「7!」
「………………」
《目標数値クリアによりトーマス・ウィスタリアがオープン》
《アイテム:色取り取りの刺繍入りハンカチ使用により好感度がアップしました!》
《好感度上昇により料理ステータスオープン》
《スチル、「期待の微笑み」ゲットにより、トーマスルートに移行しました!》
――ステータスを表示しますか?
「え、はい」
はっとして手を口に当てる。
すると前回見たグラフの様な物がずらっと出て来た。
だが、前とは違う
水色の丸の中に白でシルエットが出てきていて下に「トーマス・ウィスタリア」と書かれており、その横に白い右側が少しピンクに染まった棒が伸びた横に100/1000という数値。
小さいグラフの方は[勉強]100/500 [裁縫]80/500 [ダンス]60/500 [美容 ]105/500 [教養 ]100/500 new!![料理]0/500
「350が必要条件です。マフィンを作成するには料理ステータスが最低200必要です」
という変化が見られた。
その下に更に「!」が光っている。
「………………」
ごくり、と自分の喉が鳴る音が聞こえてきた。
「!」に開くよう念じる。
《トラウマ克服により、いつでもステータスの確認が可能になりました、画面右下の「!」マークから飛ぶことができます》
画面とは何だろう。
というよりは、先程から知らない言葉ばかり出て来るので一体何を言っているのか分からない。
目をパチパチさせていると後ろの方で扉をノックする音が聞こえてきた。
「リテーリア様、アネモア様を起こしてくださいませ、夕食の準備ができました」
姉様についている侍女が扉から顔を覗かせて私に知らせてきた内容にはっとする。姉様の部屋に入ってすでに20分も経っていたらしい。
「はーい」
私は姉様に視線を戻すと、「姉様、姉様!」と声をかけた。
「ん、……うーん。……んーあれ?リティちゃん?」
半分寝ぼけている姉様は夕日に照らされて美しく輝いているように見える。
「姉様、勝手に入ってごめんなさい。疲れていると聞いたけど大丈夫?夕食が出来たって、いける?」
そういえば疲れていたと聞いたなと思い出しながら姉様に声をかける。自分の欲の為に姉様の部屋に入った事に罪悪感はあるものの、心配したのは本当だ。
「大丈夫、リティちゃんありがとう。すぐに行くわ」
ふと、姉様がいつもよりも嬉しそうにしている様な気がしたので声をかける。
「姉様、何か、嬉しいことありましたか?」
すると姉様は、はっとした顔をした後にまた悲しそうな顔をしながら
「何でもないわ、今日のお茶会が楽しかったの」と、言った。
この後本編ではない話が来ます。