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「33!」

ブックマークや評価ありがとうございます

「リティちゃん?どうしたの?」


「は、姉様、なんでもありません、クッキー食べてもいいですか?」


「ええ、食べてみて!」


 また思考の世界に入っていたみたいだ。姉様の前で考え込んでしまうなんて……。

 私は一旦姉様のステータスを閉じて、姉様から受け取ったクッキーの袋を開ける。

 こんなにちゃんとしたクッキーを姉様から受け取れる日が来るなんて考え深い。そんな事を考えながらクッキーを口に運んだ。


「あ、でもね、クッキーによって効能が違うみたいで……」


「え?」


 ぱくっ。と口に運んだ瞬間姉様がそんな説明を始めた。

 口の中でクッキーの甘さが広がっていき、なんだか、だんだん……


「あ、れ?」


「リティちゃん!?」


 姉様の悲鳴が遠くで聞こえ、大丈夫と声をかける間もなく、私はその場で倒れこんだ。



 ※ ※ ※



 目が覚めると自分の部屋のベットに寝ていた。


「んー……?」


「お嬢様!起きたのですね、お体は大丈夫ですか?」


「ああ、エリサ、ごめんね、寝てただけだったでしょう?」


「ですが、いきなり倒れられたと」


「……多分、姉様のクッキーのせいなの」


「え?」



 私は、学園に居る医務の先生に診てもらい、寝ているだけと判断されたらしい。


 恐らくあのクッキーには眠される効果が付いていたはずだ。いや、絶対そう。

 あのクッキーが口の中に広がった瞬間、頭が強制終了するかのように靄がかかり、あのとても眠い状態にさせられて私は意識を失った。

 これは寝る、と思って姉様に声をかけようとしたが間に合わなかったのだ。姉様は心配しているかもしれない。


「姉様心配してた?」


「ええ、先程までこちらにおりました」


「そっか、あとで顔だそう」


 姉様のクッキーで恐らく寝たのだけど、でも大丈夫って言ってあげたい。


「ここには誰が運んでくれたの?」


「ルイ・アントン様ですよ」


「え?そうなの?」


「たまたま来たそうですよ、ルイ様も心配されてました」


 そうなのね。それはとても悪い事をしてしまった。後で謝りに行こう、そう思ってふと気がついた。



「……エリサ」


「はい?」


「日記帳、誰か持ってきてくれてた?」


「いえ、まさか……」


「やっぱり、そうだね。まずいなぁ、名前も書いてあるし、早く見つけないと」



 不用意に持ち出してしまった私が悪いのだが、まさかあそこで倒れると思ってなかった。それはもう仕方ないとして、問題はどこにあるかだ。

 まず、誰かに見られた時点でとてもまずい。

 何がまずいって、書いてある内容を聞かれた事時点でまずい。早々に見つけたい。



 とりあえず姉様に挨拶に行こう。




 そう思いながらベットから立ち上がった。







「姉様?いらっしゃいますか?」


「リティちゃん!!!」


 扉がバーンと開いて姉様が飛び出してきた。

 そのまま姉様に抱きしめられる。


「ああ、リティちゃん、ごめんね、ごめんね」


「大丈夫ですよ、姉様」


 そもそも魔石をクッキー作りの過程に加えた殿下のせいだと思っているし、効果も体に悪いものが来ると思っていない。私の中で、寧ろ姉様は被害者だと思っている。


「体は問題ない?頭も平気?痛みは、どこか辛い場所はない?」


「ふふ、大丈夫です」


 心配してくれる姉様が可愛い。そして嬉しい。

 大切にされている実感がする。

 姉様が離れるまで私は姉様に抱きついていた。



「そういえば、姉様。私日記帳を持っていたのですが……持ってませんか?」


「日記帳?あ、机に置いてあったかもしれないわ。でも、あそこを離れる時には無かったきがするのだけれど……」


「なるほど……ありがとう姉様!」


「私ったらリティちゃんが倒れたことに慌ててしまって。日記帳なんて誰にも見られたく無いわよね、ちゃんと見れば良かった、ごめんね」


「ありがとう、姉様!大丈夫、ルイ・アントン様の所にもお礼言いに行くのでついでに聞いてみます」


 そう言って姉様の部屋を離れた。



 姉様も日記帳書いているのかな?誰にも見られたくない内容を書いてるみたいだったし。

 あれかな、殿下への気持ちとかを書いてるのかな。

 ………………尊い。




 いや、今は私の日記帳の事を真剣に考えなければ!

 ルイ・アントンを訪ねて、もし無いと言われたらどうしようか。

 ひとまずカフェテリアに向かって無かったら、学園の事務所に行ってみよう。



 化学室の前まで辿り着くと、中から声が聞こえて来たので足を止める。


「……サラサにも困ったものだ」


「サラサ様はまだ健康体じゃないからな」


「学園に通うには寮に入らないといけないから、侍女1人では間に合わなそうだね」


「リューには会いたくないと言うし……あのわがままを治してもってから来てもらいたいものだ」



 あれま、なんだろう何か話してる。

 殿下とルイ・アントンとルータス様のようだ。

 それにしても、サラサって……サラサ様!?

 サラサ様って、第一皇女じゃなかったっけ?

 そんなわがままなのかな。というか学園に来る予定があるんだろうか。

 尋常じゃない警備体制が敷かれているとはいえ、第二皇子と第一皇女が学園に居るってちょっと不安だ。

 殿下は剣が使えるからいいとして皇女様は病弱と聞くし、お城でしっかり守られてて欲しいところ。


 それに、リューに会いたくないってどういう事だろう。リューを含めたこの4人達は昔からの知り合いみたいな発言はしていたけど……。


 そもそも何故このメンバーが集められたのか。



「……………………」




 _____コンコン、ガチャ



「たのもー!」


 私はノックをして返事を聞かずに部屋に入った。

 今入らないでって言われても気になって寝れなくなりそうだから仕方ない。ここは強行突破だ!



お読みいただきありがとうございます!

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