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「55!」

 

 サラサ様とマリーがエリサの方を向いた。


「あ、も、申し訳ありません………」


 エリサが慌てて頭を下げる。

 恐らく考え込んでいて無意識に呟いていたのだろう。

 私と2人の時はよくあるのだが、それは私がそれを望むからだった。


「あら、今回はその為に呼んだんでしょう。寧ろ発言をしなさい」


「そうですよ、気にしないでください」


 2人がエリサにニコニコと笑いかけている。

 私もほっと息をついた。


「それで、恋の相談というのはどういう事?」


 エリサがお礼を言うよりも前に、サラサ様が聞いてくる。そうすると、エリサが困ったようにこちらを向いた。


「そうだよね…」


 それを伝える為にはずっと隠してきた事を伝えなければいけない。突然現れた。あのステータスについて。


「私、お2人に話さなければいけない事があります」





 ステータスについて話し終わると、サラサ様とマリーは少しだけ顔を赤くしながら考え込んでいた。


 まぁ……私が話したのは好感度ステータスのみで、2人それぞれの好感度は最高値であり、クリアしてラブラブな状態ですよ。ということと、クリア報酬についてのみだったので顔が赤くなったのかもしれない。


 わざとではない。





 話を戻すと、殿下が恋の相談役をしていたのではないか。

 というのはつまり、クリアを目的としてルータス様やリューなどに声をかけていたのではないか。

 ということだ。


 クリアをさせる為に近場に置く事によって状況をより把握したかったのだと思うのだ。




「あ!思い出した!」


「ん!?」


「へ!?」


 その時突然叫んだサラサ様に私とマリーが驚いて振り向く。そうすると、しまったという顔をしながらサラサ様がこちらを見ていた。


「ああ、やっちゃった。ごめん、前の世界にいた時の事を思い出したもんだから口調がさくらの方に。待って、戻すから」


「あまり……性格は変わっていないのですか」


「んー?んー。ええと。そうね、サラサの性格は設定に無かったし特に変えていないわね」


「なるほど」


 もしかしたらさくらの時からサバサバした性格をしていたのかもしれない。とても頼り甲斐がある人物だったのだろう。

 そんな事を思っていると、サラサ様が少しだけ身を乗り出しながらこちらに話しかけてくる。


「そう、思い出したの。リテーリア、あなたから見せてもらった本あるでしょう」


「あの、転生者の」


「あの作者の名前『高林俊哉』。あれは乙女ゲームの製作者の代表の名前だわ」


「…………やっぱり、そうですか」


「やっぱり?」


 私の言葉にサラサ様が怪訝そうな顔をしてくる。それはそうだ。だって私は本来は『高林俊哉』とは関わりが無いのだから。


「殿下は……なぜ、本来の組み合わせを知っていたと思いますか」


「…………本来の組み合わせ」




 前にサラサ様から説明をされた。


 この乙女ゲームは、本来主人公が結婚をしなければ、結婚する相手というのが存在する。


 ルータスにはマリー。トーマスにはアネモア。


 そして、個別のキャラクターの、リューとルイはそれぞれ貴族の誰かと。


 それに加えて隠れキャラクターのキリトは主人公が出会わなければ結婚することは無い。


 このキャラクターの組み合わせでなるべく既婚者を作る場合。繰り返す世界しか知らなかった者がこんな組み合わせを作り出せるものだろうか。




 すべてがたまたま、偶然?



「あの、よろしいでしょうか」


 その時エリサが手を挙げる。とても言いづらそうに私を見てくる。

 エリサは、私が考えている事が少し分かっているのかもしれない。だからこそ言ってもらおう。


「エリサどうぞ」


「…………トーマス殿下について、キリト、様に、聞いたのですが……」


「…………」


「……ユリエスタ様と出会ったのは、トーマス殿下と出かけている時だったそうです」


「その時殿下は」


「…………ちょうど、居なかったと」


「なぁるほどねぇ。これは本格的に怪しいわね」


「はぁ…………そうするとですね」


 私はどうにか違ってほしいという可能性がほぼ0に近い事を恨みながら頭に出ている答えを言葉にしていく。


「この、『高林俊哉』は、トーマス殿下の可能性がとても高いと思われます」


「そうね、その可能性が高いと思うわね」


 サラサ様が頷きながら同意する姿を見ながら、もう1つの可能性の話も伝える。


「…………そして、多分……私をこの世界に()()()人物の1人の可能性が高いです」



 その言葉を発した瞬間、自分の中でいつもステータスを開いた時に聞こえる、いつもの音が響いた。



 《製作者からボーナスが届きました。開きますか?》



「!!!!」


 ガッターーーン!


 流石に驚いてつい立ち上がってしまった。

 気がつくと私の後ろでは椅子が倒れており、3人がびっくりした顔でこちらを見ている。


 エリサが椅子を直しに駆け寄ってくるのが見えた。


 だめだ、もう否定できる要素が少ない。


 私には製作者がいる。


 それは高林俊哉の可能性が高い。


 そして、高林俊哉が、トーマス殿下である可能性も高い。



 つまり、私は、初めから()()の手の内にあったというの……?



 


お読みいただきありがとうございます。

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