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コズミック・ラビリンス(CHAPTER4:2)

 ……


 君は、まだ無事で生きているだろうか? ともあれ、君が生きてここまで辿り着ける事を祈って、この手記を残す。……おそらく、これが最後の手記になる(血の染みで判読不能)。


 ……先程、私はこの迷宮に潜む謎の一端を垣間見た。思い出す度に、今でも手が震える。あれは……


(血の染みで数行ほど判読不能)。


 最後に残った助手のマーシュ君は私以上に動揺が激しく、錯乱したまま未踏査の通路へ駆け込もうとしたので、私は彼を止めようとして揉み合いになってしまい、完全に狂気に陥った彼は私の脇腹を銃で撃つと、後も見ずに通路に飛び込んだ。

 (血の染みで判読不能)が聞こえ、続いて数発の銃声と彼の絶叫が響き、それに混じって何か重く濡れた物が這う様な音が聞こえ……それきり静かになってしまった。


 おそらく、もう彼は生きてはいないだろう。神よ、救いたまえ。


 次は私の番だ。先程から通路の奥の深淵より、私を()ぶ声が聞こえる。行かなくてはならない。後を付けてくる獣の気配が無くなったのは、不幸中の幸いか。やはり、あれは翡翠の護符のせいだったのか?

 だったら、君に迷惑を掛ける事になるかもしれない。ただ、あれは不吉な気配を漂わせながらも、何か重要な呪物である気がしてならない。あれは我々がこの迷宮に入って程無くして、罠に掛かって死んだであろう古代の墓荒らしか盗賊と思しき、白骨死体が手にしていたのだ。きっと、あの護符には元の在るべき場(血の染みで判読不能)……副葬品としての(血の染みで判読不能)……と思われる。


 ……そろそろ行かなくては。止血も終わったし、まだ先へ進む事は出来るだろう。重荷になるので、荷物はここに置いていく。どのみち、私にはもう不要のものばかりだ。後は君が役立ててくれ。あと、この広間で見つけた小箱もここに置いていく。

 私にはどうしても、それを開ける事が出来なかった。よって、中身が何であるか私にも解らない。もしかすると、魔犬の護符の様に、君に危害を加える呪物であるかもしれない。どうするかは、君の判断に任せる。


 頭の中に響く喚び声がいよいよ強くなってきた。(血の染みで判読不能)、這ってでもこの先へ……通路の形状を思えば、丁度おあつらえ向きと言った所だ……進まなければ……。


 友よ。ここまで進んで来て、この迷宮が只のオリエントの地底遺跡では無いことに気付いているだろうか? 古代エジプトや中世ヨーロッパの地下墓地(カタコンベ)を思わせる通路もあった。仮説だが、この迷宮は時代や場所、ひょっとすると次元が不連続で繋ぎ会わされた構造になっているのではないだろうか? だとしたら、この先にはもっと恐ろしい所に繋がってる可能性も


 (血の染みで数行判読不能)


 ……だが、進まねば。それば私の学者としての使命、そして(書体が乱れて判読不能)の喚び声に応える唯一の手段だ。どうか、君はこの先に転がっているであろう、私の屍を踏み越えて、迷宮の最奥の真相に辿り着いて欲しい。


 加護と、幸運、そして(書体が乱れて判読不能)を。


 署名:ミスカトニック大学考古学教授 A・S・ピルグリム


 ……


 ……


 出たよ! ホラゲーお馴染みの、血やら焦げ跡やら破れやらで器用に肝心な所だけ読めなくなってる、ヒントになって無いヒントの手記が! 演出上のお約束とは言え、こんなにピンポイントで肝心な所ばかりに染みが付くかフツー?


 まあシナリオ上、ムリは無いし、護符について少し書いてあるのが救いか。やっぱり、原作と同じく副葬品ならどっか墓か何かに戻せば良いのか? なら、この先にそれらしい物があるに違いない。多分。


 そう考えると、少し楽になってくる。さて、まだ何かが来るような気配も無いし、手早く残りのアイテムも探ってしまおう。そう思って、傍らの血に汚れたバックパックを手に取り、中身を机に広げた。


 まずは、箱にマッチと、何かの液体が入ったビン。これは、ランタンの下部に入ってるのと同じ形だな。なら、中身は油か。なら、また武器の替わりに投げたりしなければ、かなり灯りが持ちそうだ。

 あとは、束ねたロープに……ゴツい手斧が出てきた。ここに来て新しい武器か? どうせなら、ライフルかショットガンみたいな銃のが嬉しかったんだがな。


 最後は小さな木の箱だ。飾り気の無い丈夫な作りになってて、鍵は無しと。さて、中身は……? 蓋を開けると、小さな弾丸が箱の半分位に整然と並べられていた。

 拳銃の予備弾か! これは有り難い! 数は……十二発残ってる! 拳銃自体は残ってないのか。じゃあ教授か、助手のマーシュ君だったかの、どちらかが持ってるのか。

 とりあえず、一発しか残ってなかった手持ちの拳銃に全弾装填する。魔犬やこの先に居るであろう触手やらに効くとは思わないが、それでも効くヤツには効くので安心感が違うな。


 さて、最後は……謎の小箱か。 くすんだ銀色の、見ただけじゃ何だか解らない金属。表面の、怪物の顔を模した不気味な彫刻は、箱の大きさといい、チャプター2で古の印を入れていた青銅の小箱に似ている感じ。鍵穴も蝶番も無いのも同じか。

 一応、周囲を警戒しながら手に取ってみたが、何も起こらない。結構、持ち重りがする。振ってみても、何の音も反応も無い。


 もしやと思って床に叩きつけてみたが、古の印の箱と違って壊れるどころか、傷一つ付いてない。なら、手斧でやってみる? ……いや、何か中身ごと壊しそうな気もするし、この先に開けるヒントでもあるかもしれない。


 とにかく、俺も先へ行くか。新しいアイテムは全部自分のバックパックへ仕舞い込み、懐中電灯の替わりに新しいランタンを手にした。とりあえず、巻物の入ったアルコーヴを照らしてみたが、どれも湿気で見るからに朽ち果てていて、手に取る気も起きなかった。

 なら、先へ進むか。自分が入ってきた対面の壁にランタンをかざすと、また人間の背よりも若干低い入り口が二つ並んでるのが見えた。

 その内、右側には、何かが這って行ったかのような跡と、僅かな血痕が残っていた。きっと、教授だろう。ならば、教授を撃った狂えるマーシュ君が入っていったという、未踏査の通路ってのは左側か。


 さて、どっちに行けばいい?

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― 新着の感想 ―
[一言] >ヒントになって無いヒント 全部明かされちゃうとゲームとしてはネタバレですからしてw
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