表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/99

クリスマスイベント2!

クリスマスイベント2話目。

 結局、私はルルボンの家の娘とデートをすることに決めた。理由としては、トーマス様の婚約者であるアネモア様がとても好きなケーキだと仰っていたのを聞いてしまったからだ。恐らくトーマス様もアネモア様の喜ぶ顔を楽しみにしているに違いない。


「はぁ…………」


 あの日、リューに言われた言葉がずっと頭に残っている。

 傷つくのは、一体誰なのか。


「あれ?ルータス様?」


「リテーリアか」


「どうしたんですか、珍しく落ち込んでいる気がしますが」


「いや……」


「何か悩み事ですか」


「まぁ、そうだな」


「……マリーには相談したのですか?」


「いや、マリーには言えない内容だ」


「……………はぁ」


 何かを運ぼうとしていたのか、両手に大きな荷物を持った彼女がずいずいと近づいて、私が座っていたベンチの隣に座った。荷物の中身は蓋が閉まっていて見ることはできない。


「ルータス様」


「なんだ」


「それは、マリーが傷つく問題なのでしょうか」


「………………」


 私が何も言えないで黙っていると、彼女は膝の上で荷物を持ち直してニヤッと笑ったように見えた。

 そしてその顔を無表情に直して私の方を向く。


「なるほど、承知しました。では期間は?」


「え?」


「期間はいつまでなのです?」


「……それは…………」


 また言葉を詰まらせてしまう私に、彼女は今度は隠さずにニヤッと笑う。

 少しだけ気味の悪い気持ちになる。


「ふふふ、なるほど」


「リ、リテーリア?」


「ルータス様、私はここで何も聞いておりません」


 そう言うと彼女は立ち上がった。荷物を軽々と持ち上げて私を見下ろしてくる。その顔は少しだけスッキリとした表情をしていたように見えた。

 彼女からの言葉の意味が分からず頭の中で必死に考えている私を前に、彼女は再度口を開いた。


「だから、私はルイ様を許すことにします」


「は?!どういうことだ?」


「ルータス様、ありがとうございます」


「ちょっと」


 私の言葉を全く無視して彼女は歩いて行ってしまった。

 何か感謝される事をした覚えもなく、ただ情けない姿を見せただけなのに『ありがとう』?


 一体彼女は私から何を感じ取ったというのだろう。



お読みいただきありがとうございます!


安定のぶっ飛び思考のリテーリアです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