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第8話 砦と初陣

 翌朝、実践訓練になりました。


 昨日のコボルト討伐があったので、今更ですが、ぶっちゃけ俺のためですね。俺たちの最大の目的は、俺のレベリングですから。大きな声では言えませんが!


 ここは、砦内にある野外訓練場。闘牛場みたいな場所です。騎士さん達や兵隊さんが見物に来てます。御手洗会長の従者を首になった分隊長が、羨ましそうな顔をしてますね。


     *     *


「やっぱりゴブリンね。コボルトも良いけど、ここはゴブリンよね」


 全面的に賛成です。


「我ら『生徒会48』の初陣よ!」


 こういうの初陣って言います?それに改めて思いますが、3人なのに48(フォーティーエイト)とか。【女神のカラオケ】の選曲といい……。御手洗会長、最高っす!


     *     *


 戦闘開始。


 ゴブリンが1匹、放たれました。グギャゲギャ、グギャゲギャ。


 前衛が勇者カタギリ。


 御手洗会長、勇者の後ろでハルバート立てて、腕組み仁王立ち。頼もしいです。そして俺は聖女ミタライの従者だ。ヒャホーイ!


 チラッと分隊長をみてやりました。


 あっ。御手洗会長、前に出ようとしないで下さい。


「そろそろ、いきますか」


「ふん、おやりなさい」


 片桐先輩の呑気な、かけ声で初陣が始まりました。まるで緊張がありません。


 聖剣を肩に担ぐように、袈裟懸けにゆっくりと…。


「ヨッコラ……」


「……ショ!」遠間からゴブリンめがけて一振り。


 暫擊一閃。ゴブリン真っ二つ。


 はい、終わりました。グロいので詳細は省かせていただきます。


 次は、3匹。これも一瞬でした。


 ピロリロリン!おっと、レベルが上がったみたいです。


 こっそり、ステータスオープン。おっ。3つも上がってました。ゴブリン4匹しか倒してないのに! 3人で分けているはずなのに! 職業未定ってレベルの上がりが早いのでしょうか?


     *     *


・名前/タロー ヤマダ

・種族/人間

・年齢/16

・職業/未定Lv.4(1→4)

・生命力 6/9(6→9)

・攻撃力 8/12(8→12)

・防御力 5/7(5→7)

・魔力 3/4(3→4)


     *     *


「異議あり! 3つも上がって、これか! これだけか!!」


 期待外れです。もっとドドーンと上がるのかと思いました。レベル2から突き抜けないのですね。秘かに期待してたのに。


 指導員役の騎士さん達、ゴブリンでは訓練にならないと悟ったようで、早々に次の魔物を用意しました。


 オークです。


「そうね。ゴブリンの次といえば、これよね」


 全面的に賛成です。……だから前に出ようとしないで下さい。


     *     *


 オーク登場、最初は1匹。此奴(こやつ)が御手洗会長を見て興奮してます。


 勇者カタギリ、これに大層ご立腹!


「忌まわしき、魔物(オーク)よ。女神より授かりし、我が聖剣【カタギリの(つるぎ)】を受けてみよ!」


 あれ? 片桐先輩、こんなキャラでしたっけ! 授かってもないし、女神でもないんでですけど……。


 バーン!!


 聖剣一閃。オーク真っ二つ! そうでしょうね。


 俺と御手洗会長がジト目で見ると、我に返った勇者カタギリ、必死の言い訳。


「違います。これはそう、会長達のおっしゃるテンプレというやつです。僕も真似して言ってみただけなんです」


 ダラダラ。


「「中二かっ!」」


     *     *


 それから、オーク2匹。続いて5匹。全て片桐先輩が瞬殺でした。


 魔物のストックがなくなり、訓練が終了しました。次はオーガを用意するつもりとの事ですが、さすがに直ぐには無理なので、しばらく魔物の訓練はないそうです。


「私は何もしてないわ」


 御手洗会長がプーっと頬を膨らませてます。(可愛い!)


「次回は、タロー。貴方が先頭にお立ちなさい。怪我をしたら私が回復してあげるわ!」


 次はオーガって言ってましたよね。回復する前に死んじゃいます。

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