷などつけたりしないよう、くれぐれも──……」
恐らく事務方から搬入完了の報告を受けて、銅像を確認しにきたのであろうラルダさんだった。
ラルダさんはそう言いながらこっちに向かって歩いてきて──途中で向こうにいるクラウス隊長とその横にいる銅像が目に入ったらしく、その歩みを止めた。
そしてラルダさんは、そのまま回れ右をして演習場の入り口の方に戻り始めようとした。
「──っ、ラルダ!!逃げんな!!」
俺に片足を掴まれたままの兄ちゃんが、何とか手を伸ばしてラルダさんの片手首を掴んだ。
「ゼン!離してくれ!私は逃げるわけではない!!」
「俺らのこと置いてくんじゃねえよ!!」
「ラルダさん!助けてください!!」
「というか何なのだ!アレは!!一体どういうことだ!!」
「俺だって知らねえよ!!ユンとクラウスに聞けよ!!」
「俺は何もやってません!!俺は無実です!!!」
俺と兄ちゃんとラルダさんが三人で混乱しながら謎のやり取りをしているところに、クラウス隊長がやってきた。
「ごめん、ラルダ。
さっき演習場に来たんだけど、置いてあった銅像を訓練用の人型と間違えて斬っちゃったんだ。」
「「………………?」」
クラウス隊長の素直な謝罪に、兄ちゃんとラルダさんが一緒になって固まった。
二人とも脳の処理が追いついていないらしかった。
「……何故そうなる?」
なんとか脳を起動させたラルダさんが、もっともな疑問を呟いた。
「うん。ごめん、ラルダ。……何だか僕、今日は疲れちゃっててあんまり頭が回ってなかったみたい。」
「……そういう次元の問題じゃねえだろ。」
続いて脳を起動させた兄ちゃんが、もっともな感想を呟いた。
でも、未だに理解できていない俺と違って、クラウス隊長と付き合いの長い兄ちゃんとラルダさんは、少し時間は掛かったものの、ちゃんと状況を飲み込んだようだった。
「……起きてしまったことは仕方がないな。今はとりあえず、何とかするしかない。
有志の方々が直接魔導騎士団の皆にこれらを贈呈したいとおっしゃっていてな、もうこの後すぐにこちらにいらっしゃる予定なのだ。」
「絶望的な状況じゃねえか。」
「だが、何とかするしかないだろう。」
「何とかするって、どうすんだよ。コレ。」
ラルダさんは溜め息をついて、俺たちに向かってこう言った。
「午後の訓練開始の1時半までに、どうすべきかを考えるしかないな。
私は今から有志の方々を出迎える。何とか演習場に直接ご案内をする前に、一旦会議室にでも通して茶の一杯でも振る舞って時間を稼ぐとしよう。
……その間に、三人も何か案を考えておいてくれ。」
「何で俺もなんだよ!俺は関係ねえよ!!」
「俺もです!俺も関係ありません!!」
「テメェは現場にいたんだろうが!」
「でも俺何もやってないもん!」
俺と兄ちゃんは、口々に不満の声を上げた。
でもラルダさんは「時間がないのだ。仕方がないだろう。知恵を出し合うのなら一人でも多い方が良いに決まっている。」と、バッサリ俺たちの不満を切り捨てた。
◆◆◆◆◆◆
ラルダさんに無茶振りの丸投げをされて演習場に残された俺たちは、とりあえず並んだ7体の銅像を揃って無言で見つめていた。
綺麗に等間隔で並んだ、魔導騎士団幹部の銅像たち。
凛々しく勇ましい個性豊かな銅像たちの中で、右から3番目にあるクラウス隊長の銅像だけが、胴のところで真っ二つになって上半身が地面に落ちていた。
………………うん。
…………なんかアレだな。
なんかこれ、中等部の頃に読んだ推理小説みたい。
名探偵がとある古い館に謎の招待状により招待される。するとその館の大広間には、名探偵を含む13人の招待客たちの人形が並べて置かれていた。
それで、その人形が毎晩一体ずつ、犯人によって壊されていく。
そして翌日、その壊された人形と同じように、招待客は犯人によって次々に殺されていくんだ。
人形がナイフで切り刻まれた人は、次の日にナイフで切り刻まれて死んでいた。
人形の首が吊られた人は、次の日に首を吊って死んでいた。
