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5-1

「レノン? どうかしましたか?」


 イラっときた。目はすでに死んでいる。周りをウロウロ歩いているアディク。ある一定の距離を保って、私の側にこようとする。

 部屋にあるベッドに寝転がるも、気は休まらない。扉の隙間から覗いてくるやつがいるからだ。


「さっきからなんなのよ!? うっとおしい! これじゃあ、寝れないわよ!!」

「レノンはいつも寝れてないでしょう? 僕がレノンを見ていて不都合なことでもあるんですか?」


 一人になる時間がないのは苦痛よ。こいつ、お風呂やトイレにまでついて来ようとするから、手に負えない。なんとか阻止してるけど、はっきり言ってうざかった。

 私が泣いた日から、ウロチョロと私の近くを動き始めた。こんなことなら、試しに泣くなんてことするんじゃなかったと後悔する。


「不都合だらけよ。四六時中私の側にいて、ジロジロ見てくるんだもの。いつになったら、離れるの?」

「僕はレノンが心配で心配でたまらないのです。あなたがとても脆くて弱い人間だと言うことを忘れていました。あなたは僕が守りますから、安心してください!」


 いや、家にいるだけだし、危険ないから。守ってもらう必要がない。脆くて弱いって、こいつは私のことをどういう目で見てるんだ。外ならまだしも家の中だからな。ふらふらすることはあるが、病人ではない。そうそう倒れることはないはずだ。本当に、おかしなやつ。

 冷ややかな目線を向けて、小さく「うざっ」と呟いてしまった。それが聞こえたのか、あいつは崩れ落ちる。どれだけ地獄耳なんだ。


「あんた、薬作ってるの?」

「あはははは〜、そんなことよりレノンの方が大事です。金はまだたくさんありますから、大丈夫ですよ」

「お金はあって当たり前。なくなったら、私出て行くよ? お金のことは心配してないから。私の薬、作ってくれてるの?」

「お金なくなったら、出てくんですか!? 僕を捨てるなんて、酷い!! 僕はレノンのことを第一に考えているというのに、そんな薄情な人だったなんて……。あなたは、僕よりお金が大事なんですか!?」


 私がした薬作成の質問を華麗にスルーするな。曖昧にされるのだけは勘弁だからね。

 それに、なに、そのめんどくさい質問。どっちも大事に決まってる。アディクがいないと薬は作れない。お金がないと、材料が集まらない。材料がないと、薬は作れない。だから、アディクもお金も欠かせないものだ。

 これ答え方間違ったら、どうなるんだろうか。一人喚くこいつをどう対応するべきか。答えは出ない。

Copyright(C)2019-莱兎

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