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13-2

 ある男の魔女は街の中で泣いている少女を見つけました。その少女は母親を探しているようでした。魔女は少女に近づきます。他人に興味などなかった魔女が少女に歩み寄った。その理由は、印があったからでした。印は魔女にしか見えないものです。印は魔女の運命の相手を示すものです。浮かびあがる印に歓喜しながら、魔女は少女のもとへ歩きました。


「小さな小さなお姫様。こんな人通りの少ないところでどうして泣いているんだい?」


 そう問いました。案の定、少女は泣きながら、母親が見つからないことを伝えてきました。魔女は、唯一を逃す気はありませんでした。世界に何千、何億人もいる中で見つけた運命を手に入れることにしました。


 初めて、魔女が心から愛おしいと思った相手。魔女はどうしようもなく全身が熱くなりました。たとえそれが小さな子供であったとしても、心が沸き立ちました。愛おしくて、可愛らしくて、もうその少女のことしか考えられませんでした。


 魔女は少女を逃さないように、母親を連れてくるという願いを叶えました。それと引き換えに、少女には呪いがかかりました。


 魔女のことを愛してくれるように願いました。魔女のことを自分自身の手で見つけてくれることも願いました。魔女は何をしてでも少女を手に入れたかったのです。何をしてでもその少女に魔女のもとまで来て欲しかったのです。そして、魔女はその少女を手中に収めるためになんでもやりました。


 魔女は少女の母親に取引を持ちかけた。母親が少女から離れれば、少女の呪いを解いてあげると言いました。母親の精神をゆさぶり、少女のせいで家を出たように装いました。


 ある時から魔女は、少女を取られないように、自分でさえ容姿が醜く見える呪いをかけました。魔女しか少女の可愛らしさを知らなくていいと思って……。


 またある時は、人々から少女のことを見えないようにしました。少女が周りの人に無視され、涙しそうになっている姿には流石に胸を痛めました。だから、その呪いはすぐに解きました。


 ある場所で魔女は少女と再会を果たします。そこは、食事処でした。ですが、少女と会えたのは偶然ではありません。店主に協力してもらい、魔女は少女に近づきました。少女と話すことができました。そして、少女の頼んだ食べ物に薬をいれました。眠らせて、自宅へ運び、一緒に暮らすことになりました。


 魔女は少女といれる日々をとてもとても楽しいと思っています。少女が逃げてしまうことを何よりも恐れています。少女が魔女以外の誰かに見初められることを何よりも恐れています。少女のことは他の誰にも見られたくないのです。少女を見るのは魔女だけでいいと思っています。


 最近、魔女は新たに人避けの呪いというものをかけています。それは、少女が影の薄い存在とされるものです。そのため、街に出ても人に認識されることはあまりないでしょう。


 魔女は少女が好きで、逃げて欲しくなかったのです。ですが、少女は魔女と同じ気持ちを持ってはいません。そのため、もし逃げてしまったらと思い、その呪いをかけました。

Copyright(C)2020-莱兎

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