人形が燃やされて焦げてた人は、次の日に焼死体になって見つかった。
それで、ついに名探偵の人形が見るも無惨に壊されて──……みたいな、そういうやつ。
けっこう面白かったから覚えている。犯人はその作品でシリーズ初登場した、名探偵の新しい助手の男の子だった。
怖すぎるでしょ。
……なんか今の光景、それみたい。
その理屈でいくと、この銅像みたいに、クラウス隊長は胴のところをスパッと真っ二つに切られて殺される。
ちなみに犯人はクラウス隊長本人で、凶器は隊長愛用の大剣です。
…………狂気すぎるでしょ。
まだ「犯人は新しい部隊員のこの俺です。」の方が話として成り立っている気がする。
俺は目の前の光景が理解できなくて、そんな感じで現実逃避をしていた。
「で、どうすんだよコレ。」
兄ちゃんが無言時間の果てに口を開いた。
「うーん。直せるかな?今から。
切り口を火属性魔法で溶かして、上半身を乗せてすぐにまた冷却させれば何とかなったりしない?」
クラウス隊長がそう提案する。
でも、魔導器具をたまにいじって改造したりする俺にはその案の難しさが分かった。
「……多分、厳しいと思います。
銅って熱伝導率が高いんで。この銅像の青銅も素人が溶接しようとするとやばいことになりますよ。少なくとも俺にはできません。
魔法で溶かしたり冷やしたりしたら、すぐにドロドロになったり割れたりしちゃうと思います。」
それを聞いた兄ちゃんが「ユンがダメっつーなら、騎士団内でできるやつは多分いねえだろうな。」と溜め息をついた。
「そっかー。……ユンは何かいい案あるかな?」
クラウス隊長が俺に振ってきた。
俺は無理矢理頭を回転させて、何とか一つの案を捻り出した。
「うーん、そうですね……。
いっそもう、下半身部分を片付けちゃって、クラウス隊長の像は『胸像』ってことにする……とか?」
俺が頑張って考えた案。
幸い綺麗に上下に別れたことだし、胸像自体は別に不自然なものでもないし。
……これなら何とか、誤魔化せたりしないかな?
俺の案を聞いたクラウス隊長は頷いて「なるほど。じゃあ一旦、そういう感じで置いてみようか。」と言って、下半身部分をどかして上半身部分のクラウス隊長像を起き上がらせて並べ直した。
そして俺たちは、少し距離を取って並んだ銅像たちを見渡した。
──…………圧倒的違和感。
綺麗に等間隔で並んだ、魔導騎士団幹部の銅像たち。
凛々しく勇ましい個性豊かな銅像たちの中で、右から3番目にあるクラウス隊長の銅像だけが、他の像の半分以下の高さでちょこんと胸像になっていた。
「──ブフーッ!!!!」
兄ちゃんが突然吹き出して目に涙を浮かべて腹を押さえながらゲラゲラ笑い出した。
多分、このシュールな光景に耐えられなくなったんだろうな。兄ちゃん、こういうのに弱いから。
「ヒーッ!!クッソ!!やばすぎんだろ!!!ユンお前まじで天才だな!!!これでいくね?!?!」
兄ちゃんが爆笑しながら俺を馬鹿にしつつ褒めてきた。
「もー!兄ちゃん!笑ってる場合じゃないって!!一緒に真面目に考えてよ!!」
俺は文句を言ったけど、兄ちゃんは地面に転がって腹を抱えて涙を流しながら爆笑していた。
もはや俺の声を耳に入れる余裕はないみたいだった。
転がりながらゲラゲラ爆笑する兄ちゃんを無視して、クラウス隊長は諦めたように溜め息をついた。
「……はぁ。
やっぱり、ラルダとご令嬢方のところに行って、僕が素直に謝るしかなさそうだね。
あとはまあ、ついでに何とかいい感じになるように提案してみるよ。」
「……え?『何とかいい感じになるように』って、何か思いついたんですか?」
俺が首を傾げると、クラウス隊長は苦笑しながら「うーん、とりあえず僕のはもう壊しちゃったし。他の像も壊していいか訊いてみるよ。」と返して、そのまま「じゃあ、悪いけどユン。ゼンのことよろしくね。」と言い残して会議室に向かって歩いて行ってしまった。
…………?
……………………どういうこと???
