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10-2

 外見が醜く見える呪いは解いた。息子の独占欲の強さは人一倍強い。可愛いレノンちゃんを取られないように呪いをかけた息子。普通なら女の子に酷いことをしたので詰って怒るところだが、よくやったと褒めたい。息子が呪いをかけてくれたお陰で、レノンちゃんは他の誰かのものになっていないのだから。


 気に入った相手、それも運命を手中に収めるのに、手段は選ぶべきではない。もたもた考えている間に、横からかきさらわれてしまうから。私は息子がレノンちゃんに行ったことを否定しない。


 目をしょぼしょぼとさせているレノンちゃん。私が外見が醜く見える呪いを解いたので、外へ働かせることはできなくなった。もともと外へ働かせる気はなかったが……。

 レノンちゃんは、顔が整っている。また、一つ一つのしぐさでさえも、可愛いらしい。しかも、息子の運命。息子が愛を注ぐ子。外で働かせたら、息子に殺されても文句は言えない。


「レノンちゃん、ここで雇ってあげるわ。でも、条件付きよ」

「条件ですか?」


 クリッとした目。傾げられた首。まるで小動物みたい。息子にはレノンちゃんをしっかり捕まえるように言っておこう。レノンちゃんには私の義娘になってほしいから、私も息子に手を貸すわ。


「ええ、人が訪ねてきたら、対応は私に任せてちょうだい。絶対に、私以外の人に会わないこと。それが、条件一つ目」

「ええっと、他にも条件が?」

「ふふっ、そんなに恐る恐る聞かなくても、難しい事ではないわ。あなたにフード付きのローブを渡すから、それをきてちょうだい。念のために、フードはいつもかぶること」

「アイリスちゃん以外の他の人に会わないこと。アイリスちゃんが渡すローブを着て、フードをかぶること。それらが条件ですか?」


 戸惑っていたのが打って変わり、前のめりになって聞いてくるレノンちゃん。乗り気になってくれて嬉しいわ。でも、そんなに慌てないで。

 キランッと目を光らせて、ジッと獲物を狙っているような状態の彼女。内心、苦笑いを浮かべてしまった。


「あら? せっかちさんなのかしら? 他にも条件はあるわ。私の言うことには必ず従うことよ。外出は禁止。私が側にいる時と私に余裕がある時に許可を出すわ。あなたはあくまで私のお手伝いをするだけ。危ないことをするのはダメよ。息子に申し訳が立たないわ」

「そ、そんなにたくさん……あるんですね……」


 どこか遠くを見つめるレノンちゃんに笑ってしまう。条件が多いのは、あなたの身を守るためであり、私が息子に敵を見るような目をされたら困るからよ。残念だけど、条件を守れないなら、雇うことはできない。


「提示した条件が飲めないなら、あなたは私のお友達兼お客様扱い。私のお手伝いをさせることはできないわ」

「そ、そんな……。うぅ〜、私がアイリスちゃんの言ったことを守れば、雇ってくださいますか?」

「ええ、可愛い子が助手なんて素敵だもの。条件を守れば雇うわ」


 悩んでるわね。私はレノンちゃんが家にいてくれるだけで満足だから、お客様でも構わないの。選ぶ権利はレノンちゃんにあるわ。強制はしない。レノンちゃんはどんな答えを出すのかしら。

 選びやすいように手助けしてあげるわ。――ここらで、一つ爆弾を落としてみよう。ふふふふっ。


「あ、そうそう! 私以外には会わないことと言ったけれど、私の息子、アディクは例外よ。もし息子が来たら、レノンちゃんは息子と会ってもらうわ!!」

「……」


 表情が固まっているレノンちゃん。言葉も失くしている。再起するまでどれくらいの時間がかかるだろうか。レノンちゃんが私の条件を飲むか条件を飲まないか。どちらを選択するのか、楽しみでならない。


 惑わせるために、落とした爆弾。レノンちゃんの反応がどうなるのか見てみたかったの。息子にバレたら、睨まれてしまうだろうから秘密にしよう。


Copyright(C)2019-莱兎

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