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クリスマスイベント11!

遅くなりました!!

「………………」


「ルイ、あいつをどうにかしてくれ」


「流石に無理だよ……」


 執務室の中では、トーマス様とルイが何やらこそこそと話しているのが見えたが、今の私にはその光景に何も感じないほど悲しみに暮れていた。


 マリーからの手紙には、『どんな事情があったとしても、今はどうしても会いたくないので、訪ねてこないで下さい』という内容が書かれていたからだ。

 私が送った手紙には言い訳がましい内容がたくさん書いてあり、完全にマリーから拒否されてしまったということが分かる。

 手紙を読んだ瞬間から信じられないほどの頭痛が続いており、耳鳴りとめまいも時たま起きるほど精神的に何かが来ているのだろうと予想できた。


 いっそ死んでしまった方が楽になれるのではないかとさえ思う。


 でもそれをしないのは、手紙に婚約を解消したいという内容が書かれていなかったからだろう。



 それにしても、ここまで何も考えることが出来ないことなど今まであっただろうか。それを思い出すことすら今の自分にはままならない。


「……おーい、ルータス」


「……なんだ」


「大丈夫?少し休んだ方がいいんじゃない?」


「いや、休みたくない」


「そう?絶対大丈夫じゃないけど」


 そんな言葉を与えてくれるルイは、本当に心配そうにこちらを見つめていた。どうにかしてくれと言うトーマス様の言葉もあっただろうがきっと本心で心配してくれているのだろう。

 こういう友人を持てた事は本当に良かったと思う。


「どれくらい休めばいいと思う?」


「あ、休む?そうだね、ちょっと寝たらいいよ、俺が起こすし」


 そんな事を言いながら奥にある簡易なベットに案内してくれる。そこは、トーマス様が私とルイ用に作ったものが置いてあった。トーマス様にはここの奥に別にベットが用意されているのはこの3人とリューしか知らないが、それは今はいいだろう。


「はい、ちゃんとここで寝て」


「仕事が……」


「俺がやっとくから大丈夫だよ、最悪トーマス動かすし」


「…………」


 本当はトーマス様などに仕事などやらせたくは無かったが、今の自分は足手まといなだけなのだろう。ここは大人しく寝ることにした方がよさそうだ。


「ありがとう」


「ううん?ゆっくり寝て、おやすみ」


 ルイが微笑みながら部屋が出て行った。

 早く回復してしまわなければ。そう考えて横になると、すぐに眠気が襲ってくる。

 家では寝る事が出来なかったからなのか、眠気は一瞬で頭に広がり、すぐに眠りにつく事ができたのだった。




 しかし、目がさめるとそこは簡易なベットの上ではなかった。


「………ここは!」


お読みいただきありがとうございます!

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