クリスマスイベント5!
まさかの予約ができていなかった!
少し遅れました、申し訳ありません!
夜遅くに誰かの家を訪ねたことが無い。
これはかなりの迷惑になるのではないか。
「………………」
いや、ここまで来た意味がなくなってしまう。とりあえず声をかけてみよう。そう思いながら扉を叩いた。
「…………え、マリーは今日居ないのですか」
「ええ、今日はリテーリア様の所に泊まるとの事で」
「……そ、そうですか」
出迎えてくれたのは随分と昔からマリーの家に仕えている執事だった。彼は常に寂しそうな顔をしている。
そして、このタイミングでマリーが居ないという。
ここまで来た意味が本当になくなってしまった。
「何かありましたか?」
「いや……なんでもありません、帰ってきたら、これを渡してください」
渡したのは魔石の魔力を込めた造花だ。
魔石には色々な使い方があるが、今回は花の周りに僅かに光が舞う仕様にすることができた。
本当は渡した時の彼女の顔を見たいと思っていたが、仕方ない。謝罪の意味を込めた訳ではないが、そう捉えられても仕方がないだろう。
「……では、おやすみなさい」
「ルータス様、夜は危険です、馬車を」
「いいえ、近いですから」
今日は歩いて帰りたい気分だった。
そもそも早くに伝えなかった自分が悪いのだから、落ち込むのも自分のせいだ。
「仕方ない」
明日は、デートという名の仕事だ。
そう、仕事。
目の前から近づく馬車を避け、自分に念をかけ続けていた。どんどんと落ち込んでいく心をどう頑張っても持ち上げることができない。
そうしていると、不意に頭上から声がかかった。
「あら、こんな所で何をしているの?」
「……え?サラサ様、な、何故こんな所にいるのですか」
「私?ちょっと所用があったのよ、あなたこそ、こんな夜に1人で何をしているの」
「私は……」
言葉が詰まる。自分がマリーに謝りに来たなどと言ってもおそらく意味が分からないだけだろう。
しかし、サラサ様は違う意味で私に問いかけているようだった。
「あなた、自分がトーマスに近い存在だってちゃんと理解している?こんな所で奇襲でもかけられたらひとたまりもないわよ」
「え、ええ……そうですね」
「……仕方がないわ、乗りなさい。近いから送って差し上げます」
「え!!そ、そんな事は」
「はぁ、全く!早くしなさい!」
「……は、はぁ」
「こんな夜に誰も見てやしないわよ、早く」
彼女の圧にやられ、更に彼女の使用人に促されて馬車に乗り込んだ。
そうして、彼女からの尋問を受ける羽目になったのだった。
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