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北条 雅子、高校二年生

高校2年になった。

私の成績はずっと2位のまま……ブス香のくせに……


何より私が気に入らないのはあいつの目。死ぬほど気持ち悪いドブスのくせに、自信に満ちた目……

どんな不細工な男にすら見向きもされず、一生独り身確定のド腐れブスのくせに……

どんなイジメにも顔色一つ変えず、平然としやがって……平民のくせに、ドブスのくせに……


あっ、いいアイデアを思い付いた。あんなドブスにはもったいない策を。





「何だよ、雅子(みやびこ)が呼ぶなんてめずらしいな。」


「悪いわね(じょう)、ちょっとお願いがあるの。今付き合ってる女はいないわよね?」


九狼(くろう) (じょう)佐朝(すけとも)の腹違いの弟で私の同級生。貧乏だし頭は悪いけどスポーツ推薦で入学した男。こんな奴でも顔と体は一級品、1年生から3年生まで全学年の女どもが夢中になっている。なのにこいつは誰とも付き合わない童貞野郎。おおかた私に惚れてるってところかしら。まかり間違ってNBAでスターにでもなったら一晩ぐらい付き合ってあげてもいいんだけど、まず無理ね。


「そりゃあいないけどさ。それがどうした?」


「うちのクラスの御前(みさき) 静香(しずか)、知ってるわね?」


「ああ、まあ知ってる。」


「そいつと付き合って欲しいの。もちろん本気じゃなくていいわ。あなたなら簡単でしょ?」


「はぁ? マジか? 勘弁しろよ。俺は誰とも付き合う気なんかないぞ?」


「残念ね。私は頼んでるつもりなんだけど。それとも佐朝経由での命令にした方かいいかしら?」


「てめぇ……」


「もちろんずっと付き合えなんて言わないわ。一ヶ月、何ならもっと短くてもいいわ。あの女が城に夢中になるまでね。それから捨ててくれたらいいわよ。簡単でしょ?」


「やってやるよ……クソが……」


「ありがとー。だから城って好きよ。佐朝の次ぐらいにね?」


城は私の言うことに逆らえない。こいつら母子が住んでるのは水本グループ関連の物件。学費から生活費、おまけに大学でかかるであろう費用まで全て水本会長が負担する約束なのだから。私や佐朝に逆らって今の生活や将来を棒に振ることなどできるはずがない。佐朝は今や私の言うことなら何でも叶えてくれるのだから。


城も馬鹿な男よね。あれだけの顔と体を持ってるんだからバスケなんかに拘らなくても芸能界でいくらでも活躍できるでしょうに。水本グループは芸能界にも太いパイプがあるんだし、大人しく佐朝に尻尾を振って生きればいいものを。

そう言えば佐朝の従姉妹にはアイドルがいたわね。あんな馬鹿そうな顔だけ女が人気って。やっぱり大衆って馬鹿ばっかりなのね。




決行は明日の放課後。

ふふ、ブス香の浮かれた顔を見るのが楽しみね。

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普段はこんなのを書いてます。
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― 新着の感想 ―
[一言] 皮肉なことに、雅子がキューピットなんですねww
[良い点] とうとう、彼女は全ての始まりの扉を開いてしまった…………(‐人‐)南無南無……
[良い点] この時は、この軽い気持ちのお遊びが命取りになるとは、夢にも思わなかったんですな。
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