俺はクラウス隊長の発言の意味が理解できなくて、首を傾げたままクラウス隊長を見送った。
ツボに入っちゃって立て直せなくなったらしい兄ちゃんを足元に転がらせつつ俺が呆然としていると、しばらくして他の団員たちが演習場にやってきた。
「あー、お疲れユンー──……って、は?!?!何これ?!?!」
「……バザーの記念品として、有志のご令嬢方に贈呈していただいた銅像です。」
俺は感情を捨てて淡々と答えた。
「っつか、何でクラウス隊長のだけ胸像なの?!?!」
「──ッ、ヒーーーッ!!!!」
ツッコミが入る度に兄ちゃんは立て直しに失敗してまた爆笑モードに戻っていった。
「……クラウス隊長が訓練用の人型と間違えて斬っちゃいました。」
「は?!意味わかんないんだけど!?!?」
「すみません。俺もよく分かりません。」
俺はそうして、シュールなクラウス隊長の胸像とゲラゲラ笑い続ける兄ちゃんの横で、午後の訓練開始時間になるまで約15分間、次々に来る団員たちに淡々と同じ説明を繰り返し続けた。
◆◆◆◆◆◆
「午後の訓練を開始する前に、まずは『贈呈式』を執り行う。
──皆様、どうぞこちらへお越しください。」
時刻は午後1時半。
謎の銅像を前に困惑しながら整列している団員たちに向かって、ラルダさんが高らかに「贈呈式」開始の宣言をした。そして有志のご令嬢方を前に招く。
ご令嬢方は笑顔のクラウス隊長に引き連れられて、俺たちの右手前の方へとそわそわしながらやって来た。
そのご令嬢方は、前の方に来て、胸像になっているクラウス隊長の像を見て──……ショックを受けるどころか頬を赤く染めて「キャーッ!」と控えめな声でこそこそと喜び合っていた。
…………エッ?なんで???
自分たちが贈った像が壊されてるんだけど。どういうこと???
俺が疑問に思っていると、ラルダさんが凛々しい顔のまま話し始めた。
「こちらにいらした有志の皆様のご厚意により、本日、ここに並べられている銅像が魔導騎士団に迎えられた。」
…………一体、胸像になってますけどね。
俺は心の中で呟いた。
「有志の皆様のご希望により、これから私とドルグス、各部隊長による『記念像完成パフォーマンス』を行う。
──ドルグス、各部隊長、こちらへ並べ。」
……何だそれ???
俺だけでなく、全員が頭に疑問符を浮かべていたと思う。
多分、ラルダさんから幹部陣に連絡する暇もなかったんだろう。ドルグス副団長と部隊長たちも完全に戸惑いの表情を浮かべながら、呼ばれるがままに銅像の前に並んだ。
でも、ラルダさんはそんな団員たちを気にすることなく、仰々しくそのパフォーマンスの概要を言い切った。
「今からこちらのクラウス第3部隊長の銅像の例のように、我々も各銅像に攻撃を入れていく。
判別がつくよう顔面は避けつつ、全力の一撃を入れろ。
──我らの日々の研鑽の成果を有志の皆様方にお見せし、この銅像に『命を懸けて国民を守る、魔導騎士団の強き意志』を刻み込め。
それを以て、この記念像は『完成』となる。」
………………あ〜。そういうこと。
俺は今、理解した。
クラウス隊長が言っていた「他の像も壊していいか訊いてみるよ。」って、こういうことだったんだ。
他の幹部たちもそれぞれ一撃入れていって、それで全部を個性的な像にしちゃおう……ってことか。
うんうん。それならクラウス隊長の銅像も浮かなくなるもんな。
……………………いや、何だそれ???
俺は今、理解したつもりになっていたけど、やっぱり考えてみたら全然まったく理解できなかった。
っていうか、それでご令嬢方は納得しちゃったの?
本当にそれでいいんですか??
時間とお金をたくさんかけたであろう、こんなによくできた銅像なのに???
