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初恋  作者: しおん
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アウレットでの出来事を、健人は何度も謝ってきた。

由梨花は震える声で、

「いいよ」

と、言ったあと、声を振り絞って、

「S高、頑張って」

と、言った。

健人の顔が見れず、下を向いたまま言った。

健人も黙した。

その時、視線を感じ、振り向くと、華道部の顧問の女教師が、同年代くらいの男性と歩いていた。

由梨花は黙っている健人の服を掴み、そっと指をさした。

「先生、デートですか!?」

打って変わって明るい声を出す健人に、女教師は困惑の表情を隠さなかった。

「帰ろう」

健人は静かに言った。

由梨花の自宅まで、二人とも無言だった。

「また明日ね」

由梨花がそう言うと、健人の表情が少し和らいだ。

それからも健人とは学校でたまに話をしたり、ラインでやり取りをする関係は変わらなかった。

ある日、授業の休み時間に、健人が由梨花の席へやって来た。

健人は1枚の紙を出してきた。

それは最新の模試判定だった。

「やったね!」

思わず大声を上げた由梨花に、クラスの視線が集まった。

やがて、受験も終わり、健人はS高へ、由梨花はK女子と進路が決まった。

そして、ラインではなく、健人から手紙を貰った。手紙には、小さなフラワーアレンジメントが添えられていた。

目標を達成できたお礼の言葉と共に、由梨花の病気に寄り添って生きていきたいと書かれてあった。

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