クリスマスイベント7!
恐ろしい事に予約ができてなかったようです。
なんで!!!二回くらい確認したはずなんですが。。
「ルータス様、どうされました?」
「ああ、すまない……」
「もー、デートなのですからしっかりなさってください」
「……ああ」
今日はルルボンの家の娘とデートの日だ。
彼女が希望した街を2人で歩きたいという願いを叶えるために、下町に来ている。今私は動揺を隠すことができないまま彼女に腕を引っ張られている状態だ。
貴族の中でも有名と言われるのが分かるほど、彼女は美しく気遣いのできる人物だった。
しかし、何故、私などをデートなどに誘ったのだろうか。
「その…」
「私の名前はアカネですよ、ルータス様」
「……ではアカネ、何故こんな私を誘ったんだ?」
「もう、ルータス様。タイミングというものが全く分かっておりませんね。マリー様ともこうなのですか?」
「い、いや……すまない」
本当に恐れながら待ち合わせていた場所に向かうと、彼女は営業の延長なのではないかと思うほどの笑みを向けて挨拶をしてきた。
先程から横に並んで歩いてはいるものの、距離が友人ほども近くはない上、彼女から感じる視線も好意的な相手に向けているのは間違いないが、恋心を持っている人物のそれとは思えない。
そもそも何に悩んでいたのだろうか。
婚約者がいるというのはこの街でも有名であり、自信がないマリーの為に常に愛しているという言葉を送ってきたつもりだ。
更に言えば、完全にトーマス様の私用で作られた『ステータスチェック』などという相手の気持ちを測る魔法器具にも、自ら進んで受けに行った。
そして、リテーリア曰く『ステータスマックスです。つまりちょーラブラブってことです』と言われたのだ。
つまり、本来であれば全く気にする必要性すらなかったのではないか。
では、何故、私はここまで不安を抱き始めた?
「もう!ルータス様!聞いてますか!」
「ああ、アカネ、申し訳ない」
「あれ?おやおや?ルータス様、なにか吹っ切れましたか?」
「ん?そう見えるか?」
「ええ!とっても凛々しいお顔になられました!」
凛々しいお顔とは一体どんな顔かは分からないが、とりあえずこのルルボンの家の娘、アカネが行きたい場所に何かヒントがあるかもしれない。
そして、誰が何をしようとしているのか。少し探偵となった気持ちで探らせてもらおう。
「ところで、目的地はどこなんだ?」
「もうすぐですよ」
そう言いながら彼女はどんどんと狭い路地に向かって歩き始めた。
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