俺は再び混乱していたけど、ラルダさんは颯爽と移動して、美しい立ち姿で自分の銅像と向き合った。そして、堂々と
「では、まず団長である私からいくぞ。」
と言って、スッと愛用の黒剣に手を掛け、剣を抜く構えを取った。
ご令嬢方が格好いいラルダさんの構える姿に色めき立つ。
ラルダさんはフッと静かに息を吐いて、ピンと張り詰めた緊張感の中で集中力を一気に高め──
──そして、常人には見えないであろう高速の一突きで、鮮やかに銅像の心臓部に黒剣を貫通させた。
銅の硬さを一切感じさせない、一瞬の出来事だった。
「「「「キャーーーッ!!!」」」」
ご令嬢方が歓喜の悲鳴を上げながら全力で拍手していた。
自分たちの贈った像に向けた格好いいラルダさんの全力のパフォーマンスが見れて、興奮し過ぎて昇天しかけているようだった。
中には「ラルダさん最推し」なのか、嬉しさのあまり号泣して崩れ落ちているご令嬢もいた。
……うん。なんかもう「わたくしの人生に一片の悔いなし」って感じの泣き方してる。……大丈夫かな?あの人。
ラルダさんの完璧で見事な一撃を見て、それまで困惑していたドルグス副団長と4人の部隊長たちも、自分たちのやるべきことをようやく理解したようだった。
困惑の表情を消して、それぞれが真剣な表情に切り替わる。
──魔導騎士団幹部としての、意地とプライド。
自身と部隊の誇りを背負って、それぞれが自分の顔をした銅像に向き合い、揃って気合いを入れていた。
◆◆◆◆◆◆
こうして、記念品を贈呈してくださった有志のご令嬢御一行の了承のもと、魔導騎士団幹部の銅像はそれぞれ個性的な形で破壊された。
──見事に並んだ7つの破壊像。
ラルダ団長の銅像は、闇属性を乗せた黒剣の一突きで心臓に鋭い穴を開けられて、その部分が漆黒に染まっていた。
ドルグス副団長の銅像は、左肩から大斧で深く斬りつけられて、続けて右肩から棍棒で叩き潰されていた。
ベイン第1部隊長の銅像は、左脇腹から思いっきり大槌で殴られて、豪快に砕かれていた。
……そんな感じで、みんな見事に銅像を仕留めていた。
本当、こうして並んだ7つの破壊像を見てると、あの推理小説を思い出すな。
ちなみに犯人はそれぞれ本人で、凶器はそれぞれの愛用武器です。
…………一周回って話としては意外性があって面白いかもしれない。
連続殺人に見せかけた、連続集団自殺。
………………いや何これ。この団体やばすぎるでしょ。
でも、ドン引きしている俺と違って、幹部たちの一撃を間近で見れたご令嬢方は全員歓喜を通り越して感涙していた。
まるで自分たちが用意した土台に、師匠に最後の一筆を入れてもらったような……そんな「世界最高の芸術作品完成の場に立ち会った芸術家の卵」みたいだった。
……………………うん。
……うん、まあ、ご本人たちが納得してるなら、それでいいや。
良かった良かった。
普段だったらもうちょっといろんな感想や疑問を抱くところだと思うけど、今日の俺はもう脳が疲れ切っていたから、それ以上考えるのをやめて「無」の状態でご令嬢方に合わせて破壊像の完成の瞬間を拍手とともに祝った。
ちなみに兄ちゃんは、第1部隊の隊列のところで、終始笑いを堪えて遠目で見ても分かるくらいにプルプル震えていた。
……よく最後まで我慢できたな、兄ちゃん。
◆◆◆◆◆◆
後日。
「第1回 魔導騎士団主催 国民感謝バザー」の記念品として贈呈された7体の破壊像たちは、魔導騎士団施設に併設されている、王国魔導騎士団の資料館に解説付きで一般公開展示された。
実際に戦闘をすることのない国民たちにも分かりやすく可視化された、幹部たちの攻撃の凄まじい威力。
この破壊像によって魔導騎士団の圧倒的な強さが実感できると評判を呼び、連日行列ができるほどに資料館の来館者は激増した。
入館料はお手頃なお一人様200リークなんだけど、ここ1ヶ月だけでも相当の儲けがでたらしい。
…………………………うん。
クラウス隊長って、やっぱりすごいな。
なんか全部「良かったこと」になっちゃった。
俺は自分の所属する部隊長の凄さをひしひしと感じて、それ以上に理解ができなくて…………そして理解することを諦めた。
──魔法研究所のジート所長に、魔導騎士団のクラウス隊長。
俺の上司はどっちも圧倒的な凄い人で、どっちもめっちゃいい人で、俺の理解を超えるけど……どっちかっていうと個人的には、ジート所長の思考の方がまだ理解できるかもな。
俺は初めて前向きに、再来週にまた控えている「合同研究ミーティングの所長タイム」はクラウス隊長に比べたら案外分かりやすくてマシなのかもしれないという、感覚麻痺による微かな希望を見出した。
素敵なリクエストをありがとうございました!
ご期待に添えたかは分かりませんが、少しでもお楽しみいただければ幸いです。




