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「8!」

分からない単語については適当に抜選しました。どうか突っ込まないでください。


私は白紙の日記帳を睨みつけていた。

正確には、そこに映し出されている“ステータス”という例のあれらを、だ。



-------------



夕食時、今日のお茶会についてとても楽しそうに話す姉様を見た後、私は“画面”を探す為に急いで部屋に戻った。


「お嬢様、お茶飲まれますか?」

部屋に一緒に戻ってきたエリサが私に尋ねて来る。


「うーん、夕食の後のお茶も飲んだし、今日は大丈夫」

「かしこまりました、お風呂の用意も出来ておりますが、入られます?」

「お風呂……うーん、入ろうかな」

「かしこまりました、こちらでございます」




エリサに体を洗ってもらう中、私は疑問を口にする。


「エリサ、画面って知っている?」

「がめん?」

「そう、画面」

「仮面ではなくて?」

「違うわ、画面」


エリサが「がめんー……」と呟きながら私の体を洗って行く。


私とエリサは書物がとても好きで、家にある書庫の本は殆ど制覇しているほどだ。父さまはお仕事に使う様な本や、専門書などを自分用に別に作っているらしいので書庫の方には難しい本は無いのかもしれないのだけど。


エリサはさらに、下町で色々な本を買って部屋に山積みにしているらしい。お母さまがエリサに本棚をプレゼントしようとして、エリサがとても慌てていた。


だからこそ、エリサはとても知識が豊富なのだ。


「そういえば、この間、画集を見ている時に、画面上にという言葉を見かけたような気がいたします。絵の表面か何かのことを言っているのか詳しく調べておりませんが……」

申し訳ありませんと言いながら悔しそうな顔で言っている。

「何言っているの!まったく分からなかったのに、その情報だけでもとても助かるわ!」

「ありがとうございます、何かあったのですか?」

「うーん」

この良く分からない状態をエリサに話しても良いのかどうか、知らない文字が浮かび上がるなんて話さない方が良いと思うし、何と言っても私が解決してみたい。最近流行っている探偵の物語の主人公のように。


「私でどうにもならなくなったら頼むかもしれないわ!」

「かしこまりましたお嬢様。あまり無理はなさらないでくださいね」




そして、日記帳を開いた時に白紙のページのタイミングで「!」が出てきたのだった。

よしっ。




まず、推測する為に私が分からない単語を書き出す事にした。



「トラウマ、ボーナス、クリア、ステータス、スチル、ルート……」



そして、推測する前に分かっていることがある。


“トーマス・ウィスタリア”は姉様がお茶会をした第二皇子だ。

黒色から水色の丸になった下にトーマス殿下の名前が書かれているということは、これはトーマス殿下の何かの数値で間違いないだろう。



オープンは開くという事だから、“クリア”は達成とかそんな意味だろうか。下に出てきた数値から推測するに、全て60の数字を超えたからトーマス殿下が出てきたという事だろう。


アイテム、道具を使った事によって“好感度が上がった”というのは、あの横にあった右側が少しピンク色になった白い棒が表している数値とすると。

あのピンクの色が多くなると、トーマス殿下の“好感度”が高くなっているという証拠なんだろうか。



「……………………。」




小さなグラフの方に新しく出てきていた、[料理]という文字。仮に、あの小さいグラフ達の事を“ステータス”と、呼んでいるとしたら。



「それが、一番当てはまる気がする」



一つ一つ考えていき、推理を重ね、私は分からなかった単語たちをこう当てはまる事に決めた。



クリア=達成

ステータス=あのグラフの事

ボーナス=プラスで数字が付く事

ルート=選んだ人物

ゲット=取得



ただ、どう考えても“トラウマ”と、“スチル”が分からない。


「トラウマは、何やらマイナスな事柄なんだろうけど、何がトラウマとして決められているか分からない事には分からない……」


そして、問題の、“スチル”だが



「ん?」


《スチル、「期待の微笑み」ゲットにより、トーマスルートに移行しました!》


この文章の「期待の微笑み」の部分が薄く光っている。



「これは………」


何かが開きますようにと念じる。そうすると



「うわっ!!」


白紙の日記帳に、とても美形の男の子が微笑んでいる絵が出てきたのだった。



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